ハスラー2

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

1961年のポール・ニューマン主演作「ハスラー」の25年ぶりとなる続編。エディがミネソタ・ファッツと激闘を繰り広げてから25年が経った。50代になったエディは現役を引退し、酒のセールスで生計を立てながら気ままな独身生活を送っている。ある日、エディは若いハスラーのビンセントと出会う。ビンセントに若い頃の自分を重ね合わせたエディは、彼を一流のハスラーに育て上げることを決意。数カ月後にアトランティックシティで開催される大会を目指し、ビンセントに様々なテクニックを伝授していく。主人公エディを前作に続いてニューマンが演じ、1987年・第59回アカデミー賞で主演男優賞を受賞。ビンセントをトム・クルーズが演じた。ウォルター・テビスの同名小説を原作に、「タクシードライバー」のマーティン・スコセッシがメガホンをとった。

1986年製作/119分/アメリカ
原題:The Color of Money
配給:東宝
劇場公開日:1986年12月13日

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写真:AFLO

映画レビュー

4.5名優ポール・ニューマンの人生にとってもデカい映画かも。

2023年6月30日
PCから投稿

まさにリアルタイムで観たこともあり、思い出補正もあるのかもしれないが、何度も観た大好きな映画だ。しかし世評としては前作『ハスラー』の方がずっと高いし、ポール・ニューマンのキャリアにおいても、この作品でアカデミー主演男優賞を獲ったことに対して演技よりも功労賞だったのでは、と考える人は多い。実際、自分だってそう思ってしまっていた。

ところが、イーサン・ホークがポール・ニューマンの実人生のドキュメンタリーシリーズを作った際に、驚くほど『ハスラー2』を大きく扱っていた。というより、ニューマンの人生を締めくくるための最重要作であるかのように引用をしていたのだ。

ホークは自分と同世代であり、おそらくホークにしても、リアルタイムで劇場で観たニューマンの主演作は『ハスラー2』だったのではないか、と想像する。それだけ思い入れも強いに違いない、とも思う。

しかし、たしかにホークの熱弁を聞いてみれば、思っていた以上にニューマンその人とシンクロする映画であり、また、決して正しいというわけではないなにかに取り憑かれた主人公像という意味で、非常に濃厚なスコセッシ映画でもある。

思い出の映画だから、などという逃げではなく、もしかして今あらためて再評価するべき映画ではなかろうか。ちなみにスコセッシ作品の音楽に関わり続けているロビー・ロバートソンだが、本作ほど本来のギタリストとしてサントラに参加した例は珍しく、また過小評価されているボーカリストの側面が、仮で付けただけのくぐもったハミングに凝縮されているので、ロビー・ロバートソンという切り口からも再評価に値すると思う。

あと、この映画トム・クルーズ主演作としては『トップガン』と同時期に日本で上映されていたのですよね。この2本と『レインマン』あたりを続けてみると、若い日のトム・クルーズの幅も見出だせるように思う。さまざまな側面から貴重な名作。

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村山章

3.5ハンバーガー頭

2023年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

Youtubeの「ブラックホール、スコセッシ特集」でベタ誉めしていたので、リアルタイムで観ていたけど、配信で再見。
ブラックホールで評されていたように、トム・クルーズの髪型は変で、ハンバーガーのよう。
しかし、さすがにスコセッシは抜群で、ラストは素晴らしかった。
観た当時は、9ボールの教則映画としか観ていなかった。

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hanataro2

3.01を観ずに今作視聴

2022年10月29日
PCから投稿

トム・クルーズが主人公だと思ってました。ラストの展開が好きです。

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aaaaaaaa

4.0ハタと気がつきました 「トップガン マーベリック」とは、実質的に「ハスラー3」だったんだ!と

2022年8月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

最初の「ハスラー」は、1961年の作品
本作は1986年の続編
劇中でも同じだけの時間が経っています
主人公のエディも演じるポール・ニューマンも25歳年をとって最早初老になっています
ポール・ニューマンと同じとすれば、61歳です

賭ビリヤードからは足を洗って、酒のブローカーをしているというので、真面目に人生を送っているかと思うと大間違い

その商売の実態は、街から街の旅の流れ商売で闇酒を田舎街の場末のバーに売りつけて、バーはその安酒を正規品の酒瓶に混ぜて売れば儲かるだろ?というインチキ商売です
闇の仕入れルートは、正規品の倉庫か配送トラックからの荷抜きならまだままし、闇酒造と思われる得体の知れないシロモノ
正規品のラベルまで偽造しているようです
つまりまともな正業じゃありません
怖いお兄さんに見つかると大変です
というか、どこかに上納金を収めているのでしょう

前作のサラとの一件は、もう何もかも忘れ果てているようです

切った張ったの鉄火場の殺伐とした生活から足を洗ったのは一体なぜなんでしょうか?

全米一のハスラーになってみせる!
サラを失うほどに打ち込んだ勝負の世界から逃げたようにしか見えません

ヘラヘラと場末のバーでいかがわしい商売をして、好みの女性がいればねんごろになる
その繰り返しでお気楽に生きて来たのでしょう

アメリカに還暦なんてものは有るわけないです
でも60歳も超えたなら、この先どうするのかアメリカ人だって考えるでしょう

独り者のまま老人になり果てるのは、さすがに辛い
気のいい優しい女と、少しばかり溜め込んだ小金で田舎街でのんびり暮らしたいものだ
そんな考えでいるようです

ビリヤードへの情熱はとうに消え果てて、趣味的に適当に小遣い稼ぎ程度にするだけのようです
精神的に老いたのでしょう

ところが、胸の奥底にはこのまま老いさらばえたくない!朽ち果ててしまいたくないという足掻きにも似た思いがくすぶっていたのです

たまたま旅の行商で来ただけの田舎街のビリヤード場で才能ある若者ヴィンセントを見かけた時、そのくすぶりが燃え上がったのです

自分が成し遂げられなかった夢をこの若者で実現しよう
それができたならもう思い残すことはない
胸の中の燃え尽き損ねたビリヤードへの情熱も消えるだろう

そんなことから本作のお話は始まります

しかし武者修行しながら、大会のあるアトランティクシティに向かう旅の途中から、自分自身に火がついて大会に自分が出場するのです

結局、若者の方が一枚上手であったというオチが待っています

ポール・ニューマンは本作で念願のアカデミー主演男優賞を遂に獲得しました

若者を演じるのはトム・クルーズ
今、続編が超大ヒットしているあの「トップガン」の次の出演作です
24歳で、若さが弾けています
ポール・ニューマンとの歳の差は37歳

「トップガン マーベリック」と「トップガン」も、36年の時の流れがテーマのひとつでした

トム・クルーズがハスラーの権利を得て、「ハスラー3 」を作ってもいいじゃないか
そう思いませんか?

でも、そこでハタと気がつきました
「トップガン マーベリック」とは、実質的に「ハスラー3」だったんだ!と

若者もいつしか、歳をとって老人になる
次の若い世代がかっての自分のように活躍する時代になった
自分はこのまま引退するだけなのか?
そうじゃない
老害になってしがみつくのではなく、若者を鍛えて、若者が出来ないなら自分でやってみせる
適当に今まで生きて来たけれど、もう一頑張りしてみよう

それは本作も「トップガン マーベリック」も同じテーマであったのです

本作のポール・ニューマンの役を、トム・クルーズが、「トップガン マーベリック」でやってみせていたのです

1961年の前作と比較すると、残念ながら圧倒的な感動というものはないですが、十分に面白く味わいも深いです

こうして「トップガン」の続編との類似に気付くとさらに感慨が、本作にも「トップガン マーベリック」にも双方に深まりました

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