マルサの女

ALLTIME BEST

劇場公開日:

マルサの女

解説

「お葬式」の伊丹十三が監督・脚本を手がけ、国税局査察部(通称・マルサ)に勤める女性の活躍をコミカルに描いたサスペンスドラマ。税務署の敏腕調査官・板倉亮子は、とあるラブホテルに目をつけるが経営者の権藤はなかなか尻尾を出さず、調査は難航する。そんな中、亮子は国税局査察部に抜てきされる。摘発のプロとして経験を積んだ亮子は、上司の花村と組んで再び権藤に対峙することになり……。おかっぱ頭がトレードマークの主人公・亮子を、伊丹監督の妻でもある宮本信子が好演。ラブホテル経営者・権藤を山崎努、亮子の上司・花村を津川雅彦が演じた。

1987年製作/127分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1987年2月27日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第11回 日本アカデミー賞(1988年)

受賞

作品賞  
監督賞 伊丹十三
脚本賞 伊丹十三
主演男優賞 山崎努
主演女優賞 宮本信子
助演男優賞 津川雅彦
音楽賞 本多俊之
詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1

(C)伊丹プロダクション

映画レビュー

4.0楽しい時代

2023年12月31日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
プライア

4.0懐かしさと、店の売り上げを計算する姿が印象深い。山崎努との駆け引き...

2023年11月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

懐かしさと、店の売り上げを計算する姿が印象深い。山崎努との駆け引きが生臭ささを緩和してる印象でドラマチックで良かった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ツネ

4.5山崎努と宮本信子の歪なかっこよさ

2023年7月30日
スマートフォンから投稿

笑える

はじめて本作を見た時に、伊丹作品をイッキ見してしまった程の傑作です。

社会風刺とエンタメ性のバランスが抜群です。
近頃は作品性重視の辛気臭い映画か、とにかくウケを狙う娯楽映画と二極化している印象がありますが、
それらの正しく中道を行くのが伊丹作品ではないでしょうか。

そしてそれを成り立たせているのが、秀逸なテーマ設定に加えとキャラクター作りの上手さだと思います。

前者は言うまでもないですが、個人的なお気に入りはキャラクターです。
脚が不自由が故の独特な動きが印象的な山崎努と、
おかっぱにそばかすの宮本信子。
どちらも非常にセクシーに写っています。
ミロのヴィーナスと同じで不完全な故の魅力なのでしょうか。
分かりやすく若い美男美女を物語の核としないところが、素晴らしいですね。

年に一度は見ている映画では。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
はも

4.0山崎努と宮本信子・2人のキャラクターの濃さ

2023年6月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悪人の戯画化に特別な才能のある伊丹十三監督。
アクの強さでは天下一品!!
人間の本性を暴く(性悪説?)の伊丹十三監督。
人間の醜い面を殊更に強調することにより、権藤(山崎努)は、
強烈でアクが強いキャラクターになりました。

対する彼を取り締まる国税局査察部(通称マルサ)に勤める
板倉亮子(宮本信子)は公務員の職務に熱心な普通の女性。
普通だけど《普通の普通》とは一色も二色も違う。
その仕事熱心さの情熱と、権藤の金を隠して脱税する執念。
2人はある意味で似た者同士なのかも!!
だから権藤は板倉に親近感を覚える・・・その熱意が好き・・なのです。

伊丹十三監督の作品は普通の監督が題材にする
「恋愛」「冒険」「ミステリー」「コメディ」のどのジャンルにも入らない。
強いてジャンルにも嵌めれば、「ブラック・コメディ」か?
「世相滅多切りコメディ映画」
でしょうか!?
世間に起こる「事件」や「世相」
たしかに「世相」を取り上げた作品が多いと思う。

この「マルサの女」を撮ることで、
人は金の亡者となり、なぜ儲けた金から税金を払うことを嫌うのか?
権藤の税金逃れは半ばゲームのように複雑化をしていき、
こんな苦労をする位なら、正直に納税した方が得策だと思えてくる。
伊丹十三は国税庁査察官に興味があったのだと思う。
彼の好奇心は無限で、誰にも止められない。

身体を2つに折る位に歪めて歩く。
確か愛人の前では脚の上げ下げや、蹴る動作をしていた。
(詐病なら身体障害者への差別とも取れるくらい酷いと言えば酷い)
愛人への扱いも(女優への扱いも、)
今現在ならハラスメントと断定されるかも知れない。

だがしかし、このヤバさが伊丹十三作品の魅力のひとつなのだ。
サービス精神、
スパイスのかけ過ぎ、
やり過ぎ!!

そしてもうひとつ。
奥さまの宮本信子を魅力的に撮ることは、驚く程だ。
マルサの板倉亮子は輝いている。
仕事に燃え、生き甲斐を感じ、猛進する。
宮本信子は伊丹十三の好きな《一番の素材》なのだ。
見抜いた伊丹十三も凄いが、七変化を演じた宮本信子も凄い。

伊丹十三没後25年。
伊丹十三作品の4Kデジタルリマスター版が制作されて、、
日本映画専門チャンネルで放映されました。

キャッチコピーは、
「日本映画に伊丹十三が足りなすぎる!!」

彼の実現しなかった次回作は、日本で有名な宗教法人を題材にしたもの、
だったそうです。

コメントする 1件)
共感した! 9件)
琥珀糖
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る

「マルサの女」シリーズ関連作品