HOW TO BLOW UP

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HOW TO BLOW UP

解説

環境活動家の若者たちによる命がけの石油パイプライン爆破を描き、アメリカでスマッシュヒットを記録しながらも「環境テロ行為を助長する」とFBIが警告を出すなど賛否両論を巻き起こしたサスペンススリラー。スウェーデンの気候変動学者アンドレアス・マルムが2021年に発表したノンフィクション書籍「パイプライン爆破法 燃える地球でいかに闘うか」を原作に、ダニエル・ゴールドハーバー監督と主演を務める俳優アリエラ・ベアラーが共同で脚本を執筆し、物語の形に大胆に翻案した。

環境破壊に人生を狂わされた若き環境活動家たちが、テキサス州の石油精製工場を爆弾で破壊する作戦を企てる。彼らの過激な決意は、友人や恋人たちを巻き込みながら予期せぬ混乱を招いていく。

共演は「アメリカン・ハニー」のサッシャ・レイン、ドラマ「ユーフォリア EUPHORIA」のルーカス・ゲイジ、「アシスタント」のクリスティン・フロセス、「レヴェナント 蘇えりし者」のフォレスト・グッドラック。

2022年製作/104分/PG12/アメリカ
原題:How to Blow Up a Pipeline
配給:SUNDAE
劇場公開日:2024年6月14日

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(C)Wild West LLC 2022

映画レビュー

4.0理解するか共感するか

2024年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

環境問題の啓発のため、石油パイプラインを爆破しようとする環境活動家達の計画と背景を追う物語。

本作の主なメンバーは、アメリカン・ニューシネマの主人公達のように反抗することや破壊することを主目的とした人物としては描かれていない。合法な啓蒙活動に行き詰ったが故に過激な手段を選ぶ哀切や、産業の破壊が地域生活に及ぼす影響、計画の成否にかかわらず自分達の手段が必ずしも社会に共感されないこと、爆破という行動がニュースやSNSの中で消費されて終わる可能性があることを理解している冷静さが新しかった。

理性的な人物像を与える一方で、共感を得るためか当事者性を持たせてもいる。彼らの主観や感情が向かうのが破壊活動の標的選びで、石油会社や石油化学産業に対して利害関係を持つメンバーが多く、私怨のきらいが色濃いメンバーもいる。私的感情での破壊行為はアクティビズムと言えるのか、復讐ではないのか、という疑問が残った。

彼らの理性的な判断に理解を寄せるか、主観的な感情に共感を寄せるかで賛否が分かれそうな作品である。
過激な活動家をヒールや空回りする意識高い系としてではなく、考え行動する主人公として据えた点は新鮮だった。大きな目標から始まった物語が徐々に個人的な話題にフォーカスし始める展開を、ぶっつけ本番気味の爆破計画の行方や急拵えのメンバー構成に危機感を抱かせることで引き締めた構成も絶妙だった。

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