第33回ゴッサム賞、山田太一原作「異人たち」が最多4ノミネート
2023年10月28日 14:00
第33回ゴッサム賞のノミネート作品が発表され、山田太一の名作小説「異人たちとの夏」をアンドリュー・ヘイ監督が映画化した「異人たち」が、最優秀長編国際作品賞を含む最多4ノミネートを果たした。
2人の幼なじみの変わらぬ絆を描いたセリーヌ・ソン監督の「Past Lives」と、里親から息子を誘拐したシングルマザーの物語「A Thousand and One」(A・V・ロックウェル監督)が、最優秀長編作品賞を含む3ノミネートで後を追う。
今回からノミネート作品の選考方法に、いくつかの変更があった。ゴッサム・フィルム&メディア・インスティテュートは、今年初めて対象作品の製作費の上限を3500万ドルまで撤廃。しかし、ノミネート作品に大きな影響はなかったようで、ほとんどの候補作品はインディーズスタジオのものや、ブロックバスター的な作品よりもアーテイスト的な作品だったが、今年最大のヒット作「バービー」のライアン・ゴズリングがノミネートされた。
過去にゴッサム賞で最優秀長編作品賞を受賞した作品には、「スポットライト 世紀のスクープ」(2015)、「ムーンライト」(2016)、「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(2022)などがあり、いずれもアカデミー賞で作品賞を受賞している。
第33回ゴッサム賞の主なノミネートは以下の通り。授賞式は11月27日(現地時間)、米ニューヨークのシプリアーニ・ウォール・ストリートで開催される。
■最優秀長編作品賞
「パッセージ」
「Past Lives」
「リアリティ」
「ショーイング・アップ」
「A Thousand and One」
■優秀主演演技賞
アーンジャニュー・エリス「Origin」
リリー・グラッドストーン「The Unknown Country(原題)」
グレタ・リー「Past Lives」
フランツ・ロゴフスキ「パッセージ」
バベティダ・サジオ「Our Father, The Devil(原題)」
アンドリュー・スコット「異人たち」
ケイリー・スピーニー「Priscilla」
テヤナ・テイラー「A Thousand and One」
ミシェル・ウィリアムズ「ショーイング・アップ」
ジェフリー・ライト 「American Fiction(原題)」
■優秀助演演技賞
ジュリエット・ビノシュ「ポトフ 美食家と料理人」
ペネロペ・クルス「Ferrari」
ジェイミー・フォックス「ゼイ・クローン・タイローン 俺たちクローン?」
クレア・フォイ「異人たち」
ライアン・ゴズリング「バービー」
グレン・ハワートン「BlackBerry」
サンドラ・ヒュラー「The Zone of Interest」
レイチェル・マクアダムス「Are You There God? It’s Me, Margaret」
チャールズ・メルトン「May December」
ダバイン・ジョイ・ランドルフ「The Holdovers(原題)」
■最優秀脚本賞
「異人たち」 アンドリュー・ヘイ
「Anatomie d'une chute」ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ
「May December」 サミー・バーチ
「ヨーロッパ新世紀」クリスティアン・ムンジウ
「The Zone of Interest」ジョナサン・グレイザー
■最優秀国際長編作品賞
「異人たち」
「Anatomie d'une chute」
「哀れなるものたち」
「トーテム(原題)」
「The Zone of Interest」
■長編ドキュメンタリー作品賞
「20 Days in Mariupol(原題)」
「Against the Tide(原題)」
「Apolonia, Apolonia(原題)」
「Les filles d'Olfa」
「Our Body(原題)」
■ブレイクスルー監督賞
レイブン・ジャクソン「オール・ダート・ロード・テイスト・オブ・ソルト」
ジョージア・オークリー「Blue Jean(原題)」
ミシェル・ガルサ・セルベラ「Huesera(原題)」
セリーヌ・ソン「Past Lives」
A・V・ロックウェル「A Thousand and One」