アキレスと亀

劇場公開日:

アキレスと亀

解説

「HANA-BI」「座頭市」の北野武監督の長編14作目。出演は北野武(ビートたけし)のほかに、樋口可南子、柳憂玲、麻生久美子ら。売れない画家の真知寿は、幼い頃に両親を亡くしてからも画家になることだけを夢見てきた。そんな純朴な真知寿に惹かれた幸子と真知寿はやがて結ばれ、夫婦で創作活動に没頭していくが……。真知寿のかなわぬ夢に立ち向かう苦悩や、彼を陰から支える幸子の夫婦愛を描く。

2008年製作/119分/日本
配給:東京テアトル、オフィス北野
劇場公開日:2008年9月20日

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(C)2008「アキレスと亀」製作委員会

映画レビュー

1.5嫌いでは無い

2023年11月15日
iPhoneアプリから投稿

全体的にもっとドラマチックに描かれる描写があったりすれば良かったかと

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aaaaaaaa

5.0傑作で驚き

2021年10月14日
iPhoneアプリから投稿

「TAKESHI's」、「監督ばんざい!」と前2作が粗い内容だったので、北野映画には興味を失くしていたが、これは傑作と思わせられました。
人によって見る角度は全然違うと思いますが、私は情緒的なものはあまり興味なく、しかし樋口可南子が名演であるため作品をより良くまとめてくれていると思いました。

作品の本質としては、純然たるお笑い作品になっていると思います。しかも北野武が描いた絵は決してつまらない物ではなく、総じてお笑いが映画文化に及ぼす価値を見せつけるような作品になっていると思います。それまでの北野映画でも顕著だった記号的な描写がさらに極められており、「このシーンにはどんな意味が…?」といったような無用な勘ぐりを差し挟ませない、ある種の作品としての力強さがあります。

「座頭市」の頃において、作風が湿っぽい雰囲気になる事を避けるためにポップなトーンを模索した事が、映画作家北野武の新たなスキルとなり、この映画でもそれが反映されていると感じました。同じストーリーでも、撮る監督が違えばこの映画は湿っぽい雰囲気になる危険もあったと思います。

「ソナチネ」の頃から北野映画を観てきた者としては、バイオレンスを抜きにしても作劇が推進していく事に新鮮な驚きがありました。北野映画の登場人物は、例えば「金が欲しい→銀行強盗しよう」といったように、直線的で最短の行動様式を取る事が多いので、簡単に反社会的行為に行きついてしまい、結果として暴力が描かれる事になりがちでしたが、本作の主人公の場合それが創作活動に帰結する事により、犯罪や暴力には行き着きません。このようにバイオレンスの要素が北野映画から排他された時に見えてくる、北野映画の本質というものがとても好印象なものでした。それは過去の作品でも「あの夏、いちばん静かな海」もこれに該当しますが、これとは違う、何か純度の高いものを本作は内包しており、意義を持っていると思います。非倫理的だからバイオレンスを忌避するというのではなく、「もう必要なくなったからバイオレンスは描かれない」という説得力があります。
またバイオレンス映画とは、バイオレンスであるがゆえに、作劇を推進していくにおいて高い燃料消費を伴うという言い方ができると思います。それに比べて本作は、激しい行動がないので「燃費が良い」。北野映画は「削ぎ落としの作風」と言われてきましたが、とうとうバイオレンスも排他したのだと思えて楽しかったです。
このような創作の進化の感じられ方は、本作と次作「アウトレイジ」とがセットになって、「ソナチネ」のトラウマを凌駕しようとしているようにも受け止められましたが、「アウトレイジ」の方は技巧を高める事でその進化の具合を示しているのに対して、本作は削ぎ落としの純度でそこに対応しており、さらに有意義なものであると思いました。

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zippo228

4.5芸術的なラスト

2019年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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maru

3.0その場面を切り取ったらめっちゃいい絵になるような構図が多くて、美し...

lさん
2018年4月1日
Androidアプリから投稿

その場面を切り取ったらめっちゃいい絵になるような構図が多くて、美しい映画と評されていたのはこの事なのかな。とくに子供時代の田舎の風景は美しい構図が多かった。
ちょっと救いようのない話だ。誰が悪いというわけでもなくて、強いて言えば悪いのは時代かもしれない。あ、画商もなんか悪いかもしれない。過激な芸術活動ばかりするアホな学生仲間も悪いかもしれない。
画商に絵を見せてボロクソに言われたりするけど、その画商言うことかなかなか正論で、絵を描いてる身としてはグサグサ刺さる。「こんなのだれでもやってるよ」「真似は駄目だけど下手なのはもっと駄目だよ」「ちょっと褒めると調子に乗ってそればっか描くね」「ちょっと狂ってきてるけど足りない」「売れない画家の自画像なんて誰が買うの?」

あと結構人が死ぬ。こんなに人が死ぬ映画だとは思わなかった。親も死に友達の又三も死に芸術仲間も事故や自殺で死に娘も死ぬ(なんで死んだんだ?)。真知寿も自殺未遂を何回かやるがすべて未遂で終わる。死にきれないのを見ているのもしんどい。
最後に迎えに来てくれた妻は幻覚なんじゃないかと疑ってしまったが、本当に迎えに来てくれたらしい。私があなたの芸術を一番理解している、などと言う女は本当は一番警戒すべき存在だけど、相手は売れない芸術家だったのでお互い頑張るしかなかったんだね。

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