風立ちぬ

劇場公開日:

風立ちぬ

解説

宮崎駿監督が「崖の上のポニョ」(2008)以来5年ぶりに手がけた長編作。ゼロ戦設計者として知られる堀越二郎と、同時代に生きた文学者・堀辰雄の人生をモデルに生み出された主人公の青年技師・二郎が、関東大震災や経済不況に見舞われ、やがて戦争へと突入していく1920年代という時代にいかに生きたか、その半生を描く。幼い頃から空にあこがれを抱いて育った学生・堀越二郎は、震災の混乱の中で、少女・菜穂子と運命な出会いを果たす。やがて飛行機設計技師として就職し、その才能を買われた二郎は、同期の本庄らとともに技術視察でドイツや西洋諸国をまわり、見聞を広めていく。そしてある夏、二郎は避暑休暇で訪れた山のホテルで菜穂子と再会。やがて2人は結婚する。菜穂子は病弱で療養所暮らしも長引くが、二郎は愛する人の存在に支えられ、新たな飛行機作りに没頭していく。宮崎監督が模型雑誌「月刊モデルグラフィックス」で連載していた漫画が原作。「新世紀エヴァンゲリオン」の監督として知られる庵野秀明が主人公・二郎の声優を務めた。松任谷由美が「魔女の宅急便」以来24年ぶりにジブリ作品に主題歌を提供。第70回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出され、第86回アカデミー賞では長編アニメーション部門にノミネートされるなど、海外でも高い評価と注目を集めた。

2013年製作/126分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2013年7月20日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第37回 日本アカデミー賞(2014年)

受賞

優秀アニメーション作品賞  
優秀音楽賞 久石譲

第86回 アカデミー賞(2014年)

ノミネート

長編アニメーション賞  

第71回 ゴールデングローブ賞(2014年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  
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映画レビュー

3.0何を一番に見せたかったのかイマイチ分からない

2024年6月2日
PCから投稿

アニメーションの完成度は文句なしですが、最近のジブリ作品同様、肝心のストーリー展開や人物描写に関しては焦点がバラけていると言うか、何を一番に見せたかったのかイマイチ分からないものになっています。

そもそも、主人公である堀越二郎氏が「戦闘機・ゼロ戦の設計者」であるという事を知った上で観に来るジブリファンがどれだけいるのでしょうか?そして知らない人に対して堀越氏の半生と偉業をどう伝えたかったのか?その辺が見えないので、単に宮崎駿氏が描きたかったものをツギハギしているだけの自己満足で終わっているように思えます。

他の人の指摘にもあるように、この作品は戦前〜戦中の飛行機開発の苦労を描きたいのか、少年の頃の夢を叶える情熱とサクセスストーリーを描きたいのか、ふたりの悲恋を描きたいのか、震災や戦争により疲弊していく日本の歴史の悲劇を描きたいのか、それぞれ焦点がバラけてまとまりが無く、どれも中途半端な扱いで描き切れていません。

結局、肝心の「ゼロ戦」を制作する過程や戦争の描写はほとんど描かれないまま終了。戦争に突入して行く当時の緊迫した時代背景の変化をきちんと踏まえたうえで、堀越氏の大好きな飛行機を作れる喜びや、その飛行機が戦争に使われる事の苦悩などを描かないと、こちらに訴えかけるものが無いように思えます。

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Fate number.9

2.5何を伝えたい作品なのか分からなかった

2024年5月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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jellyfish

5.0ジブリ作品で一番好き

2024年5月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

幸せ

限られた時間をどう生きるかを考えさせられる大人向きジブリ作品。関東大震災や世界大戦という時代背景と結核という病気や大気自然療法など知ってるかどうかで作品の理解度にかなり影響してくるので皆が楽しめるジブリ作品とは立ち位置が違うけど、夢を実現させる直向さとアニメ映画史上最高に美しい嫁入りシーンなど何度見ても涙腺が破壊されます。賛否両論ある主人公声優問題も庵野氏で本当に良かったと思えてきます。本当に素晴らしい作品をありがとうございます

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虎太郎

2.0堀越二郎氏を誤解させる映画

2024年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

作中に描かれるゼロ戦設計者の堀越二郎氏は、零式艦上戦闘機を設計するにあたって血を吐くほどの努力をされたと聞いています。その動機は、かつて自らが軍国少年だったと自嘲気味に語る宮崎駿氏が本作で描いた「美しい飛行機を作りたい」というようなファンタジックなものであるはずはなく、日本海軍の高すぎる要求性能に応えるべくまさに「戦争に勝つために作り上げた戦闘機」に他なりません。
私は本作の批評本ともいえる小川榮太郎氏の「永遠の0と日本人」を読みました。
宮崎氏の映画は代表作の一つの「風の谷のナウシカ」のように、「現代文明を否定しながらも現代文明をバックボーンにしてしか語れない」という重大な欠点を持つと小川氏は指摘しており、「風立ちぬ」も同種の事実誤認に基づく部分が見られると厳しい指摘をしていましたが、正にその通りだと感じました。
戦争とは凄絶なものです。繰り返してはならないと思うのであればこそ、その悲惨さに迫らなくてどうするのだ、と感じています。
宮崎氏はこの映画で「あの戦争のおかしさを描きたかった」と言っていましたが、そんな正面突破はどこにもなく、「勝つための兵器づくり→美しい飛行機づくり」と趣旨をまるですり替えてファンタジーにしてしまったのは大いに失望しました。
宮崎氏が本当に日本国を憂う人なのであれば、このような作品の作り方は逆にできなかったでしょう。残念な映画の一つです。

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てつ
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