フォロウィング

劇場公開日:

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解説

クリストファー・ノーラン監督が1998年に発表した長編デビュー作。他人の尾行を繰り返す男が思わぬ事件に巻き込まれていく姿を、時間軸を交錯させた複雑な構成で描き出す。

作家志望のビルは創作のヒントを得るため、街で目に止まった人々を尾行する日々を送っていた。そんなある日、ビルは尾行していることをターゲットの男に気づかれてしまう。その男コッブもまた、他人のアパートに不法侵入して私生活を覗き見る行為を繰り返しており、ビルはそんなコッブに次第に感化されていく。数日後、コッブとともにアパートに侵入したビルは、そこで見た写真の女性に興味を抱き、その女性の尾行を始めるが……。

1999年・第28回ロッテルダム映画祭で最高賞にあたるタイガーアワードを受賞するなど高く評価され、鬼才ノーランの名を一躍世界に知らしめた。2024年4月、デジタルリマスター版にてリバイバル公開。

1998年製作/70分/イギリス
原題:Following
配給:AMGエンタテインメント
劇場公開日:2024年4月5日

その他の公開日:2001年12月8日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

3.5デビュー作にすでに重要なエッセンスが

2024年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

クリストファー・ノーラン監督の最初の長編映画だが、同監督作品の主要なエッセンスである「時間」についての鋭い構成力がすでに見られる。時間経過がリニアに進行していない構成の作品なのだが、それがスリラー映画としての完成度を高めている。こういう構成は人物の感情が繋がっていかないので、見るのが難しいと感じる人がいると思う。実際、難しいけど、「メメント」ほど難解でもない。
とあるスランプの脚本家が、ネタ探しにある男を尾行する。その男は泥棒を生業にしていた。二人はある家に侵入するが、色々あって事件に巻き込まれていく。しかし、その裏には男のたくらみがある。
時間軸がシャッフルされている構成は、どこか人の記憶のようでもある。人は出来事を理路整然と時系列通りに覚えているわけではない。エピソードは断片の集積として脳内に保存されている。そういう人の記憶の迷路に迷い込むような、そんな感覚を味わう作品なんだろうと思う。

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杉本穂高

3.0実に巧なつくりあがりのクリストファー・ノーランの初長編作品

2024年6月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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ひでちゃぴん

3.0自業自得

2024年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

主人公は作家希望で、他人を尾行するのが趣味みたいなもの。
ある日、尾行していた男に見破られてしまうが、この男、ちょっと変わった空き巣だった。
空き巣のテクニックを教えてもらうが・・・。
ノーラン監督のデビュー作らしく一転、二転する話運びは面白い。

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いやよセブン

4.5面白く空恐ろしい「ビル」

2024年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

暇を持て余していた男が考え付いたのは、街で見かけ気になった誰かを尾行することだった。
しかしそれがバレてしまう。しらを切ったが男は鋭い勘を駆使して主人公ビルのことを次々言い当てる。
男の名はコッブ 泥棒だった。
この裏主役とも言うべきコッブこそがこの物語の主軸。コッブに遊ばれるように事件に巻き込まれていく主人公の視点で描かれている。
コッブのそもそもの目的は彼の影武者を作ることだ。すべての証拠をビルに押し付けるための巧妙な手口を使う。
そしてとことんビルを馬鹿にしている。缶ビールを振ってから渡すのはイギリスジョークだろうか。下に見た人間に対する常套行為だろう。
ビルが話していることにもすべて裏工作が存在する。
そして事前調査はMI6並みに徹底している。
そもそもビルは他人の「言葉」など一切信用しない。必ず裏を取る。
ビルは、馬鹿にしているコッブが女に泥棒のことを話したことをきっかけに、この街でしたことすべてを速やかに始末をつけると決めたのだろう。
屋上でのことから物語が一気に加速する。
コッブはこれら一連の出来事を警察官に打ち明けるが、そもそもすべて仕組まれているので、コッブという人物の存在が警察によって確認できない。
何から何まですべてがビルの単独犯行を示す証拠しかない。
そして最後に女までも殺されてしまう。
ビルは女の元を訪ねた後、すぐに警察へ出向いたのかどうかわからないが、コッブは入れ替わるようにビルのアパートに侵入して現金すべてを盗んだのだろう。
視聴者は主人公ビルと一体化して出来事の様子を見るが、すべてコッブに騙されていたということになる。加えて時系列が前後することでわかりにくくなっている。
モノクロフィルムが「ビルの夢」のような効果を出し、嘘であって欲しいと願うビルの心理状態と呼応する。同時に去ってゆくコッブという誰にも知られていない存在がまるで影のように感じられる。
ある種痛快でもあるこの作品は見事だった。

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