イノセンス : 新作映画評論

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新作映画評論

イノセンス イノセンス 3月6日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー

人形と言語で構築された迷宮が立ち現れる

画像(C)2004 士郎正宗/講談社・IG, ITNDDTD

「マトリックス」の元ネタにもなった「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」は、情報の海で発生した新種の生命体であると名乗る身体を持たない存在を登場させ、人間とは一種の情報ネットワークのことなのかという問いを投げかけた。その物語に続く本作は視点を逆に「身体」に向け、人形になりたい男と人形になりたくない少女を登場させ、人間はなぜ自分の姿に似たものを作らないではいられないのかを問う。

しかも、ドラマよりも雄弁にこの問いを発するのは、背景に配された図象群だ。監督によれば、本作では映画の3要素=キャラクター/世界観/物語を、パースペクティブの3区画=近景/中景/遠景に対応させたという。そのため映像に盛り込まれた情報量は凄まじく、まずは、洋館の形をした巨大オルゴールの中に住む人形のふりをした男、「処女」の花言葉を持つ百合を髪に飾った少女型愛玩用アンドロイド、ハンス・ベルメールの球体関節人形、江戸時代の茶運び人形、イタリアの人体模型ラ・スペコラ、リラダンの「未来のイヴ」、漢詩、レーモン・ルーセルの機械愛小説「ロクス・ソルス」、釈迦の言葉等々で構築された迷宮が立ち現れる。そしてこの迷宮の中心に、この問いは待っている。

平沢薫

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  • 人間の脳が情報ネットワークに直接接続され、身体の機械化が進む世界で、少女型の愛玩用アンドロイドによる持ち主の殺害事件が多発。事件を担当することになった政府直属機関、公安九課の刑事バトーは、犯行直後の少女型アンドロイドが「助けて」という言葉を残して自壊するのを目撃して、違法アンドロイドの製造を疑い、製造会社ロクス・ソルス社に捜査に向かう。押井守監督「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の3年後が舞台。
  • 監督・脚本:
    押井守
    製作:
    石川光久、鈴木敏夫
    原作:
    士郎正宗
    音楽:
    川井憲次
    美術:
    種田陽平
    キャラクターデザイン:
    沖浦啓之
    メカニックデザイン:
    竹内敦志
    作画監督:
    黄瀬和哉、西尾鉄也
    出演:
    大塚明夫、田中敦子、山寺宏一、大木民夫、仲野裕、榊原良子、武藤寿美、竹中直人
    製作国:
    2004年日本映画
    上映時間:
    1時間39分
    配給:
    東宝
  • 3月6日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2004 士郎正宗/講談社・IG, ITNDDTD

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