劇場公開日 2023年12月22日

PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価

全638件中、1~20件目を表示

5.02023年末に日本で公開された、2023年公開作品で最高峰の「世界的に評価されるべき奇跡的な作品」!

2024年1月20日
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本作で主演の役所広司が2023年・カンヌ国際映画祭で「男優賞」を受賞したのは十分に納得できます。
本作の主人公は普通に話すことができるのに、基本、話さずに表情やしぐさで訴え掛ける物静かな人物。
それもあり、役所広司の演技力が極めて自然な形で国境を超えるレベルにまで発揮されていています。
2006年・カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した「バベル」で、話すことができない役の菊地凛子が、アカデミー賞の「助演女優賞」にノミネートされたのと似た構造を感じます。

東京の公衆トイレをクリエイティブに改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に関連した映像化の話にドイツのビム・ベンダース監督が賛同する奇跡的な動きが生まれ、トイレの清掃員の日常を描き出す流れで「トイレ清掃員のプロフェッショナルな平山」に命が宿りました。
赤いライトを中心に独自性のある自然なライティングによって、より深みのある映像に仕上っているのも重要な要素ですが、何といってもエグゼクティブプロデューサーも務める役所広司の存在感が最大のカギだと感じます。
リハーサルを一切せずにドキュメンタリー映画の如くいきなり本番という最も効率的で役者力が試される現場で、わずか16日の撮影で「最高峰の映画」が完成するという奇跡が起こりました。
世界の人たちが本作を見れば、日本に関心を持って「平山に会いに日本を訪れる」など日本経済にも効果をもたらすことでしょう。
ちなみに、平山が毎日飲んでいる缶コーヒーは、やはりアレなのですね(笑)。

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細野真宏

4.5これほど説教臭くなく、生き方や価値観を静かに揺さぶる映画は久しぶり

2023年12月31日
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日本でこのような作品が生まれるのは驚きであり喜びだ。主人公の平山は無口であまり言葉を発しない。だがその分、彼の生き様は、朝起きてから夜の微睡に包まれるまでの一挙手一投足でもって、観る者の心に深く染み入っていく。彼は決して世捨て人ではない。無心になって仕事をこなし、瞳には優しさと温かさが宿り、彼なりのやり方で物事を無駄なく楽しみ・・・そうやって築かれた最小限の日常で、すべてを大切に受け止め、決して悔いを残さない。こんな暮らしに少なからず憧憬の思いが込み上げるのは、我々が何事も過多な現代社会で多くのものを取りこぼし、後悔を感じて生きているからだろう。トイレから人々を見つめる平山の姿はどこかヴェンダース映画における天使のよう。と同時に、日々を真っ新な気持ちで生きようとするその姿は、人生という旅路をひたすら歩み続ける、これまたヴェンダース作品特有のロードムービーの主人公のように思えてならなかった。

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牛津厚信

4.5街の息づかいを撮った作品

2023年12月31日
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寡黙なトイレの清掃員の日々を美しく撮っている。渋谷のデザイン・トイレのパブリックリレーションの役目を負った作品であるが、トイレの先進的なデザイン性とその清掃員の住む古い木造アパートは対照的である。しかし、ヴェンダースは新しいものを良く見せているわけでも、古いものをみすぼらしく見せるでもなかった。むしろ、新旧のものが共存している東京の街並みに関心を寄せている。カセットテープの音楽を聴き、フィルムのカメラを趣味とする役所広司演じる主人公は、古いもの代表なわけだが、周囲の新世代に振り回されながらもなんとなく共存していく。東京という街は、近代的なものと古いものが混在している場所として多くの海外旅行者にも認識されているのだが、そういう目線がここにはある。しかし、旅行者目線とは異なる視線でそれを成立させていることにこの作品の美点があるだろう。街を撮るというのはなかなか難しいことで、そこに生きる人の息づかいみたいなものがないといけない。この映画はそれが感じられる。

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杉本穂高

4.5“日常”の有難さを知った2020年代に響く人間賛歌

2023年12月22日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

知的

幸せ

昨日と今日、そして明日もだいたい同じ一日が繰り返される。当たり前だったそんな日常が、コロナ禍で一変した。職場や学校に通い、人に会って話をし、店で飲み食いする、そんな普通のことでさえも困難になったあの時期を経て、日常の有難さが世界中で認識された今、この「PERFECT DAYS」が世に出るのはまさに完璧なタイミングだ。

成立過程はかなりユニーク。2018年に「THE TOKYO TOILET」プロジェクトがスタートし、渋谷区内17カ所に著名な建築家やクリエイターらが設計した公共トイレが順次設置された。そのPRの一環としてまず短編映画の企画が立ち上がり、役所広司とドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースの参加が決まってから長編劇映画として再構想されたという(おおよその経緯はWikipediaの「THE TOKYO TOILET」と「PERFECT DAYS」の項で確認できる)。

小津安二郎への敬愛をドキュメンタリー「東京画」で示したヴェンダース監督らしく、本作の主人公であるトイレ清掃員の平山は実直で心優しく日常を大切に生きる男で、物語はさほど大きな事件が起きることもなく淡々と進む。近所の老婆が通りを竹ぼうきで掃く音で目覚め、仕事道具を積んだ車で担当する渋谷区の公衆トイレに向かい、丁寧に便器や手洗い場や床を清掃する。樹木を好み、木漏れ日をフィルムのカメラに収め、銭湯に通い、馴染みの飲み屋に寄り、文庫本を読んで寝落ちする。そこには、平山というひとりの人間の生きざまをそっと見守り讃える温かなまなざしが確かに感じられる。

寡黙な平山の心情を代弁するかのように、彼がカーステレオや自室のラジカセで流すカセットテープの60~70年代の洋楽が、夜明けと朝日の美しさ、一日の始まりの高揚や感謝、日曜の午後の気分などを歌い上げる。どの曲もシーンに合っているが、とりわけラスト近くで流れるニーナ・シモンの「Feeling Good」と役所広司の表情の相乗効果が抜群で、ヴェンダース作品としてだけでなく邦画史においても屈指の名場面として大勢の観客の心に残るはずだ。

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高森 郁哉

4.5役所広司が差し出す新たな引き出し

2023年12月22日
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悲しい

幸せ

毎朝、木造アパートの一室に敷いた布団から起き上がり、植木に水をやり、自販機でコーヒーを買って飲み、トイレ清掃に向かう男。平山というその男性の日々のルーティンが、関わる人々とのやり取りによって微妙に揺れ、それでも基本型はキープしたまま進んでいく。

なんとミニマムで上手い構成かと恐れ入る。与えられる情報の積み重ねによって、平山の背景が垣間見えて来るのだ。なぜ、彼はアパートに一人暮らしなのか、なぜ、トイレ清掃員なのか、という疑問が、本当に微かではあるが、腑に落ちて、ビム・ベンダースの脚本と演出の妙に心を奪われてしまった。

世界的な建築家たちが携わった東京・渋谷にある17のおしゃれトイレが舞台というのも上手いと思う。しかし何よりも、平山を演じる役所広司の、人を遠ざけず、かと言って近づけず、日々の生活を存分に楽しんでいるようで、実は心の底には深い悲しみを湛えている、ハッピーでアンハッピーな表情と演技が凄くてまいる。ベンダース演出の下、彼はまた新たな引き出しを差し出してきた。

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清藤秀人

4.0映画の光と影、孤独=自由を享受する

2023年12月20日
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泣ける

萌える

 役所広司が演じる平山は寡黙な男であり、規則正しく、ルーティンをこなす。毎朝植木に水をやり、仕事を終えると銭湯に行き、居酒屋で酒を飲み、部屋では古本を読みながら寝落ちするのもその一つ。極力他人と関わらないことで“孤独”であることを忘れようとしているのかもしれませんが、“孤独”=自由を享受しているようにも見えます。

 50歳をゆうに過ぎているであろう男が、なぜアパートで一人暮らしをして、清掃員の仕事を黙々としているのでしょうか。その研ぎ澄まされたような姿は悟りに至った僧侶のようにも見えます。

 でも、そんな彼が見ている世界、ふとした時に向ける視線の先には木々や光が溢れているのです。朝日、木漏れ日、夕日、街並みや公園、トイレ、運転中の車のフロントガラスなどの光の屈折や反射。ヴィム・ヴェンダース監督の過去作品を見ていれば、ここに過去のシーンを重ね、敬愛する小津安二郎監督作品の面影も感じ取ることができるのではないでしょうか。

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和田隆

4.0Snapshot of Today's Tokyo

2023年11月22日
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Wim Wenders' slice of life drama about a toilet janitor in Shibuya shows an appreciation for one the city's most prestigous whilst undervalued services. The act of toilet cleaning gets a lot of screentime while showing off the city's rich assortment of commode architecture. Lighthearted and at times cheesey, the mystery behind Koji's cleaner's past is left to interpretation upon veiled sadness.

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Dan Knighton

5.0変な嫌味がない作品

2024年6月1日
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彼の日常がただ流れていくだけだから、“こういう映画です!”みたいな押し付けがましさは全く感じない。それでも最後まで飽きなかったのは、彼の生活のどこかしらに、美しさを感じたからだと思う。

そしてこの作品の肝だと思うのは、ほどよくキラキラしてるんだけど、全然自分と遠い世界の話には感じないこと。

彼みたいな生き方、やろうとすれば自分にも、割と誰にもできるんじゃないかな、と思わせてくれるところがあった。

若い人や現代的な生活を送っている人には、特に有意義な何かを得られる作品なんじゃないかと思います。(若い現代っ子の感想なので間違いないです!)

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natsu

2.5家の鍵かけないのが、気になった。

2024年5月29日
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ヴィムヴェンダースの作品自体初めて見たので、なんとも言えないが、正直あんまし面白くなかった。淡々と清掃員の日常を描く、という意図は感じられたが映画としての「物語性」が乏しく、登場人物それぞれに感情移入できないまま、エンディングを迎えた感が強かった。
料理屋のママが歌うシーンは良かった。

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kenken

4.5心地よい孤独。

2024年5月26日
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幸せ

観賞後は気持ちがスッと爽やかになるような、素敵な作品だった。
人生のどこかの折に、また繰り返して見たい作品のひとつ。

序盤から、役所広司演じる平山というトイレ清掃員の日々のルーティンが淡々と丁寧に描かれて行くが、
自分以外の人の生活を覗き見るというのは
案外興味深く楽しいものだ。
朝起きてまず始めにすること、部屋の中に何を揃えているか、どこで何を食べて、1日の終わりの楽しみは何なのか、その人物の取捨選択を、具に観察していく。

この平山という男は、もしかすると一言も言葉を発さない日があるかもしれないほど口数少なく、
作中その背景や感情が言葉で語られることは全くない。
そのため、観賞者は登場人物の表情を注意深く観察し、
語り口に耳を傾け続けるわけだが、
一般に負け組とも揶揄されそうな生活環境に身を置く平山に、不思議と悲壮感はない。
丁寧に日々を捉えていくその生き方は、ある意味で人生をささやかに肯定していて、心にじんわり染み渡る。

変わり映えのないように見えて、毎日少しずつ何かは起こっている。
「全く同じなんてそんなバカなことあるわけない!」と、劇中1番のデカボイスで言い切る平山のその言葉は、人に寄り添い励ましながら、自分に言い聞かせているようでもある。
時折街の人々に向けるあたたかな目線、丁寧な仕事ぶり、姪との関係や、
陽の光や木々のざわめきに心地よさを感じ、
決して突き放すわけでなく距離を置くわけでなく、孤独に自由に生きるこの男を、
観終わった頃には、わたしは好ましく思っていた。

これまでの人生を思い、ふと寂しさや孤独を感じ何故か涙が出そうになる時に、煎茶を飲むとスッと落ち着くような、そんな(どんな)不思議な清涼感のある作品。

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nyancosky

4.0ルーティーンのなかで見出される、一筋の光明。

2024年5月25日
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朝、目を開けて歯を磨き、コーヒーを買ってから車に乗ってトイレに向かう。仕事が終われば、銭湯で体を流し、自転車を漕いで酒場に行く。

変わらない日常を描きながら、その中に存在する一瞬の美しさを切り取っていく。

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たく

4.0役所とヴェンダースの凄さ

2024年5月15日
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泣ける

悲しい

淡々としてる作品を少し寝不足で観に行くのは少し心配でしたが、全然大丈夫でした。
最初はすこし眠いと思いながら観てはいましたが、もう五分もすると役所広司の演技、表情、所作から目が離せませんでした。
昔はこういう映画はヨーロッパとかを舞台に描かれていたのではと思いつつ、東京を舞台に描くのはヴィム・ヴェンダースが日本好きだからか、日本の文化が世界的に認知されたのかとも思って観てました。
この作品も役所広司ありきの作品だと思いました。
その極みなのではないでしょうか。
画もとても美しいというのとは違う、凄みある画でした。
あのアスペクト比もなかなかもって、イカすエモい良い演出でした。
トイレツアーは行ってみたいです。

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93q2q2

3.5自分の人生を豊かなものにできるかどうかは本人次第なんだと強く教えら...

2024年5月5日
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自分の人生を豊かなものにできるかどうかは本人次第なんだと強く教えられました。
同じ生活をしても最悪な人生だ、ついてないと悲観する人もいるはず。
他人から見たら決して幸せに思えなかったとしても自分自身がその生活を楽しみ、素晴らしいものと思えるならきっとその人生はステキに輝いている。
そう教えてもらいました。
ただ寝ているときの映像と音はちょっと怖かったしよくわからなかった。
あと、とりあえず柄本時生さん演じる同僚は一回殴らせてほしい。

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mitsuba635

1.0退屈と出るか?感銘受けるか?

2024年5月5日
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退屈と出た〜。やっぱ配信まちで良かったか〜。

追記、世間で評判なのに自分には響かなかった要因があるとしたら…

禅寺修行体験したからかな〜?映画以上にシンプルかつ規則正しく、社会との接点も薄い。(先輩僧や高僧との人間関係は存在するが)

映画のレビューでは「何も起こらない」とあったが、それなりに飽きさせないような展開だったし淡い喜怒哀楽もあったし。
「こんな生活が実は幸せなのかも」って体験をすでにしてしまっていたからかな?

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maku1

5.0清掃

2024年5月4日
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なんかこの映画褒めなきゃの空気が溢れすぎててすごい気持ち悪かったけど、というか見終わった今も気持ち悪いけど、でもそれ抜きにして凄く良くて安心した。
特にあの生活を見せた後にちゃんとETCで高速乗ってるのとか、タバコで2人がむせるシーンはヴェンダース過ぎて最高だった。
登場人物のギミックについても本当上手くて、よくこのキャスティング思いついたなと。
ヴェンダースファン以外も手放しでみんな絶賛してる状況は理解できないけど、ヴェンダースファンなら特に文句のない作品だと思う。
でも鍵かけたらスモークかかるトイレ、怖くて使えないわ。

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ヨッシー

3.5変哲もない1日なのに何故このタイトル

2024年4月29日
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必要以上に他人と関わらないトイレ清掃を生業にする男の物語。これのどこがパーフェクトなのだろうか?

エンディングの役所さんの表情の変化が、すべてを物語っている。

毎日キレイに清掃するからこそ、公衆トイレなのに毎回キレイなのだろう。
やはりキレイなものを汚すのは気がひける。

ゴジラ旋風の中でとアカデミー賞の最優秀を受賞した役所さん。圧倒的な演技力に脱帽。

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ダルメシアン07

5.0Perfect!

2024年4月23日
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まさにPERFECT DAYS、複数形。

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もんくーる

3.5主人公が愛でる個人的空間

2024年4月21日
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静かな映画。おんぼろアパートに一人で住む初老男性が主人公。仕事は都内の公衆トイレを巡回掃除すること。趣味は、部屋で植木を育てることだ。ずらりと小さな鉢が並んでいるのは壮観だが、それらはまだ、背が低いので、こういう生活を始めて、まだそんなに日数が経っていないことを思わせる。朝、箒で掃除をする音で目覚め、歯を磨いて植木に水をやり、階段を下りて、仕事に行く。それが終われば、浅草で夕ご飯を食べ、銭湯へ行き、ときには、飲み屋でいっぱい。そして、寝る前に少しの読書……ほとんど他人との交わりがない、個人的空間で過ごす。これが、主人公の一日である。突然、姪が訪ねてきたり、ほんのり好意を寄せている飲み屋の女将が素敵な男性と抱擁しているのを垣間見て動揺したりもするが、それは一過性のことであり、基本的は同じことの繰り返しである。そんな主人公の過去はまったく明かされない。トイレの使い方がわからない外国人女性に英語で教えてやったり、高級車に乗ってやってきた妹との対峙で、かすかに彼の背景を想像するしかない。ある意味、過去を捨てた男なのだろう。捨ててしまったから、逆に失うことを恐れていないのかもしれない。それが証拠に、彼は出かけるときに施錠をした様子がない。盗まれて困るものなどないからなのだろう……と思ったのだが、姪が転がり込んできた際には、「開錠」する描写があるから、やはり鍵はかけたようである。それとも、姪の持ち物は大事であったか。それとも、姪との個人的な空間を他人におかされたくなかったのだろうか。そう思えば、トイレも非常に個人的な空間だが、やはり、施錠する描写はない。主人公は、ふたつの個人的空間を愛しているように思えてならない

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東山 びわこ

4.0ものすごく乱暴なレビューを書きます

2024年4月21日
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ものすごく乱暴なまとめ方をする

今作はキャラ萌え日常系映画だ
「◯◯な趣味をやらせてみた」ではないものの『ゆるキャン△』や『けいおん!』の仲間である

主人公はトイレ清掃員・平山
早朝から仕事に向かい、明るいうちに終えて銭湯で汗を流す
さっぱりしたら行きつけの酒場でレモンサワーを一杯
夜は文庫本を片手に眠くなるまでの時間を過ごす

休日にはプロの技で手際よく部屋の掃除を終えると、汚れた仕事着を持ってコインランドリーへ
合間の時間には趣味で撮ったインスタント写真の現像にも出向く
夕方には少し気になる女将のいる小料理へ

そうして平山の一週間は巡る
インスタには載らない。しかしこれ以上なく丁寧な生活だ

そう、そんな彼を好きになるための映画

演じる役所広司氏はPERFECTだ
ヴェンダース監督の控え目な描き方も心地良い

『オイラは平山。寡黙だけど不思議と周りに慕われるトイレ清掃員さ!』
と語らせるのが0点ならば100点の形で彼の魅力を引き出している

情報を入れて難しく考える必要はない
平山さんに好感を持つか否かだ

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作務衣もん

3.0静かな映画

2024年4月21日
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幸せ

アカデミー賞受賞作品ということで、せっかくなので劇場に見に行った
全体的に静かな映画。
読書やラジカセで聴く洋楽を好み、たまに行きつけの居酒屋で足るを知る。いかにも今でいうサブカルチックな感じの人間が憧れるような生活だと感じた。
世間体に目が眩む世の中だけからこそ、こんな生活を「パーフェクト」と言い切れるあたりがこの映画の論点になり得るところだと思う。
私は今と同じ給料でこの生活を出来ると言われても、それは望まないと思う。

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フロマ