幕末

劇場公開日:

解説

「徳川家康」の伊藤大輔が脚本、監督した歴史もの。撮影は「新選組(1969)」の山田一夫。

1970年製作/120分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1970年2月14日

ストーリー

ある雨の日、不自由な足に下駄を引摺った一人の小商人が藩の上士・山田にぶつかり無礼討ちされた。土佐藩では士分以外に下駄は禁制。下士・中平は怪我人に下駄と雨傘を与えた親切があだとなり、「御法度破りの同類」として山田のために討ち果たされた。この一件は烈しく坂本竜馬の心魂を揺ぶり故郷の土佐を脱藩させた。江戸を訪れた竜馬は、かつて剣の腕を磨いた千葉道場に落着いた。千葉は時の幕府海軍奉行、勝海舟を開国論者の先鋒とみて、嫌っていた。しかし、竜馬は海舟を邸に訪ね、立場こそ違え互に国を愛し、国を憂うる心に違いないことを知った。ちょうど、勤王倒幕の雄藩、薩・長二藩の主導権争い激しき折りだった。慶応元年。竜馬は長崎に「社中」を創設し海運業に乗りだした。だが、竜馬は海運業に携わるよりも、中岡と共に薩・長二藩連合のために奔走する方が多かった。その留守を預る近藤が「社中」規約違反の廉で詰腹を切らされ、中岡は同志のケチな差別根性を嚇怒した。同正月二十日。竜馬は長州の桂と薩摩の西郷との間を周旋して、ついに両藩積年の確執と反目を解消させた。だが、それと同時に竜馬は幕吏に狙われるところとなり、お良と結婚したものの安住の地はなかった。が、幕威に比し薩・長二藩の実力は伸長していた。この現実に周章したのは公武合体論の士佐藩だった。土佐藩家老後藤象二郎は竜馬に助言を求めた。竜馬は「将軍慶喜をして大政を奉還せしめる」ことを説いた。慶応三年十月十五日“朝廷勅して大政奉還の請願を許す”その頃、竜馬は河原町通りの醤油商・近江屋に下宿。十一月十五日、風邪の見舞に来た中岡と竜馬は「新政府綱領八策」について議論した。刺客が疾風の如く躍り込りこんで、二人の生命を奪い去ったのは、その最中だった。時に竜馬三十三歳、中岡三十歳であった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0オムニバスタッチが斬新

2024年3月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波
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Bluetom2020

3.5リメイクされるべきです 21世紀の役者達が旧世紀の体制を変革する物語を観たいのです

2022年11月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

1970年カラー作品

原作は司馬遼太郎の大人気小説「竜馬がゆく」
この作品は今年2022年、連載開始からちょうど60年になります
今でも誰もが知る作品です
世間一般の坂本龍馬のイメージはこの作品に登場する人物像に染まっています

坂本龍馬が登場する映画やテレビドラマは山のようにありますが、この司馬遼太郎の小説を原作としたものは、案外に映画化されていません

テレビドラマこそ、1965年、1968年、1982年、1997年、2004年の5回有ります
しかし映画となると本作ぐらいなのです

中村錦之助の演じる坂本龍馬は、実際の写真に寄せてありさほど違和感は感じません
とはいえ高知弁をつかってもしゃべり方はやっぱり中村錦之助です

一番の問題は吉永小百合が演じるお龍です
この配役にはガッカリした人は多いと思います
お龍の気性の強いエピソードを知る人ほどそうでしょう
吉永小百合は呉服問屋の大店のお嬢様役にしか見えないのです
違和感が最後まで消えないまま映画は終わってしまうのです

また三船敏郎の後藤象二郎は堂々とし過ぎで配役のバランスを欠いています

仲代達矢の中岡慎太郎も、原作のイメージからは離れていると思いました
役者としては良い仕事であったとは思います

本作公開から半世紀以上経ちました
司馬遼太郎の幕末もののもう一つの代表作の「燃えよ剣」は2021年にリメイクされました
「龍馬がゆく」もリメイクされるべきです
何も長らくリメイクされていないからではありません
世界も日本もなにやら大きく変わろうとするよって余震にみわまれています今こそリメイクされるべき意味を嫁い持つ作品だからです

21世紀の役者達が旧世紀の体制を変革する物語を観たいのです

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あき240

3.0江戸幕府末期を略すと、幕末?

2022年5月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

萬屋錦之介は名前は知っているが、リアタイでは見てないので、今回演技を初めて見た。やはりせりふ回しが歌舞伎っぽいというか、昔の時代劇という雰囲気。顔も濃く、大物感が溢れ出ている。昨今は、明るく人懐こい龍馬像が多いので、なかなか重厚だった。さらに、三船敏郎とのツーショットは、かなり豪勢だった。

冒頭の土佐の酔っ払い上士が斬る場面、えらく刀がゆっくりだった。いたぶり感がすごく、嫌〜な気持ちになった。あんなむごいことが頻繁にあったら、やはり反乱だって起こるさ。驕れる者は久しからず、ってね。めっちゃ若い古谷一行が、下士役で出ていた。

坂本龍馬の暗殺シーンは、製作時の1970年で、すでに史実が定着していたのだろうか。立ち回りは、今撮影しても同じような動きかもしれない。刀で見て確認するのは、ギョっとしたけど。あと、死ぬ時は少々ハデだったかな。

吉永小百合がおりょう。龍馬にぞっこんだった。ムサい男ばかりの中、一服の清涼剤のようであった。

BS日テレ特選時代劇の放送にて。

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ぷにゃぷにゃ

3.5おりょう役に可憐な吉永小百合

2022年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

中村錦之助扮する坂本龍馬は、土佐藩上士に堂々とたてつくタイプの下士で脱藩し江戸ふ向かい、神谷繁扮する勝海舟を斬りに行ったが勝海舟に惚れ込んだ。龍馬は海援隊を作り活躍していく。

ちょっと話が飛びすぎてたが、いかつい中村錦之助龍馬に対しておりょう役に可憐な吉永小百合が登場したのは良かったね。三船敏郎が後藤象二郎役、仲代達矢が中岡慎太郎役と言うのも渋かったな。

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重
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