バカ塗りの娘

劇場公開日:

解説

青森の伝統工芸・津軽塗を題材に、不器用な女性が津軽塗職人の父との暮らしの中で自身の進む道を見いだしていく姿を、堀田真由主演で描いた人間ドラマ。

青森県弘前市。青木美也子は高校卒業後もやりたいことが見つからず、家計を助けるためスーパーで働いている。何をやってもうまくいかず自分に自信を持てない彼女だったが、津軽塗職人である父の手伝いだけは夢中になれた。しかし父は業界の斜陽とともに気力を失い、いつしか家族もバラバラになっていた。貧しい暮らしと父の身勝手さに愛想を尽かして出ていった母と、家を継がず美容師になった兄。そんな家族の中で、津軽塗の道に進みたいと言い出せない美也子だったが……。

堀田が主人公の美也子役を務め、小林薫が寡黙な父を演じる。高森美由紀の小説「ジャパン・ディグニティ」を原作に、「まく子」の鶴岡慧子が監督を務めた。タイトルの「バカ塗り」とは、「バカに塗って、バカに手間暇かけて、バカに丈夫」と言われるほど塗っては研ぐ工程を繰り返す津軽塗を指す言葉。

2023年製作/118分/G/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2023年9月1日

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(C)2023「バカ塗りの娘」製作委員会

映画レビュー

4.0ご当地映画好きに。

2024年6月9日
PCから投稿

バカ塗り=バカがつくほど丁寧に塗り上げていく、津軽塗り。
その親子の話。

話自体は、淡々として盛り上がりはないのだけど。
いわゆる「ご当地映画」。
実は大好き。そこには共通点があります。

①その土地の、景色や食を堪能できる。
・岩木山をバックに、蝉の音・雪・桜。季節の移り変わりが目でわかる。

②伝統を受け継ぐ、親子の葛藤。
・バカ塗りの大家を親にもつ、親、そしてその娘、息子。
「漆じゃ食うて行かれん」のセリフが、刺さる。

③方言が盛り込まれている。
・近所のおばちゃん役で、青森出身の木野花さん出演。
ストーリーに色が施される。

④家でお葬式。
・地方では家でお葬式をする習慣があり。
それぞれ独特の風習・しきたりを知れる。

青森に行ったことない方(私含む)、脳内体験できるかも。

⭐️今日のマーカーワード⭐️
「好きなこと、やんなよ」

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ゆき@おうちの中の人

3.5【”津軽塗は、私がやり続ける。”不器用で引っ込み事案な娘が津軽塗職人を目指す姿を描いた作品。モノ作りに一心不乱に取り組む人の姿は美しいモノであると思った作品でもある。】

2024年4月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■青木家は津軽塗職人の父・清史郎(小林薫)と、スーパーで働きながら父の仕事を手伝う娘・美也子(堀田真由)の2人暮らし。
 家族より仕事優先の清史郎に母(片岡礼子)は愛想を尽かせて出ていき、兄ユウ(坂東龍汰)は自由に生きる道を選び、同性の尚人(宮田俊哉)と暮らし始める。
 美也子は津軽塗に興味を持ちながらも父に継ぎたいと堂々と言えず、スーパーのバイトにも気が入らない。

◆感想

・モノ作りに一心不乱に取り組む人の姿は美しい。
今作で言えば、自分の津軽塗への想いをぶつけた学校の廃屋に置かれていたピアノを、津軽塗で装飾する美也子の姿だろう。
ー 雪の降る中、深夜までピアノを、津軽塗で装飾する姿。-

・清史郎の父で、大臣賞も取った祖父の葬式のシーンも良い。
ー 久しぶりに揃った家族と、弔い酒を酌み交わす清史郎。勿論、そこにはユウ、尚人もいる。そして、美也子も・・。

<今作は、日本が誇る伝統工芸・津軽塗がつなぐ父娘の絆、そして家族の物語を描いたヒューマンドラマである。
 派手さはないが、良き作品であると思う。>

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NOBU

3.5「家業を継ぐ」ということ

2024年3月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

「伝統工芸は(当事者が)ちゃんと守っていかなくてはいけない」とか、「継げる家業があるなんて羨ましい」など、当事者じゃないから言える暴力的な言葉だ。

どんなに努力しても最後はセンスがものをいう厳しい伝統工芸の世界は、センスがなくてもなんとか惰性でメシは食っていけるサラリーマンには決して理解できないことだろう。

軽薄で陳腐な言葉にしかならないが、それでも誰かがバトンを継いで欲しい。
輪島市の惨状に対しても私たちは鈍感すぎる気がする。
少子高齢化による後継者不足、家父長制、ジェンダー等、今の伝統工芸世界の課題に真摯に向き合う。

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共感した! 4件)
atsushi

4.5津軽塗職人の父と、その娘の奮闘を描いた物語。 ばかみたいに手のかか...

2024年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

津軽塗職人の父と、その娘の奮闘を描いた物語。
ばかみたいに手のかかる塗りの作業、寡黙に丁寧に続けてゆく様子。人付き合いやおしゃべりは不得手そうですが。
多くを語らない職人気質、大作を仕上げて周囲に認められる様子、感心して見入ってこられるお話でした。

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woodstock
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