硫黄島からの手紙

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劇場公開日:

解説

クリント・イーストウッド監督が、太平洋戦争最大の激戦だったといわれる硫黄島の戦いを日米双方の視点から描く映画史上初の2部作。アメリカ側から硫黄島を描いた「父親たちの星条旗」と対をなす本作は、硫黄島の戦いに参加した一人の若き日本軍兵士の目を通して、約2万2千人の日本軍を率いたアメリカ帰りの名将・栗林忠道中将らの戦いを描く。主演の栗林中将に渡辺謙、その他二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童がそれぞれ日本軍兵士として出演。

2006年製作/141分/G/アメリカ
原題:Letters from Iwo Jima
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2006年12月9日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第79回 アカデミー賞(2007年)

受賞

音響編集賞  

ノミネート

作品賞  
監督賞 クリント・イーストウッド
脚本賞 アイリス・ヤマシタ ポール・ハギス
音響録音賞  

第64回 ゴールデングローブ賞(2007年)

受賞

最優秀外国語映画賞  

ノミネート

最優秀監督賞 クリント・イーストウッド
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映画評論

映画レビュー

5.0本作とともに梯久美子著「散るぞ悲しき」を読むと万感こみ上げる

2024年5月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

「地獄の中の地獄」であった硫黄島の闘い。
米軍人ならこの戦場で応召兵が多くを占め、精鋭部隊とは言い難かった日本軍人たちがいかに勇猛果敢な戦いぶりを見せたことを知らぬ者はいなかった。
「イオージマソルジャー」であると知ると、捕虜となった日本兵へ畏敬の念さえ見張りの米兵は見せたという。
本作の主人公は、帝国陸軍中将・栗林忠道。
映画の作中には直接的な描写は出てこないが、彼は陸軍中将という大変な高位の軍人でありながら、硫黄島に死を覚悟して赴任すると島内を毎日のように巡視して、栗林を見たことがない硫黄島兵士は少ないというくらいだったようである。2万以上の日本兵がここで闘い、そのほとんどがこの地で命を落としているが、彼らの「日本本土を守る」という決意は大変なものであったようだ。
栗林はヒューマニストであった。
島内に圧倒的に足りないのは飲み水と野菜。ある時、野菜がひと籠栗林のもとに届けられると、「将軍は目に涙、小刀で雀の餌ほどに細かく野菜を刻ませ、出来るだけ多くのものに分け与えられた。将軍自身は一口も召し上がらず、昭和の乃木将軍かと深い感銘を受けた」と「散るぞ悲しき」にはある。
監督のクリント・イーストウッドはかなりの年齢まで反日家であったようだが、栗林中将のような人物の人格を知り、だんだん考えを改められたようである。
イーストウッド氏曰く「戦争映画は人間性に焦点を当てて描かねばならない」とのことで、本作は日本人の心情をアメリカ人である彼がよくここまで描いてくれたと思うほど感動的なものである。
是非、この名作を多くの人にご覧いただきたい。また、原作と言ってよい内容の「散るぞ悲しき」は文庫化されているので、こちらも是非。

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てつ

4.0日本以外の世界を見てきた経験が、視野の広さに影響している

2024年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

戦前の日本の軍人といえば、中村獅童演じる伊藤海軍大尉のように、部下を怒鳴り散らし無闇に玉砕したがる人間がステレオタイプだ。しかし栗林中将や西中佐のような、部下を大事にし、戦局を冷静に見れる人間もいることが分かる。この差が生まれるのは、栗林中将や西中佐がアメリカに居た経験が、彼らの考え方に大きな影響を及ぼしているからだろう。彼らは、当時のアメリカが日本よりも文明が発達していて豊かなのを目にしてきている。そしてアメリカ人にどのような人達がいるのかを、実際の交流を通じて知っている。インターネットも無く、交通手段も発達していない当時において、こういった経験の差が考え方に大きな影響を及ぼすことは想像がつく。

西中佐が、捕虜のアメリカ人サムの母親からの手紙を読み上げるシーンは切なくなる。戦場で戦う日本人もアメリカ人も、皆誰かが愛する子どもであり親である。彼らには人種の違い以外根本的な差は無い。それが戦争を理由に憎しみ合い殺し合う哀しさが、このエピソードに表れている。

栗林中将の考え方は、日本の軍人としての誇りを持ちつつ、できるだけ長く生き延びることにあるのが、彼の採る戦略や発言から分かる。洞窟を掘って立て籠もる戦略を立てたのも、危なくなったら部下に退却するように命じたのもそのためだ。アメリカ軍にギリギリまで抗い続けようとした。その時に考えられるベストを尽くす栗林中将の姿勢に、尊敬の念を抱いた。

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共感した! 2件)
根岸 圭一

5.0 太平洋戦争の激戦地の一つである硫黄島の戦いを日米双方の視点から描...

2024年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:その他
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疲れたおじさん

4.0大掛かりな大量殺人事件。被害者にも共犯者にもなってはいけない。

2024年1月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

映画はエンターテインメント。
視聴者が楽しめる脚本で、映像と音声で雰囲気を出せれば良い。
硫黄島を守る日本兵視点の戦争をクリント・イーストウッドが、どのように描くのかが見どころ。
ノンフィクションをうたっているが、ほとんど想像で補ったようなことを監督クリント・イーストウッドが円盤の特典映像で語っていた。

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Don-chan(Daisuke.Y)
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