劇場公開日 2024年5月10日

「不条理で恐ろしい世界にぶち込まれる」またヴィンセントは襲われる kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0不条理で恐ろしい世界にぶち込まれる

2024年5月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

目つきが悪くて他人から因縁をつけられやすい人っている。友人にもそんな人がいたが、知らない人とは目を合わせないようにしていると言っていた。本作のヴィンセントはそれよりも強力な特殊能力?が開花してしまった男だ。
発動条件は目が合うこと。発動した人から攻撃を受けるというもの。なんて恐ろしい。そうならない人もいるし、同じ人でも攻撃してこない時があるという適当でやっかいな条件だ。でも、目隠しとか、サングラスとか、どの条件で発動してしまうのか試すくだりがもう少しあってもいいのにと思ってしまう。フランス映画だからここらへんは期待しづらいのかもしれない。それでも、その不条理な世界観をそれなりに楽しんだ。今後どうなるのだろうと心配になる。
他人から突然理由のない暴力を受けるのってなんて不条理なんだと思っていたが、考えてみると自分たちにもそんなことが起こりうる。通り魔や強盗、なんならテロだってそうだ。そんな誰でも暴力被害を受けうる現代社会をメタファーで描いた映画なのかもしれない。でも、絶望にしろ希望にしろもう少しわかりやすい終わり方が好きなので点数は抑えめにした。

kenshuchu