やくざ絶唱

劇場公開日:

解説

「兵隊やくざ」以来五年ぶりに顔を合わせた増村保造と勝新太郎がやくざの世界を背景に、異父兄妹の愛情を描いた作品。脚本は「女体(1969)」の池田一朗、監督は「でんきくらげ」増村保造。撮影は同作の小林節雄が担当。

1970年製作/92分/日本
配給:ダイニチ映配
劇場公開日:1970年7月11日

ストーリー

石川組のやくざ、立松実には美しい異父兄妹、あかねがいた。彼にとって、あかねは妹というより、恋人だった。その狂おしいまでの奉仕ぶりは、他人を二人の間から遠ざけ、実の情婦可奈江でさえも、入りこむ余地のないほどだ。だが、あかねは孤独だった。そんな彼女に新任の教師、貝塚は興味をもった。あかねは肉親を越えた兄の異常なまでの想いを断ち切るために、自ら貝塚に身を任せてしまった。その頃、実は新興勢力の東風会幹部、外山の暗殺を命じられていたが、あかねの一件を知って猛り狂い、東風会のチンピラと一騒動をひき起し、刑務所行きとなった。それを知った実父の泰助が、養子の祐二を伴って一緒に暮そうとあかねにもちかけた。あかねは、一度は断わったものの、次第に、祐二に心をひかれていった。やがて、泰助が莫大な遺産を残して死んだ。妻の里枝は冷たい女で、あかねと裕二の仲を決して認めなかった。弟分の進からこの話を聞いた実は、ふたたびあかねへの異常な想いにかられた。保釈で出てきて、実はまず、義母里枝から大枚一千万を脅し取り、裕二にあかねと別れるようすごんだ。そんな実にあかねはその異常さをさとすのだった。実は、うらめしく思いながらも、あかねから身をひいた。すべてを失った実には、外山を殺すことしか残されていなかった。実は弾丸の尽きるまで射ちまくった。しかし、実も乾分たちのすさまじい連射を浴びた。うすれゆく意識の中で、実はあかねの名をつぶやいていた。

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映画レビュー

2.0時代の徒花

2020年1月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

70年ダイニチ配給。
増村監督が再び勝新と組んだ作品。高校生の大谷直子とやくざの勝新が異母兄弟で一緒に暮らしてるって設定がチト無茶。どこにニーズがあるか分からない設定をなぜ増村監督が撮ることになったのか。大映末期ゆえの迷走か。

しかしながら演出は素早く、あっという間に話が進む。だが面白くない。勝新が画面からいなくなってからの方が話がスイングするっていうね。

だが終盤は予想外な増村的展開。TVの大映ドラマのような唐突な台詞の応酬。そしてヤクザ映画らしいラストへ。
増村保造作品の中では失敗作の部類でしょうが、いつもながらのザクッと終わる切れ味は変わらずでした。

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散歩男
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