大胆に生まれ変わった「LOST」シーズン4 : FROM HOLLYWOOD CAFE

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コラム

第102回:大胆に生まれ変わった「LOST」シーズン4

「LOST」シーズン4日本ではAXNで6月15日に第1話を先行放送「LOST」シーズン4
日本ではAXNで6月15日に第1話を先行放送
(C)ABC Studios

つい先ほど「LOST」シーズン4の最終話「There's No Place Like Home」を見終えたところだ。これで来年1月のシリーズ再開まで「LOST」はお預けとなってしまうけれど、いまは残念な気持ちよりも、充実感のほうがずっと大きい。シーズン4が与えてくれた知的興奮のおかげで、今後の空白期間も楽しく過ごすことができそうだ。

シーズン4で、「LOST」は大きく改善された。ストーリー展開はずっと早くなったし、ストーリーテリング手法もどんどん大胆になって、「LOST」ファンじゃなければ、ついていけないほど刺激的になっている。あるエピソードなんかは、島の「現在」と並行して、フラッシュバック(過去)とフラッシュフォワード(未来)が両方とも使われていたくらいだ。

LOST」がシーズン4で大胆に生まれ変ることができた背景には、2010年のシリーズ終了決定がある。アメリカのドラマは人気があるかぎり番組を継続させるのが慣例だが、単発エピソードの集まりである刑事物や病院物などとは違い、「LOST」はすべてのエピソードが連結して、ひとつの大きな物語となっている。おまけに、「島はいったいなんなのか?」という謎の解明に向かってストーリーが進んでいるため、無限に続けていけるわけではない。「LOST」に対する最大の批判といえばストーリー展開が遅いことだが、それは製作陣がゴールの見えないなかでドラマ作りを強いられてきたためであり、そのことを考慮すれば、かなり良い仕事をこなしてきたように思う。

ラストに向けて物語は加速ラストに向けて物語は加速(C)ABC Studios

昨年、製作側はネットワーク側から「LOST」をシーズン6で終了させる同意を取りつけた。そのおかげで、製作陣はネタを小出しにして時間稼ぎをする必要がなくなったのだ。シーズン3の後半からその効果が出始めており、シーズン4では物語のテンポばかりか、謎に対する答えを開示するペースが飛躍的に速くなった。また、SFやミステリーの要素ばかりではなく、ヒューマンドラマのほうもさらにパワーアップしている。とくに、デズモンドとペネロピのラブストーリーを描く第5話「The Constant」(「不変のもの」という意味)は、「LOST」史上最高のエピソードだったと思う。デッドラインを自ら設けることで、「LOST」は再生を果たしたのである。

シーズン4を見たあとで、「これだけ大風呂敷を広げておいて、ちゃんとしたオチはあるんだろうか?」という疑念を抱く人なんていないと思う。

いまはただ、歴史的なTVドラマをリアルタイムで体験できる喜びを噛みしめたい。

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FROM HOLLYWOOD CAFE ロサンゼルス在住のフィルムメイカー/ライターの小西未来氏が、ビビッドなハリウッドの姿を毎月届けてくれます。毎月1日頃更新

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