ヴィレッジ : 新作映画評論

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ヴィレッジ ヴィレッジ 2004年9月11日より、日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー

シャマラン商法も今度ばかりは年貢の納め時だ

M・ナイト・シャマランの出世作「シックス・センス」は、アイデアが「恐怖の足跡」(61)というカルト・ホラー映画そのままだった。「アンブレイカブル」も「ジャンボ・墜落/ザ・サバイバー」(81)とプロットが似すぎている。ヒッチコックの「鳥」をエイリアンに置き換えただけの「サイン」公開時には、シャマラン本人が先に“オマージュ”と認めた。

「ヴィレッジ」ではついに盗作疑惑が沸き上がった。マーガレット・ピーターソン・ハディックスの小説「ランニング・アウト・オブ・タイム」(95)の出版社が、同書のストーリーを「ヴィレッジ」に盗用されたと主張したのだ。残念ながらこの出版社は裁判しても勝てないだろう。なぜなら、このアイデアはとっくに使い古されたものだからだ。古くは今から57年も昔の1947年、レイ・ブラッドベリの短編小説「びっくり箱」がある(短編集「十月はたそがれの国」所収)。さらに58年には「恐怖の獣人」が同じどんでん返しを使っている。これはロジャー・コーマン監督の超低予算映画だが「猿の惑星」(68)にヒントを与えたと言われている。この「恐怖の獣人」は怪物の造型や長老の役割など「ヴィレッジ」との共通点があまりに多い。偶然とは思えない。

「どうせ誰も観てないだろう」と過去の小品からアイデアを拝借し、A級の風格で“リメイク”する。そんなシャマラン商法も今度ばかりは年貢の納め時だ。シャマランにはこんな小手先の戯作ではなく、デビュー作の「翼のない天使」のように自分自身のテーマと真摯に向き合った“作品”を見せて欲しいものだ。

町山智浩

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  • 「サイン」のM・ナイト・シャマラン監督の最新作。1897年、米ペンシルバニアの小さな村。村の周囲を取り囲む森には恐ろしい存在がいるため、村人が森に入ることはタブーとされていた。だが、村で皮を剥いだ動物の死骸が発見され、誰かがタブーを破ったのではないかという疑惑が持ち上がる。ロン・ハワード監督の実娘ブライス・ダラス・ハワードがヒロイン役。撮影はコーエン兄弟監督作の常連ロジャー・ディーキンスが担当。
  • 原題:
    The Village
    監督・脚本:
    M・ナイト・シャマラン
    製作:
    サム・マーサー、スコット・ルーディン、M・ナイト・シャマラン
    撮影:
    ロジャー・ディーキンス
    音楽:
    ジェームズ・ニュートン・ハワード
    出演:
    ホアキン・フェニックス、ブライス・ダラス・ハワード、エイドリアン・ブロディ、ウィリアム・ハート、シガーニー・ウィーバー、ブレンダン・グリーソン、マイケル・ピット
    2004年アメリカ映画/1時間48分
    配給:
    ブエナビスタ
  • 2004年9月11日より、日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー
  • オフィシャルサイト

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