真夜中乙女戦争

劇場公開日:

解説

若者を中心に圧倒的支持を集める作家Fの小説「真夜中乙女戦争」を、「弱虫ペダル」の永瀬廉(King&Prince)主演で実写映画化。上京して1人暮らしを始めた大学生の“私”は、友達も恋人もできず鬱屈とした日々を送っていた。そんな中、「かくれんぼ同好会」で出会った冷酷で聡明な“先輩”に惹かれていく。さらに、圧倒的カリスマ性で他人の心を一瞬で掌握してしまう謎の男“黒服”との出会いにより、退屈だった私の日常は一変。始めは他愛のないイタズラを繰り返す彼らだったが、ささやかだった反逆は次第に過激さを増し、「真夜中乙女戦争」という名の東京破壊計画へと発展していく。“先輩”を「貞子」の池田エライザ、“黒服”を「アルキメデスの大戦」の柄本佑が演じる。監督・脚本は「チワワちゃん」の二宮健。

2022年製作/113分/G/日本
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2022年1月21日

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(C)2022「真夜中乙女戦争」製作委員会

映画レビュー

3.5新感覚の胸くそ悪さに観客を誘い込む永瀬廉、池田エライザ、柄本佑の調和力

2022年1月7日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

完結にひと言で申し上げると、「新感覚の胸くそ悪さ溢れる映画」。

同名原作は若者を中心に支持を集めているので読了の方も多いだろうが、映像にしてみると一味異なる印象を作品全体が覆っている。
登場人物はほぼ3人。上京したての大学生・私役の永瀬、聡明で正義感の強いな先輩役の池田、圧倒的なカリスマ性で他人の心を一瞬で掌握する謎の男・黒服役の柄本。

芝居場としては永瀬が池田、柄本の両方と絡むが、受け身の役どころを抑え気味でよく演じている。
池田は大学4年生のアンニュイな雰囲気を漂わせながら、ジャズスタンダードナンバーを熱唱している。柄本は言わずもがな、それが計算なのか否か分からない難解さを醸し出している。

悪戯の制御が効かなくなったとき、胸くそ悪さは不意にやってくる。

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大塚史貴

4.5難解だけど… 「それを良しとしてあげる」

2024年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

漫画の実写化かと思ったが、小説の実写化のようだ。
この作品には視聴者の絶対叶えることのできない欲求が描かれている。
面白いのは、腐ったシステムに加担する人々を東京ごとリセットするという発想にまでなってしまった「常連」たちのフラストレーションを主人公と黒服が作っておきながら、好きな人ができたことで主人公「私」の行動が「戦争」には向かなくなったことと、その表現だ。
「私」は先輩を必死で守りたいと思った。先輩も「私」を好きだと言ってくれた。でも、やっぱり別の本命がいた。
「私」は、おそらくそれでもいいと思った。おそらく、もう一度誰かを好きになることができた自分に、人間らしい不思議な温かさを感じていたに違いない。
主人公が初めて手をつないだ人は、どこかで起きた地震で建物がつぶれ圧死した。
これが主人公が無気力になった理由。無気力だということさえも気づいていないかのようにぼうっと漂っている。
世間一般がするように、他人にそれを求めるように、表面上の数字、わかるように話せという相対価値… それを大学教授にぶつけると、コーヒーを引っ掛けられた。
求める方は偉そうに毎回それを求めるが、立場が逆転するとなぜ怒る? この理不尽さ。皆そんなことを日常的に感じていると思う。
先輩が言った「寂しそうで、正しくあろうとして、半信半疑で、でも何もあきらめてない」 ただ知りたかっただけだ。でもそれは、黒服が言ったように「誰も教えてくれない」ことだ。
大学内で発生している連続放火事件。
理解できなかったのは、
主人公が黒服と出会った時に落とした「茎わかめ」、それに反応した黒服。単なる出会いの記憶の種なのか? 主人公が黒服に「茎わかめもお前の仕業だったのか」のようなことを聞くが、その意味が不明だ。誰か教えてください。
さて、
主人公は黒服が出火の原因を作るところを目撃するが、とっさに彼を助けた「衝動」は、主人公も黒服と同じように世間に対して「復讐」を考えていたからだろう。
二人が出会ったことでいたずらはエスカレートして、社会問題化する。
同時に学内でチラシをまいて映画鑑賞のサークルのようなことをし始めると、満たされない思いを持つ人々が集まり、そこに年齢という枠が取れ、「何のために生きているのかわからない」衝動が膨れ上がる。
常連はそのような自分たちを乙女と呼び、腐ったシステムに加担するすべての人々に対し戦争を仕掛ける。
そしてクリスマスに東京を破壊する計画を立てる。
映画の公開は2022年 コロナ化のフラストレーション。
マイノリティを感じている人々の心の行き場を東京をリセットするという行動で補おうとする思考は、かなり多くの人々が抱いているのではないかと感じた。この映画はその代行執行だ。
しかし作品の意図はそこにはなく、主人公の心の揺らぎを描いている。
主人公にとって黒服は自分の分身だ。彼の心の中心にある黒さだ。
そして常連は個々の出来事に対する主人公の不満でありその象徴だ。いたずらという行為をすることで復讐の感覚が膨らみ続けるのだ。
彼の考えに従っていたずらを始め、それは楽しくて仕方がなかった。
似たように黒さを持つ常連たちといたずらを始めながら、やがてそれは戦争を計画する。
主人公は先輩を好きになる。
無気力を作った彼女の圧死から、新しく誰かを好きになったことで黒服らの行動の異常さに気づく。
先輩を連れてレストランを飛び出した後、常連に確保され笑いのネタにされ殴られるが、先輩の痕跡を探し当て、バーにたどり着く。
黒服の計画を阻止するためにアジトに行く。
主人公が黒服にキスをしたのは、黒い思考を持った自分自身への赦しだ。自分への愛だ。
それを愛し、刺し殺した。
黒服がそれを予知していたのは、それが自分だからだろう。「お前の勝利だ」としながらも、爆破は防げない。
おそらく爆破執行行為はすでに視聴者に渡されているのだ。
東京タワーのエレベーターの中から主人公に電話した先輩は、まだ何が起きているのか知らない。エレベーターのドアが開くと主人公の話していたことが事実だと知る。
内定どころかその会社も、東京も爆破されている。
「僕が先輩の本命じゃなかったこと、一生許せない」これは爆破とは関係ない。主人公の本音だ。そこに先輩が言った「自分を演じる」ことはしない。
そして先輩は「誰もが君を許さない。死ねばいいと思う。本当に最低」と自分を演じることはしないながらも「生きているなら、今はそれでよしとしてあげる」と本音をいう。
彼女は主人公が計画に加担していたことを知っている。主人公がそれを止めに行ったことも知っているだろう。この光景を見た瞬間、彼女は自分を演じる癖を終わらせたのだ。
彼女は恋愛について主人公に「もしも毎回山手線みたいに同じことの繰り返しだったらどうする?」と聞く。
変わらない世界 変えたくても変えられない世界 同じことを繰り返す世界 同じことしか繰り返せない自分 そして何より「ある自分」を演じている自分…
この物語は、多数の考えが存在する「私」を一つの世界に広げたものかもしれない。
すべてを壊してしまいたい私 その奥底にある正しくあろうとしたい私 何もかもわからないことばかりでも「何もあきらめてなどいない」私
自分自身の中に、そんな「私」がいるということを視聴者自身に気づいてほしいのかなと思った。
妄想でしかないが、考えることのできる作品だった。
かなり難解だったが面白かった。

コメントする 3件)
共感した! 8件)
R41

5.0真夜中の乙女戦争

2024年4月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

美しかった❤︎永瀬廉

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共感した! 2件)
竹田暁子

2.0☆☆★★★ 「あなたは童貞ですか?」 池田エライザの口からこんなセ...

2024年3月21日
iPhoneアプリから投稿

☆☆★★★

「あなたは童貞ですか?」

池田エライザの口からこんなセリフが飛び出たらもう、、、思わず前屈み決定や〜(//∇//)

………………ん?、、、、、

無いじゃないか〜o(`ω´ )oプンスカ

…って事で原作読了済み。

最初に書き込んだセリフは、原作に描かれていた、同好会の面接時に【先輩】からの質問事項。

原作の前半は。この【先輩】との恋の駆け引きが続いて行く恋愛模様と並行し、《東京タワー》に恋した彼=地方出身者の悩み。都会で暮らす孤独な人々が抱える内面との戦いを描写していた。
(のではないか?…と勝手に思いながら読み進めていた)

原作だと、半分辺りになってからやっと登場する【黒服】だったのだが。この映像化では冒頭から直ぐに登場しては、最初から不穏な雰囲気を醸し出していた。

主人公が憧れた【先輩】
だけどなかなか手が届かないこの想い。ジリジリする彼の前に【黒服】は現れる。
原作だと【先輩】と【黒服】には接点はないのだけれど、この2人があっさりと出会う展開を観ながらちょっと仰け反った(´・ω・`)何で?
まあ、別に映画だからどんな改変があろうがクリエイターの自由ではありますけど。

映像化に於いて、(読んだ感想から)原作の良かった前半をすっ飛ばし。無料映画会以降に【黒服】主導で起こす〝 数多くの悪ふざけ 〟を発端とした、テロ行為に及ぶ後半は。読みながらも「何だこれ?」感が強く、どんどんと詰まらなくなって行った。
それだけに、(まあ、ある程度は予想通りではありましたが)映画が始まって直ぐに。その詰まらない部分を中心に描いたら、どう考えても面白い作品にはならないんじゃ…と💧

それだけに、勿論クライマックスは破壊工作になるのだが。本当のクライマックスと言えるのは、原作の前半部分に描写される【先輩】と2人きりで朝までラブホテルですごす場面を持って来たのはある意味で正解だったのではないか?…と思う。

演出であり、クセの強い撮影には流石に賛否両論ありそうな気がする。
原作にない池田エライザの歌が聞けたのでちょっとだけお得感を感じた。
だからと言って、点数を忖度する事などあり得ないですけどね。

2022年1月22日 TOHOシネマズ錦糸町楽天地/スクリーン11

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