そして父になる

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劇場公開日:

そして父になる

解説

是枝裕和監督が福山雅治を主演に迎え、息子が出生時に病院で取り違えられた別の子どもだったことを知らされた父親が抱く苦悩や葛藤を描いたドラマ。大手建設会社に勤務し、都心の高級マンションで妻と息子と暮らす野々宮良多は、人生の勝ち組で誰もがうらやむエリート街道を歩んできた。そんなある日、病院からの電話で、6歳になる息子が出生時に取り違えられた他人の子どもだと判明する。妻のみどりや取り違えの起こった相手方の斎木夫妻は、それぞれ育てた子どもを手放すことに苦しむが、どうせなら早い方がいいという良多の意見で、互いの子どもを“交換”することになるが……。2013年・第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、審査員を受賞した。良多を演じる福山は自身初の父親役。妻みどりに尾野真千子、斎木夫妻にリリー・フランキー、真木よう子が扮する。

2013年製作/120分/G/日本
配給:ギャガ
劇場公開日:2013年9月28日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第37回 日本アカデミー賞(2014年)

受賞

優秀助演男優賞 リリー・フランキー
優秀助演女優賞 真木よう子

ノミネート

優秀作品賞  
優秀監督賞 是枝裕和
優秀脚本賞 是枝裕和
優秀主演男優賞 福山雅治
優秀主演女優賞 尾野真千子
優秀音楽賞 松本淳一 森敬 松原毅

第66回 カンヌ国際映画祭(2013年)

受賞

コンペティション部門
審査員賞 是枝裕和

出品

コンペティション部門
出品作品 是枝裕和
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(C)2013「そして父になる」製作委員会

映画レビュー

4.0福山雅治を新境地へと導いた、是枝裕和監督の功績

2022年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会、映画館、TV地上波

第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、審査員賞を受賞した是枝裕和監督作。息子が出生時に病院で取り違えられた別の子どもだったことを知らされた家族が抱く苦悩、葛藤を描いたドラマで、主演に福山雅治を迎えた。
エリートサラリーマンで都心の高級マンションで暮らす良多と、取り違えの起こった相手方の斎木のコントラストが巧妙で、斎木をリリー・フランキーが演じているというのも一役買っている。
それぞれの妻を尾野真千子、真木よう子が担い、芸達者な面々が是枝監督のてのひらの上で躍動しているさまは圧巻だ。
是枝組の常連ともいえる故樹木希林さんの元気な姿や、「ワンダフルライフ」の井浦新の自然体の演技を確認することもできる。

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大塚史貴

3.5父親の愛を受け取るためにクリアすべき条件

2024年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

難しい

幸せ

野々宮良多は一流大学を卒業し、大手建設会社に勤め、都心の高級マンションで妻のみどりや6歳の息子・慶多と暮らしていた。ある日、6年前にみどりが慶多を出産した出身地・群馬県の病院で赤ん坊の取り違えがあったことが発覚し、DNA検査の結果、慶多が他人の子どもだったと判明。野々宮夫妻と群馬県で小さな電器店を営む斎木夫妻が病院の仲介で会うことになるが、彼らの身なりとがさつな態度に良多は眉をひそめてしまい……(WOWOW公式サイトより)。

実はちょっと苦手な是枝監督が2013年に公開した作品。カンヌをはじめ、各賞を受賞した同氏の出世作。

ドイツの著名な心理学者・エーリッヒ・フロムは著書の中で、「子が母親の愛を受け取るために何の条件もいらないが、父親の愛を受け取るために条件をクリアする必要がある」と説き、その条件として「期待に応える」「義務を果たす」「父親に似ている」などを挙げている。福山雅治演じるエリートビジネスマン野々宮はフロムの言う条件クリアをそのまま子の慶多に求め、慶多は期待を超えてその条件をクリアしてきている。

幸か不幸か、本作のタイトル通り、子を宿した瞬間に親になれる女性の「母」と異なり、男性は意識的に「父」になろうとしなければ、「父」になれない。なぜなら、胎動も重みも痛みも心身の変化も、なにも感じることがないから。子に条件を与えることは、父自身が親になっていく過程でもある。尾野真千子や真木よう子の無条件性が特に福山雅治との対比を際立たせている。

といった感想を観客は抱くことを、是枝監督は全て計算して製作しているように感じられてしまうので少し苦手である。読後感も含め、全て監督の手のひらの上にある感覚。過度になり過ぎない演出、キャスティング、意図されていない風の意図的な余白を意味するようなカット、タイトル、宣伝等々。

もちろん各方面で高い評価を得ている通り、作品がおもしろいのは言うまでもないが、もうちょっと観客を信頼しても良いのでは?と思ってしまう(ならば、なぜ観るのかというと、観ないで批判するのは違うと思うから)。

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えすけん

4.5そして吉になる

2024年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

豪華キャスト。
セリフに重みがある。
誰の氣持ちが1番大事なのか考えさせられる。
登場人物それぞれが魅力的。
人が人を好きになる理由の本質に迫っている。
泣ける場面が多いなか、笑えるシーンもあった。
意地を張らず素直になって、少しは妥協して相手の好みに合わせてみれば、凶は吉に変わる。

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Don-chan(Daisuke.Y)

4.0家族に理屈は通用しない

2024年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

将来を考え、合理的、論理的に最善な選択をしようとするのは仕事男にとっては日常であるが、それは家族の話になると全く意味をなさないというのがよくわかる。
なんだかんだ子供と接する時間は父よりも母の方が長くなると思うが、それが「繋がりの実感」というものに大きく影響しているということを突き付けられる。

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あべ