荒野の用心棒のレビュー・感想・評価
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マカロニウエスタンの割に筋が凝ってる
音楽のエンニオ・モリコーネの伝記映画をきっかけに鑑賞。多分1回は観ているはずだがジュリアーノ・ジェンマとかフランコ・ネロとかの作品とゴッチャになって明確な記憶は呼び起こせず。マカロニウエスタンって派手なガンアクションだけでストーリーは大して無いイメージだったが、それなりによくこなれている……と思ったらこれ黒澤映画の本格パクリ映画なのね。当然そちらの方が面白いのであろう。ただ改めてモリコーネの音楽は素晴らしいと実感。こんなに多くの曲調を1人でよく紡ぎ出せるものだ。
若きイーストウッドの躍動感
赤と黒と白のオープニングが良い。これだけで楽しみになる。この時代の映画は、こういうところに工夫とお金を使っている感。
本編は若きイーストウッドに尽きる。クールで精悍、寡黙で機敏なガンファイト。監督・音楽・主演とマカロニ・ウェスタンの金字塔だね。
クロサワ「用心棒」の盗作騒ぎもあったそうだが、そもそも黒澤作品も西部劇っぽいし、この作品は明らかにリスペクトも感じられ、ガタガタ言うなよ、と。三船敏郎版を観たくなる。
この映画の音楽を聴くと
「迷宮グルメ」が出てきてしまうのですが。って、この映画の制作は1964年、もちろんこの映画の方が先だし、「迷宮~」はオマージュで使用しているのですよね。しかし「迷宮~」で食材を投入するときの銃声も、このテーマソングからきていたのだなー。
あまりにも有名な映画ですが、観た記憶がはっきりせず、正直今回が初見の感覚で見ました。クリントイーストウッドが若いですね。当時34歳。Wikipediaによると、この映画、当初ヘンリーフォンダを起用する予定だったそうですが、それではまるで違った映画になっていたでしょう。ヘンリーフォンダが演じていたなら彼が今まで演じてきた役柄から観客は最初からこの流れ者がいい人であることを確信した上で映画をみることになりますが、クリントイーストウッドが演じることで一筋縄でない流れ者である印象を受けます。
正直、働き手の男性がほとんど殺されてしまった町でどうやってみんな生活しているのか不思議です。棺桶屋には誰が支払ってくれるのか?なぞです。しかしこの映画はあまり深く考えないで見るのが一番。痛めつけられた主人公が復活して敵の前に現れるときの演出、まるで劇画だよなーと思いながら、でも、良い。最初に主人公が着ていたポンチョ、また突然ラスト主人公が着て現れます。それにはちゃんと理由があるのですが、それまでちゃんと取っていたのですね。
この映画は「用心棒」のパクリだそうですが、オリジナルは見てません。でも世界的にヒットしたということはこの映画を制作した人たちが単なるパクリに仕上げなかったからでしょう。やはり才能がある監督と才能がある作曲家と才能のある役者の出会いのケミストリーからこの映画は生まれたとおもいました。
全てはここから始まった(サンプリングが)
さすがにベストマカロニ!とはいかないがもうここから始まったのだし、これでもかとエッセンスが詰まっているのでなるほどと観賞。
あまりに用心棒であまりにマカロニなので困るけど、これを始めて観たらそらぁびっくりだしハマるよね。
ラスト10分の決闘シーンを見逃すべからず
本作が黒澤明監督の「用心棒」のplagio(盗作)であろうと今さらどうでもいい問題。
riavvio(リブート)作品として、作品そのものに観るべき価値があれば全て良し。
Ennio Morriconeの物哀しい旋律が、荒れ果てた町の虚無感を無言で表現している。
ストーリーは呆れるくらい「用心棒」とうり二つ(だから盗作と言われる訳だ)。しかし、C. Eastwoodの一匹狼の用心棒の佇まいは、三船敏郎のそれとは異なる世界を表現している。
圧巻はラスト10分の決闘シーン。
マカロニウエスタンのベーススタイルを作り、本場アメリカの西部劇にも影響を与えた作品として納得のガンファイト。「本家」とどっちが好きかは観る人のお好み次第。
映画の歴史を変えた盗作!?
無許可で製作された、黒澤明の『用心棒』のリメイク作品。
いろいろと問題はあるものの、この作品のヒットにより、マカロニウエスタン(イタリア産ウエスタン)が大ヒット。
さらには、映画界にイーストウッドとエンニオ・モリコーネが名を轟かせるきっかけとなった。
この作品が無かったら、イーストウッドとモリコーネが世に出なかったかも…
そういう意味では、映画の歴史を変えた作品と言っても良いだろう。
ストーリーは、黒澤明の『用心棒』をほぼそのまま西部劇にしただけ。面白く無いわけない(^^)b
結局、黒澤明は凄いってコトだわな(^o^)
荒野に現れた旅人が町の悪人どもをやっつける西部劇
荒野に現れた旅人が町の悪人どもをやっつける西部劇。主人公の早撃ち射撃シーンなどの活躍は見ていて爽快。話はテンポよく進み、自然とストーリーに引き込まれていく。物語自体は ありがちな内容だが、要点を押さえた つくりは見事。安心して人に勧めることのできる作品。
敗訴までした黒澤作品の究極まるパクリ映画(らしい) 私め、浅学ゆえ...
敗訴までした黒澤作品の究極まるパクリ映画(らしい)
私め、浅学ゆえオリジナルを知らんのです。
この際、許してやってください。イーストウッドファンのお願いです。これなくして、イーストウッドは成り立たんのです。
冒頭のモリコーネの音楽でもう名作。そしてなんといってもイーストウッドがかっこよすぎ!
散々ボコられた後のラスト対決、登場の仕方からもうたまらん!
パクリでもいいもんはいいのです。ほんと許してやってつかーさい。レオーネ監督もまだ未熟だったんです。いいじゃないですか、かえって黒澤作品の名を高めた訳でもあるし。
親父が見てるのを横目で見て、イーストウッドにシビレていったんだろうなあ。あんまり記憶にないけど(笑)
イーストウッド西部劇の傑作
面白かった。
冒頭、イーストウッドが町へ入ってきた時の3者の視線の交錯によって緊張感を演出している部分で引き込まれる。
イーストウッドの監督した作品は好きになれないものが多いが、このような主演作品も同じような嫌悪感を感じる部分がある。これがアメリカの男性中心的な価値観というものなのだろうか。どうも、そこに現れる女性はあまりにも男性に従属的であると同時に、男からの尊敬されるに足る男性には女性との幸福な生活は許されないという価値が支配的にみえる。
ただ、このような思想的な背景を気にせずに活劇の進行を追っていくぶんには非常に楽しめる西部劇の傑作だと思った。
バックトゥザフューチャー
マカロニウエスタンにアメ公が殴り込み!
孤高のカーボーイ、クリント・イーストウッドと対峙するのは
「夕陽のガンマン」でもお馴染みジャン・マリア・ボロンテ!!!
僕が 悪役者として最も尊敬する俳優さんです。
とびきりのクズ野郎なのに 衣装の着こなし風格がカッコよすぎなんです!!
クリント・イーストウッドについてはもう 言葉が追いつかないほどのカッコよさ
余談ですが、BTTF2で何度も見たあの名シーンを見れたことが嬉しかった
これを見ればPart3が百倍面白くなりますよ
いわくつき、だがおもしろい
盗作ということだが、ある意味、オリジナルを見たくなったし、むしろおもしろかった。
とはいえ、ちょっと盗作は許せない気持ちはあります。
それにしても、これ、悪役がわかりやすいですね。なんていうか見るからに悪役な感じだし、憎悪感もちゃんとある。当時見ていたらこれほどスカッとする作品はなかったろうな…。クリントイーストウッドにも痺れた。
緊迫感もなかなかあったし、音楽の盛り上げ方もテンションが上がりました。
西部劇は『許されざる物』『ジャンゴ』とかしか見たことないけど結構好きそうなジャンル。見る幅を広めたいと思っていた自分にはちょうど良い作品で見て良かったです。
未見の方はぜひ。
なんともベタベタな古い西部劇なのだが
総合:70点
ストーリー: 65
キャスト: 80
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 75
いかにもという音楽に乗せて、一人のガンマンが荒野を馬に乗ってやってくる。その危険な町で、早速性質の悪そうなガンマンたちに絡まれる。注文もないのに早速彼の寸法に合わせて棺桶が製作される。なんというわざとらしいベタベタな西部劇なのだろう。物語は黒澤映画のリメイク?だが、そのベタな雰囲気のせいで、笑えるくらいすっかりベタな西部劇に変身してしまっている。そこでイーストウッドがその後に通じる変わらぬクールな役柄を演じて存在感を見せている。
そんな無茶なという場面もあるし、正直そんなに洗練された物語とは思わないのだが、このベタな雰囲気とイーストウッドのせいで迫力のある娯楽作品になった。今となってはやはり古臭さも感じるのだが、時々彼が放つ気の利いた科白と共にイーストウッドの人物像の印象が確立され、その後の出世の原型が見られる。要するに西部劇に徹した演出が良かったのだろう、結局退屈せずに見られる作品に仕上がっていた。
反則的な面白さ
黒澤明の傑作「用心棒」をイタリアで西部劇としてリメイク。
…と言うより、無許可でリメイクした盗作。
これで酷い出来だったら許し難いのだけど、面白いんだな、これが。
ストーリー展開は「用心棒」をほとんど踏襲。「荒野の七人」は多少なりとも脚色されていたが、8〜9割酷似。ちょっとしたシーンや描写も含めて。
でも、ラストのポンチョの下の防弾具はこの作品ならではのオリジナルアイデアで、主人公の大胆不敵な性格を表している気がする。
セルジオ・レオーネのこってりとした演出とクリント・イーストウッドのニヒルな存在感がピタリとハマった。
エンニオ・モリコーネの音楽も忘れられない。
マカロニ・ウエスタンの代表作。
ハリウッド製西部劇とは一味違う面白さ。
今さら感ありすぎの『用心棒』との比較レビュー……
TOHOシネマズにて開催中の『午前十時の映画祭』にて鑑賞。
言わずと知れた西部劇の傑作ですが、初鑑賞。
ご存知の方も多いと思うがこの映画、
黒澤明監督の『用心棒』のリメイクなんですね。
オリジナルの『用心棒』がメチャクチャ好きな自分(と言っても20代後半)としては、
「オイオイどうせ刀を銃に変えただけの二番煎じじゃろ?」
なんて思ってた訳ですよ、今まで。
テレビ番組でもよく『棺桶4つ』のシーンがソックリだとか
半分馬鹿にしたような感じで比較してたりするしね。
ううむ、イカン。
やっぱりそういう先入観はダメだと改めて思い知らされましたわ。
ここまで面白いとは正直思ってもみなかった!
何はさておき、若きC・イーストウッドのカッコよさである。
ヤクザ連中を怒らせる序盤の台詞からして良いです。
「お前に撃たれた俺のロバが怒ってるぜ……
俺が口添えしてやるから、今の内にロバに謝っとけよ」
みたいな。
な、なんて憎たらしい……。
あのしかめっ面でニヤリと笑いながら、ニクい台詞のオンパレードである。
他にも、シーンをぐっと盛り上げるE・モリコーネのスコア、
赤と黒が強烈に映えるオープニング、
これぞ西部劇!と手を叩きたくなるダイナミックな画の数々、
どこを切り取ってもクール!
もうクールの中のクールである。
ところで『用心棒』で印象的だったのは、
刀vs銃という、どう見たって主人公側が圧倒的に不利な図式。
それが短銃vsライフルという図式に変わって果たして盛り上がるか?
という疑念が僕にはあった。
だがこれが盛り上がるんだ。巧いんだわ。
「どうした、よく狙えよ、心臓はここだぜ」
「弾を込め直して撃ってきな……銃がライフルに勝てないか確かめようじゃないか」
うっはー、カッケー!!!(爆)
オリジナルにあった“粋”なシーンが少なからず消えているのは残念無念。
しかし仇役がより非情で残忍に見えるシーンが多数追加されていたり、
抗争で引き裂かれた一家を序盤から登場させ、
話の流れを自然且つドラマチックにするなどの
秀逸な変更も為されている。
殺伐としつつも粋なユーモアのある『用心棒』、
ドラマチックで活劇性の強い『荒野の用心棒』、
ううむ、これは甲乙つけ難い。
だけどどちらもスーパークールな映画なのは間違い無いぞ!
……て、公開から50年近くも経った映画の比較レビューって一体……。
<2011/8/20鑑賞>
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