インファナル・アフェア

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劇場公開日:

インファナル・アフェア

解説

警察とマフィアにそれぞれ潜入した2人の男の生き様を描いた香港ノワール。

1991年、香港。黒社会に入った青年ラウはマフィアのボスであるサムに目をかけられ、スパイとして警察学校へ送り込まれる。一方、警察学校で優秀な成績を収めていた青年ヤンは、警視ウォンからマフィアへの潜入捜査を命じられる。ラウとヤンは正体を隠したまま、それぞれの組織で頭角を現していく。潜入開始から10年後、警察はヤンから大規模な麻薬取引の情報を得るが……。

マフィアに潜入するヤンをトニー・レオン、警察に潜入するラウをアンディ・ラウがそれぞれ熱演。2003年には、主人公2人の若き日を描く「インファナル・アフェア 無間序曲」、本作のその後を描く「インファナル・アフェアIII」の2作も製作され、3部作となった。2006年にマーティン・スコセッシ監督により「ディパーテッド」としてハリウッドリメイクされ、アカデミー作品賞などを受賞。12年には日本でも本作をモチーフにしたテレビドラマ「ダブルフェイス」が製作された。2023年、日本公開20周年を記念して4K版でシリーズ3部作がリバイバル公開。

2002年製作/102分/G/香港
原題:無間道 Infernal Affairs
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
劇場公開日:2023年11月3日

その他の公開日:2003年10月11日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

4.0無間地獄に終わりは来るのか?

2024年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

「警察」対「犯罪組織」という構図は、世界中の小説などの文芸作品で、映画やドラマといった映像作品で無数に題材として取り上げられている。1つのジャンルとして確立していると言ってもよいだろう。そこには、一般人が体験できないスリリングな世界がある。あると思わせる魅力がある。

しかし、本作のテーマは、「警察」対「犯罪組織」の手に汗握る攻防ではない。
素性を隠して対立組織に潜入し続ける2人の男の苦悩。ある1つの事件をきっかけに、互いに組織の中で素性が暴かれそうになる(=死)ことへの恐怖。そしてこの無間地獄から抜け出すために下したそれぞれの決断と行動。それらをテンポ良く描くクライム・サスペンスドラマ。

犯罪組織の一員として闇の世界で失われた10年を生きる潜入捜査官ヤン(トニー・レオン)。
警察で頭角を表し、私生活も充実しているマフィアの一員ラウ(アンディ・ラウ)。
2人の生き様は対照的に描かれる。悪の中で最後まで善たらんとするヤン。善の中で悪に加担するラウ。トニー・レオン、アンディ・ラウの2人がそれぞれの持ち味発揮の演技でスリリングな世界に引き込む。トニー・レオンは独特の憂いを含んだ表情と佇まいで。アンディ・ラウはキリッとした姿の中にふとよぎる不安の表情を。どちらも抜群の演技力。

そして鋭い視線の中にヤンへの信頼を見せるウォン警視を演じたアンソニー・ウォンと憎めない顔をして抜かりない犯罪組織のボス、サムを演じたエリック・ツァンの演技も見事。

印象に残るシーンは、ウォン警視、ヤン、ヤンの仲間、サムの死に様。それぞれの死に様が何故か脳裏に残る。それぞれ重要な役どころなのに、どれもあっけない死に方、描き方なのだ。無常観が漂う。

終わりの見えない無間地獄の中に束の間の幸せを感じさせる女性たち。精神科医役のケリー・チャンとトニー・レオンの関係が深まりを見せることなく終わってしまったのが、ケリー・チャンが好きだった私としては若干残念だった。

死んでから「善」を回復したヤン。果たして、生き残ったラウは過去を消して「善」に成りきれるのか?

続編を観るまで終わらない。

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TS

3.5スパイの葛藤を描く

2024年4月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

韓国映画の「新しき世界」に似ている映画だというレビューで見て気になったので早速観てみたのだが、こちらの方が断然面白かった。
主人公たちの葛藤や、上司と部下との関係性もしっかり描かれてるのでストーリーもすんなり入り込めた。「新しき世界」ではわざとらしい演技だったり、状況が不自然だったり、そんなわけないじゃんと思うことが多かったのだけど、こちらの映画はそんなことはなくちゃんと丁寧に描かれていた。
特にバレそうになった時のシーン。変な汗が吹き出してきてそれを拭ったり変に震えることもなく、トニーレオンがとてもいい演技だった。そうそう、普通はこうだよなと思った。
トニーレオン、アンディラウふたりとも無言の表情でする演技がとても良かった。何も喋らなくても伝わるってすごいな、と。

最初の主人公ふたりの若い頃のシーンは、役者さんの顔が似ていることもありどちらがどちらかが分からなくて巻き戻して見てようやく理解できたので、初見で理解するのは少し難しいかもと思った。
それに、イケメン若手俳優→トニーレオン、ヤクザの手下→アンディラウだったのが、顔の系統的に若手俳優さん、逆なんじゃないかなー?と思った。

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みー

5.0最後のエレベーター

2024年3月21日
iPhoneアプリから投稿

声出たわ!
 まあまあ ミストやセブンレベルでビックリした!

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共感した! 2件)
お主ナトゥはご存じか2世

5.0スコセッシ版でも足元に及ばない、大傑作

2024年3月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

知的

難しい

アンディ・ラウとトニー・レオンのダブル主演。
世界中で大ヒットした香港発クライムサスペンス。
三部作いっぺんにレビューしますよ。

【ストーリー】
時は西暦1991年。
中国返還前、アジア最大の犯罪都市香港。
地元マフィアであるサムの組織の下っぱだったラウ(アンディ・ラウ)は、その才覚を買われスパイとして警察学校に入校させられる。
学校で同期でも最も優秀だったヤンが、不可解な退学処分となる。
その出来事の裏で、ヤンはウォン警視に抜擢されてサムの組織への潜入捜査を命じられていた。
時がたち、中国へと変換された香港で、二人は警官と犯罪者としてそれぞれの組織で成りあがり、現場責任者クラスになっていた。
ヤンの情報でタイの麻薬組織との取り引きが伝えられるが、ラウはその情報をマフィアに漏洩する。
ガサ入れが空振りに終わると、両組織でスパイ探しがはじまる。
ヤンはボスを尾行して警察内のスパイの存在を確信するが、それが誰かは分からない。
一方のラウはウォン警視をビル屋上に誘いだし、内部スパイの自殺に見せかけて殺す。
警察身分をとりもどせるパイプを失ったヤンは、銃撃戦で死んだ兄貴分のキョンに、こちらもスパイ疑惑をかぶせる。
容疑が一段落したが、サムの存在があるかぎりいつ命を落とすかわからない。
二人は10年ぶりに連絡をとって、サムを殺害、組織を壊滅させる。
だがヤンの組織復帰の書類作成中に、ラウこそがサムのスパイだと気づいてしまう。

まあめちゃくちゃ面白いです。
展開も早くて画面が異様なリアリティに満ち満ちてます。
犯罪映画の巨匠マーティン・スコセッシがリメイクしたアカデミー賞4部門受賞の『ディパーテッド』が、ちょっとおダサく見えるほどエッヂの効いた演出と、容赦ない暴力の応酬。
全三部作で上映時間5時間半超。
なっが!
なんて思うヒマもなく、どえらい緊張感が全編ゆるむことなくつづきます。
一気見なんてしようものなら精魂尽き果てそう。
しましたけど。
尽き果てましたけど。

この項で解説したストーリーは1作目だけですが、2作目はヤンの警察学校時代からサムの組織での成りあがり、そして1997年の香港返還まで、3作目は最後の事件の詳細とその後が語られます。
ずーっと緊張の連続なんですが、3作目のアンディ・ラウの怪演ときたらもう凄いの一語。
見終わってヘトヘトなのに、いったん戻って確認してしまいました。

精神ゴッソリ削られるので、また見ろと言われたらしり込みしますが、見はじめたらまた一気に駆け抜けてしまうんだろうなあ。
すごいですよ、この映画。

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かせさん