劇場公開日 1982年12月4日

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「E.T.はいつも私のココにイル(私の実体験と重ねて)」E.T. 江川知弘さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0E.T.はいつも私のココにイル(私の実体験と重ねて)

2024年4月4日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館、TV地上波

泣ける

笑える

幸せ

はじめに

私の名前は、江川 知弘 (えがわ ともひろ) と言います。
ローマ字で書くと「Egawa Tomohiro」
なのでイニシャルは「ET」だ。

そんな私がまだ子供の頃、学校ではノートや体操着にイニシャルを記すのが流行っていた。
私は名前のイニシャルが「ET」であったため、クラスメイトから“E.T.”と呼ばれ、馬鹿にされた。

正直、私はE.T.が嫌いだった。
その当時、私はまだ『E.T.』を一度も見たことはなかったが、なんとなくあの手足の長いしわしわの姿の宇宙人というイメージが強く、怖かったのだ。

あれから時が経ち、大人になって、私は仕事やプライベートのことで悩んでいた時、現実逃避しようとたまたま入った映画館でやっていたのが『E.T.』のリバイバル上映だった。

今までずっと恐れていたあのE.T.とそこで出会い、初めてちゃんと向き合ったのだ。

ところが、予期せぬことに見てる途中からもう涙ボロッボロッになって泣いてしまい、最後のあるシーンで私は本当に胸を打たれた。

それはE.T.とエリオットの別れのシーンだ。
元々、エリオットはいつもひとりぼっちで、シングルマザーの母親からかまってもらえず、兄の友達グループからも仲間に入れてもらえない寂しい少年。そんなエリオットに対し、E.T.は最後の別れ際にこう言う。

「一緒に(宇宙に)行こう!」

E.T.はエリオットのことが心配だったのだ。
このままお別れをして地球にいさせても、エリオットにはまた寂しく辛い日々が待っている。
でも、一緒に宇宙に行けば、もうそんな思いをさせることはないと思ったからだ。

だが、エリオットはきっぱりとこう答える。

「いや、(地球に)残るよ」

それまでひとりぼっちで、メソメソしてばっかりだったエリオットのその時の表情は、逞しくなっていた。
エリオットは宇宙へ逃避せず、地球に残って辛い現実に立ち向かう決意をしたのだ。

なぜなら、エリオットはE.T.と出会い、別れ、戦い、冒険することで“勇気”をもらったからだ。

私もあの日、E.T.から現実に立ち向かう“勇気”をもらった。おかげで、今では私はE.T.のことが大好きだし、辛い現実があっても頑張れているし、このあだ名にも誇りを持っている。

『E.T.』は私の心友であり、私自身を成長させ、変えてくれた心の支えでもある人生のオールマイベストだ。

私はE.T.は実在すると思う。

なぜなら、E.T.はいつも私のココ(心の中)にイルから...

(I’ll… be… right… here.)

  著:江川 知弘(Egawa Tomohiro)

江川知弘