クラユカバ

劇場公開日:

クラユカバ

解説

長年にわたり個人映像作家として活動してきた塚原重義監督が初めて手がけた長編アニメーション映画で、集団失踪事件の謎を追って地下世界「クラガリ」に足を踏み入れる私立探偵の活躍を唯一無二のレトロな世界観で描いた。

探偵社を営む荘太郎は、近頃世間を騒がせている集団失踪事件の捜査に乗り出す。目撃者はおらず、犯人の意図も不明、その足取りには必ず不気味な轍(わだち)が現れる。手がかりを求めて街の地下領域「クラガリ」へ向かった荘太郎は、黒がねの装甲列車とその指揮官タンネに出会い、運命を大きく動かされていく。

「最もチケットが取れない講談師」と言われる六代目・神田伯山が主人公・荘太郎の声優を務め、アニメ「響け!ユーフォニアム」の黒沢ともよが装甲列車の指揮官タンネ役、アニメ「彼女、お借りします」の芹澤優が情報屋の少女サキ役で共演。2023年ファンタジア国際映画祭の長編アニメーション部門で観客賞・金賞を受賞。

2023年製作/61分/G/日本
配給:東京テアトル、ツインエンジン
劇場公開日:2024年4月12日

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(C)塚原重義/クラガリ映畫協會

映画レビュー

4.0探偵物

2024年5月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

楽しめました。

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こえん

4.0よかった

2024年5月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

世界観が素敵。

同時上映のクラメルカガリに
大好きな成田さんが関わっているということでこちらも視聴。

舞台となる年代や蒸気感のある機械など
好みに刺さりました。

ストーリーも短い中で上手くまとまっているなという印象です。
アニメーション映画で久々に面白いと思える作品でした。

主題歌も最高でした。

クラユカバがアクションや不気味さがあり
対してクラメルカガリはゆったりとした癒しな印象でした。
主人公、声優の影響もあると思いますが。

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みやもん

2.5「アングラ」に向かう主人公の探偵。「アングラ」から「日の当たる場所」に出てきた塚原監督!

2024年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

大好物の材料だけで出来ているデザートが、何故か食べてみたら、その味にピンと来なかった……そんな感じ。

江戸川乱歩風の「大正浪漫」伝奇世界×スチームパンク。
探偵対怪人。仮面の集団。帝都をゆるがす組織犯罪。
地下世界=アンダーグラウンド=アングラ。
宮崎駿風のアクションと『甲鉄城のカバネリ』風の装甲列車。
徹底した設定の作り込みと、わくわくするような「クラガリ」のビジュアル。

面白くなりそうな要素は満載なのに、総じてなんだか物足りない。

まずキャラクターに深みがない。
探偵に魅力がない(単に潜入してワタワタしているだけで、謎を解く役に全然立っていない)。
ヒロインに魅力がない(ぽっと出て来るだけの娘と、その配下で戦ってるだけの娘と、ほぼ捕まっているだけの娘と。全員一切掘り下げられない)。
敵に魅力がない(なんで徒党を組んで地下でこんなことをやってるのかの説明もない)。

それから、謎に魅力がない。
少女集団失踪事件に「意外なミッシングリンク」とか「思いがけないカラクリ」などはほぼ出て来ない。そもそも途中から集団失踪事件のことはどうでもいいかのような展開になって、別の流れでドンパチやっている感じ。映画を観ただけで、誰がなんでこんな犯罪を仕組んでいたかをちゃんと説明できる人はあまりいないのではないか?

なにより、ストーリーテリングに魅力がない。
ほとんどの設定説明や状況の解説を、登場人物の行動や会話でのやりとりで明らかにしていくのではなく、探偵役の神田伯山やマスコットキャラの「説明台詞」で、延々しゃべくりまくってト書きとして明かしていくだけなので、すべてが上滑りで頭に入ってこず、流れはとことん平板で、ひたすら眠たくなり、余計に筋がわからなくなる。
そりゃ、わかりにくいのに面白い映画、平板なのに引き込まれる映画だってゴマンとあるが、この映画の場合は「単純にあんまり面白くない」としか言いようがない。
要するに、語り口(ナラティヴ)とプロットに大いに難がある。

たとえてみれば、ガワの「細工」にだけ途方もない手間暇をかけて豪勢に飾り立てておいて、肝心の「味」をおろそかにしているデコレーションケーキのようなものか。
ガワの「細工」だけでも十分愉しめるといえば愉しめるんだけど、普通こういう大正冒険奇譚のような話って血沸き肉躍るお話がついてくるもんじゃないのか? 乱歩の少年探偵団みたいに。あるいはもっとビザールでえげつない、丸尾末広とか古屋兎丸みたいなのでも全然いいんだけど。

パンフが売り切れていて買えなかったので、監督の意気込みとか細部の設定に込めた想いとか地下世界に対する妄執のようなものを、こちらがうまく拾えていないのは確かで、そこは封切りすぐに観に行かなかった当方が悪いのかもしれない。
なんとなく「パンフとセットで世界観がようやく理解できる映画」だという気もするし。ちょうど『JUNK HEAD』みたいに……。
ちなみに、監督の個人制作というのが「売り」になった『クラユカバ』と『JUNK HEAD』と『MAD GOD』のいずれもが、思い切り「地下世界に潜入していく話」という点で被ってるのは、面白い符合だよね。地下を夢想し執着するようなタイプの人が、一人でせこせことモノづくりに没頭する作業にはまりやすいってことなのか。

でもまあ、ぶっちゃけもう少し「ふつうに面白い話」にはいくらでも出来た気はするし、根本的なそういう方向の「スキル」が足りないんじゃないかとも思うんだよね。
ちょっと、芦辺拓の初期の『怪人対名探偵』とかの雰囲気に近いというか。乱歩的な世界観を背景に、ご本人は細かい仕掛けを大量に施して悦に入っているんだけど、肝心のお話が雑駁すぎて、結局はどうにも独りよがりな作品に堕している感じが、とてもよく似ている。

とまあ、あまりネガティヴなことを書き連ねていていも感じが悪いだけなのでこの辺でやめておくが、一応この後立て続けに観た『クラメルカガリ』を「褒める」ための前座ということでご勘弁下さい。

もちろん、良かった部分もたくさんある。
とにかく、美術や世界観の練り込みはハンパではなく、擬古文風の語りも含めて、本当に手間暇のかかったアニメであることは間違いない。
あと、アクション作画も、個人制作とは思えないくらい凝っていて、その宮崎駿フォロワー感を見ると、ああこの人も新海誠と同じで、「ジブリにどっぷり」な自分をうまく「ジブリっぽくないように見せる」ためにいろいろ努力している人なのだろうと思う。
新海は『星を追うこども』みたいな完全なジブリ模倣作を挟むなど、いろいろと試行錯誤を繰り返した末、エロゲ的要素とジブリ的要素の混淆物として、自らの作風の地歩を固めた。
塚原重義監督の場合は、江戸川乱歩的な(もしかすると『サクラ大戦』とか『御神楽少女探偵団』みたいな美少女ゲームが発端なのかもしれないけどw)「アングラ風大正浪漫」がその「取り合わせの素材」ということなのだろう。
ま、アングラとレトロへの思い入れは、よーーーくわかった(笑)。
あとは、「エンタメ」としての技量を磨いていってもらえれば、観客としてはありがたい。

声優陣では、神田伯山がごくふつうに上手で感心した。やはり単なる俳優ではなく、「語り」が本職で、しかもいろいろな役の声音を語り分けているような人は、声優をやらせても抜群である。ノリノリで映画に貢献しているし、番宣も頑張っているし、こういう世界観が伯山自身大好物で、なんとか一人で頑張ってきた監督を「同志」として応援したいんだろうね。

地下世界(=アングラ/アンダーグラウンド)にこだわり続ける塚原監督。
地上の平穏を捨てて、地下のどんちゃん騒ぎに敢えて身を投じる探偵の物語。
そんなアングラ監督を「地上の日の当たる世界」に引っぱりだして「日の目を見させてやろう」と頑張る、探偵役の神田伯山。
そう考えると、地下に向かう主人公と、日の当たる場所に出てきた監督という対比はなかなか面白い気もする。

続きは、『クラメルカガリ』にて。

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じゃい

2.0スノッブな印象

2024年5月10日
PCから投稿

全体的に(明治・大正・昭和初期、いわゆる)戦前の印象を与えるギミックの横溢したアニメ。ただし、その要素はあくまでスタイルにとどめた作品であり、空想ロマンにすぎないという点が、いかにもアリガチ。なんとも残念だった。

タイトルの「クラユカバ」は「暗闇へ行かば」の略だろうと思われるが、そこは別世界だったというだけの話だった。「闇」に対する独特な感性を期待したが、別にマルチバースでもいいんじゃないの?という程度のものだった。

仲間の少年の行方を捜すなかで出会う、警備隊のような面々も新鮮味はゼロ。女子や幼な子がオトコ顔負けの腕利きであるというのもアニメにはアリガチなコトであるから、当然その後の展開も全く面白味に欠けた。

講談調でない神田伯山 (の声) に触れられたことにはおおいに感心した。それがなければホシは1つだった。

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johntama

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