スカイ・クロラ The Sky Crawlers : 本作の先に目指すものとは?~押井守監督インタビュー(2)

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スカイ・クロラ The Sky Crawlers

劇場公開日 2008年8月2日
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スカイ・クロラ The Sky Crawlers

押井守監督インタビュー

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「スカイ・クロラ」で見られる監督自身の変化とは?「スカイ・クロラ」で見られる監督自身の変化とは?

■監督自身の変化がもたらしたもの

――ここ2年ほど体を鍛えられているそうですが、そのことによる変化は?

「年を取って変わった」と話す押井守監督「年を取って変わった」と話す
押井守監督
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「落ち込まなくなったよね。コンスタントに仕事ができて、充実してた。現場で一番元気だと言われてた。『イノセンス』の時はつらかった。しょっちゅう寝込んでて、胃が痛かったし、禿げたし、太ったし……しんどい現場は、ストレスで食べるから太る。監督が太り始めたら赤信号だね(笑)」

――「攻殻」「イノセンス」では、人間の肉体の曖昧さも描かれていましたが。

「やっぱり不健康だったんだよね。健康になったら作るものがまるっきり逆になるということでもないけど。特に『イノセンス』の時はひどかった。更年期障害もあったんだろうけど」

――「イノセンス」もある種のラブストーリーであっても、バトーと素子の触れ合いはありませんでした。今回はキスや抱擁という直接的な肉体の接触が描かれていて、それも意識の変化の表れかなと思ったのですが。

「それはあるかもよ。色気づいたし。ただ、今回は愛とか恋愛というよりも、“愛欲”ということで、全然テーマが違うんだ。例えばバトーが犬と暮らしているとか、素子のことを想ってるということと、ユーイチとスイトの関係っていうのは全然別物。愛欲だからこそ破綻する。バトーと素子の間は破綻しないし、だからこそ犬とか無機物とかに向かうのであって、人間が人間に向き合えば破綻するに決まってる。まあ、もともとバトーは半分機械だけど。それでいうと、愛欲とかいう感情になりようがない。だから、そうしたものに向き合うのは、今回が初めてだと思う」

若者たちの恋愛ではなく“愛欲”を描く若者たちの恋愛ではなく“愛欲”を描く[拡大画像]

――今回は若者に向けた作品ですが、若者を意識するようになったのは?

「それも結局、自分が変わったからだと思う。体を鍛えて元気になったというのもないとは言えないけど、基本的に年を取ったということなんだよ。年を取ると枯れるんじゃなくて、意欲的に、貪欲になる。年を取ったら枯れるというのは、“年寄りには枯れてほしい”という世の中の願望でしかない。実際は、残り少ない人生だからこそ、あれもこれもと思うんだ。逆にいえば、若い連中はまだ先があると思っているから淡白で、欲望の先延ばしができる。自分が年を取って、そいうことがわかった。機械とか動物とかも相変わらず好きだけど、年を取ったことで逆に人間的なもの、人間くさいものに興味が出てきて、その中で若者というのも視野に入ってきたんだと思う」

■押井守が次に向かうところ

――「攻殻機動隊2.0」のように過去の作品を手直しするのは初めてですが、これもどういった心境の変化で?

押井が見据える“次”のための「攻殻2.0」押井が見据える“次”のための「攻殻2.0」(C)1995・2008士郎正宗/
講談社・バンダイビジュアル・MANGA ENTERTAINMNET
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「基本的に昔のものをいじってもしょうがないんだけど、その意味があるとしたら、そのことが次に対する投資になっているかどうか。平たく言えば、次にやろうと思っていることに関係があるから。だから、実はあれは“開発”なんです」

――では、押井監督の次に向かうところは?

「『スカイ・クロラ』をやって、『攻殻』の手直しをして、次にどんな方法論で何を目指すかというのは見えてる。僕にとっては映画を作るというのは、明らかに“発明”なんだ。また違う映画を発明しないと、僕の仕事はできない。『スカイ・クロラ』と同じ形式で同じような勝負をしても、次はもっと(結果が)下がるのは見えているから。今はその発明に取りかかっているところ。『スカイ・クロラ』を作っている間に、なんとなく予感はしてたけどね。次はこれしかないなと。何かというのは企業秘密だから言わないけど(笑)。ただ、『スカイ・クロラ』と『攻殻2.0』を並べてみればすぐにわかる。勘のいい人間だったら察しはつくと思う。でも、それをやるためには、まずは『スカイ・クロラ』を成功させることが第一歩。だからこうして宣伝のキャンペーンも頑張っているわけ(笑)」

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ABOUT THE MOVIE

  • スカイ・クロラ The Sky Crawlers 画像 [拡大画像]
  • スカイ・クロラ The Sky Crawlers
  • 過去の記憶がない戦闘機乗りの函南優一は、新たに着任した基地で上官となる女性・草薙水素に出会う。2人はやがて惹かれていくが……。「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「イノセンス」の押井守が、菊地凛子、加瀬亮ら実力派俳優を声優に起用し、森博嗣の同名小説を映画化した長編アニメ。思春期の姿のまま永遠に生きる“キルドレ”と呼ばれる青年たちが、大人たちによって作られた“ショーとしての戦争”を戦う姿を通し、生きることの意味を問う。
  • 監督:
    押井守
    脚本:
    伊藤ちひろ
    製作:
    奥田誠治、石川光久
    原作:
    森博嗣
    音楽:
    川井憲次
    美術:
    永井一男
    演出:
    西久保利彦
    キャラクターデザイナー・作画監督:
    西尾鉄也
    メカニックデザイナー:
    竹内敦志
    アニメーション制作:
    プロダクションI.G
    主題歌:
    絢香
    出演:
    菊地凛子、加瀬亮、谷原章介、栗山千明、山口愛、平川大輔、竹若拓磨、麦人、大塚芳忠、安藤麻吹、兵藤まこ、西尾由佳理、ひし美ゆり子、竹中直人、榊原良子
    製作国:
    2008年日本映画
    上映時間:
    2時間1分
    配給:
    ワーナー・ブラザース映画
  • 8月2日より渋谷東急ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)森博嗣/「スカイ・クロラ」製作委員会

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