ラ・ラ・ランドのレビュー・感想・評価
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そりゃあ、やっかみたくもなる。
冒頭のミュージカルシーンの「コレどうなってんの!?」的な興奮に魅力が凝縮されている。この贅沢な大サービスだけで30年先も語り継がれているだろう。
「いいものを観た」という満足感は確実に残るのだが、どことなく違和感を覚える人は自分を含めて結構数いるのではないか。この甘くてほろ苦い物語は、結局は才能あふれる美男美女のサクセスストーリーだからだ。
夢を追う葛藤を描いてはいても、それを克服するまでの地べたをはいずるような苦難は伝わってこない。一例を挙げると、一人芝居を打ったけど客が来ないなんてのはまだ超初級の挫折でしょうよ。そういう映画ではない、と言えばそれまでだが、2人がいくら切ない後悔を抱えたところで、いい人生だなオイとやっかみ心も頭をもたげてくる。
いい映画だし、共感もするが、人生がもっと苦いことを多くの大人は知っている。それを織り込み済みで、夢のような時間を楽しませてもらった。
ささやきのような、ため息のような歌唱がいい
ミュージカルといえば朗々と歌い上げる歌唱法の印象だが、主役の2人はあまり声を張らず、ミュージカル場面以外の台詞とほぼ変わらないボイスで歌うシーンが多い。それがいい。甘さや幸福感だけでなく、切なさや悲しさも多分に含むテーマによく合う。
冒頭から圧巻。渋滞した高速道路の車のボンネットや屋根も活用する群舞も躍動感いっぱいだが、それを長回しで撮るカメラが動く動く。歌とダンスとシューティングの見事なコラボだ。
ゴズリングがジャズピアニストの設定で、当然ソロやバンドの演奏シーンも豊富。サウンドワークで面白いのは、楽器の音はおおむねハイファイ指向なのに対し、ボーカル録音には少々奥にこもったレトロ感のある処理がなされている。往年の名作ミュージカルへのオマージュは、物語のプロットやダンスシーンに数多く盛り込まれているが、そうした細やかな音作りにも新しさと懐かしさを感じさせる工夫が凝らされている。
こんなにも説得力がある"たられば"なら受け容れたい!!
今更、往年のMGMミュージカルやジャック・ドゥミーの代表作を引き出しとして引用するのは、もうやめよう。来るアカデミー賞で史上最多のノミネーションを勝ち取ったことだって、言うなれば後付け。はっきり言おう。「ラ・ラ・ランド」の魅力は現代のL.A.、つまり太平洋を隔てて東京とも地続きの町で、東京、または日本の町々にもいるに違いない、いて欲しい、夢に向かって命を削っている若者の切なさが、ファンシーでジャジーなメロディとダンスの中に丹精込めて散りばめられていること。だから、ストーリーなんてあってないようなものという見方にも異議を唱えたい。人生で諦めるべきでないことと、諦めるしかないことが、映画だけに許される魔法の手法によって視覚化されるラストの10分は、恐らく、そんな時間をまさに生きようとする、また、生きて来たすべての観客のハートを鷲掴みにするはず。こんなにも説得力がある"たられば"なら、喜んで受け容れたい。そう感じるに違いない。
名前だけ聞いたことあって今頃観た。 ミュージカルは嫌いじゃない。最...
名前だけ聞いたことあって今頃観た。
ミュージカルは嫌いじゃない。最初の車のボディの上でターンをきめるとか今どきの日本の車事情だとありえんと思ったがそんなことはどうでもいい。よその国の話だ。
ジャズもいいなと思った。音を聞いて。
ハッピーエンドがねじれている。というか愛し合う二人はお互いの夢と共に愛し合っていたんだろう。
男は夢を叶えたが叶えるまでに夢に向かっていく女と、互いにすれ違い、女は違う男と結ばれていた。子供も赤子ではなかったから、女の夢が叶ったとき、そこにいたのはその違う男だったのだろう。
店の名前もラストの演奏も女々しさ極まりないものであったが、人生とはこういうものなのだ、ジャズなのだ、ということなんだろう。
半分観て、しばらくしてから半分観た。こんな観方をしてしまったが、映画館で普通に一気観したら「いや〜よかったなあ。DVD出たら買おうかな」とか思ったかもしれない。
甘いラブストーリー。隠し味にほろ苦さ
二人が夢に向かって愛を育んでいくストーリーは、最高の音楽に彩られて甘くキラキラと輝く。でもはじまりと、終わりにほろ苦い人生の挫折や別れを描いてあるあたりは、思わず涙ぐんでしまうほど。
ただ甘いだけのミュージカルじゃないんです。
劇中、カメラ割りまでが緻密に計算してあって、見ているこちらにまでリズムに乗ることを要求されているような錯覚に陥りました。それほどに見事なコレオグラファー。踊りだけじゃなく、現場のすべての動きを仕切っていたような完璧なタイミングでした。
エマ・ストーンの演技も抜群で、華やかな笑顔の影ににじみ出ている悲しみや寂しさを表情だけで伝える演技力は見事としか言いようがない。
これから、10年と言わず長い年月を『ラ・ラ・ランド』の美しく儚いスコアたちが語り継がれていくことが想像できます。
素晴らしい音楽。踊り、カメラワーク。
画面の中にいくつもの奇跡が収められています。それを見ているだけでも退屈しないステキな映画でした。
うるっときました
ミュージカルっていきなり歌って踊り出してそのあと何事もなかったかのように話進めるから違和感あってなんとなく敬遠しがちなんだけどこの作品は有名なので見たくなりました、エマストーンもライアン・ゴズリングも好きだしね
ミュージカル要素はわりと薄めかな?
オープニングは口ぽかーんだったけど笑
恋愛物としてはまあ成功したけど結ばれなかったってわりとシンプルな話でそこは特筆すべきところはないけど、やっぱりラストがすごくよかった
2人が交わす笑顔というか
やっぱり素晴らしい俳優さんだよね
その表情だけで色々な思いを想像させられてめちゃくちゃうるっときてしまった
自分には合わなかった
普段見掛けない場所で踊り出すミュージカルなんか観ないから、これが話題の作品なんか?と…。
単発の興業で2回上映して見たのに、頭に残ったの冒頭の音楽シーンとその曲だけ…
ラストも好きじゃない。
評価爆上がり
映画上映に合わせてオーケストラが生演奏するという「シネマコンサート」に参加して、5年ぶりに再視聴しました。
初見と違ってストーリーを把握してから観てみると、音楽、ダンス、衣装、映像の素晴らしさに改めて気づきました(セブの演奏にズレなく合わせる東京フィルのピアニストにも感動!)。
往年のミュージカル名作を思わせる作品…ながら古さは感じませんね。
ハマってしまったので、メイキングDVD視聴したりサントラ聴きまくってから3度目の視聴。
いや〜良き作品です。
ララランドってLAの別称なのですね、現実離れした世界 的な意味もあるそうです。
ミア、セブそれぞれに夢を叶えて、結ばれなかったけれどお互いの夢には欠かせなかった大切な存在。
エンディングのアイコンタクトには色々なことを想像させられます。
再視聴して格別な作品に昇華しました♪
スクリーンで観るべきミュージカル
話題作だったけど見そびれていた。スクリーンで観た方が良いというレビューを見たが、上映館がプレミアムシートだけの劇場だったので配信で観てしまった。けど後悔。特に捻りはないよくある話なので、あのミュージカルシーンと鮮やかな色調をスクリーンで観ることに意義があったんだなと納得。
初めの方は凝ったカメラワークを「これでどうだ!」と見せつけられてる...
初めの方は凝ったカメラワークを「これでどうだ!」と見せつけられてる感じだったが、後半はストーリーが良くて実家の前で「何故だっ!」と大声を出すシーンが素敵だ。
リクエストでの「I RAN !」♪も楽しい。
周りの席に人がいなかったのでノリノリで鑑賞。
タイトルのLA LA はロサンゼルスなんだね。映画館で鑑賞して良かったミュージカル。
2017/2/16
LALALANDは未来のクラシック映画になる、多分
ミュージカル映画=「木に竹を接ぐ不粋なジャンル」と言う先入観から長年、拒絶感、アンチの感情を払拭する事が出来なかった。
でもこの映画にはそんなマイナスイメージと言う毒素を薬へと転化させてしまう変移的ミラクルな効果があった。
ただその余韻はこの映画に限ったオンリーワンな浄化作用…恐らく。
誰もが憧れる普遍的な理想を架空の世界に築き、現実に行き詰まった時にはいつでも心の処方箋として見る側の心に寄り添う…そんなヌルさ溢れる脳内お花畑感Maxなミュージカル映画とタカを括ってた…甘かった。演技と本音、夢と現実、融合し合う事が困難な二律背反する要素をこれでもか!と言う情熱で繋ぎ合わせた虚構を超えたリアル、ジャズ、歌とダンス。一つ一つの本気がパズルのピースを組み合わせたように緻密であり、役者の演技も自由なアドリブを感じさせる躍動感と気迫に満ちている。矮小な偏見は脱帽へと変わり、LALALANDの魅力に屈しました。
絵空事ではなく地に足の着いた、夢を叶えると言う現実とそこに付随する喪失感を描き切った事がLALALAND最大の成功要因やったと思う。
夢なんてどうでも良い、この映画そのものが夢や!
なんかそんな感じ
腹いっぱいのLALALAND…ごっつぁんす!by天龍
私の勝手な解釈
春夏秋冬、起承転結。
ラストの”冬”が衝撃的で感動した。
冬じゃなくて5年後ってのがツボ。
”春夏秋”がミュージカルで、やけに空が綺麗でおかしいなあと思っていたが、”冬”で納得出来た。
最初のクルマの場面の季節はいつかはわからないけど、いかにも「今作はフィクションです」という始まりかただ。
解釈はそれぞれ自由。
主役の二人が結ばれるほうが現実かな、と思った。
そう思えばハッピーエンドでスッキリする。
バイブル!
ロミオとジュリエットのような、バイブル
クラシック、ラブストーリー。
ミュジカル映画はダサいのと、
いきなり感、ストーリーに合わない展開も
あったりするが、
この作品は
ミュジカル映画にあまり慣れてない人や
夢と恋ので、奮闘している方に捧げたい作品。
演技、美術、音楽、斬新なカメラワーキングなど
すべてよかったです。
そして、古典のハリウッドミュジカルをリスペクトした
監督の気持ちを伝わってきて良かったです。
何日間耳からostは離れない。
これはミュージカル映画なのだろうか?
観てから大分時間が経っているので、記憶が曖昧な部分があるが、率直な感想は、タイトルのとおり。泣けるとか、切ないとか、新感覚のミュージカル映画とか、そういう声を聞いていた。忘れていた頃にラジオでこの映画の話を聞いて、観た。確かに切ない話だったが、泣きはしなかった。どう評価したらよいか困った作品。
(過去鑑賞作のレビュー(2022年DVDで鑑賞))。
まず、私はミュージカル映画が苦手である。感情表現が過剰で派手で大きいのが繰り返されるのが苦手である。その点で言うと、この作品はミュージカル的演出は抑制的で、ストーリー重視の普通の恋愛ドラマ映画と同じ感覚で観られる(話が切ないものなので、演出が控えめになっているだけという見方もできるだろうが)。
しかし、皮肉になってしまうが、それ故に全編にわたって中途半端感が拭えない。そして余計なものが1つ。最後の「実現しなかった2人の世界」は必要だったのか?ミュージカル映画だから、あの「わかりやすい」シーンがないと締まらなかったのか?自分にはしっくりこなかった。
恋愛ドラマとしては悪くない。ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの演技はとてもよい。特にエマ・ストーンがいい。2人とも真摯に演技しているのが伝わってくるので気持ちがよい。2人並んでピアノ奏でるシーンや公園での別れのシーンは良かった。それだけに全体としてどう評価して良いかわからなくなってしまう。
評価の難しい作品だった。
売れない二人が夢をかなえる話
ジャズをやるオーナーを夢見る男と女優を目指す女の恋愛の話。二人は夢を叶えるが、恋は成就しない。
映画全体が古いものに対するリスペクトがあり、ジャズはメタファーになっている。
話は王道展開。
良い恋愛とは
公開時にジャパンプレミアに観に行った時はまだまだ子供でただ生のライアンゴズリングを見てみたかった。
それから時は経ち久々に見返してみた。
当時はミュージカルだとかワンカットだとか作品の斬新さに心躍ったが大人になって見るとセブとミアの恋愛の生々しさに共感した。
愛を持ったまま離れる事だってあるし、奇跡的に再会しても言葉さえ交わさない。
何年経っていようが、誰かと結婚してようがお互いの幸せを願ってる。2人が理解し合ってる事実はそこにあって
この2人の恋が良いものだった事は間違いない。
ただそれだけの思い出があるだけで人生はちょっと良いものになるだろうし、苦しい時もちょっと頑張れるんじゃないか。世界のどこかにセブにとってのミアのような、ミアにとってのセブのような存在が1人でもいれば強くなれるはずだと思う。
ミュージカルシーンはとても良い。
主演の2人も素敵だった、特にライアン・ゴズリングのダンス。
ただストーリーが、うーんという感じ。
売れることを第一に据えたセバスチャンが成功するまでは分かる、ただミアも結局崖っぷち大逆転で売れるんかーい!と。そこで白けてしまった。
6年やっても芽が出ない女優の自己満舞台がプロデューサーの目に止まって映画出演、一気に売れっ子へ...ってハリウッドはそんなに甘っちょろい世界じゃないでしょう。
音楽や衣装は素敵だったから、ミュージカルシーンだけまた観たい。
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