龍拳

劇場公開日:

解説

恩師の仇討ちに出た若者が「龍拳」を駆使して村民を苦しめる悪玉一家を倒す姿を描くクンフー映画。製作・監督はロー・ウェイ、脚本はウォン・チュン・ピン、撮影はチェン・ユン・シューが各々担当。出演はジャッキー・チェン、ノラ・ミャオなど。

1978年製作/90分/香港
原題:Dragon's Fist
配給:東映
劇場公開日:1982年2月20日

ストーリー

「唐山武館」の道場主であるサンタイは、武闘大会で名誉ある“武林至尊”を勝ちとるが、祝賀会場に遅れてやって来たチュンが、大会が終ったのにもかかわらず挑戦状を叩きつけサンタイを打ち負かした。“武林至尊”のタイトルを奪ったチュンは、さらに「唐山武館」の看板を叩き壊し去り、失意の末サンタイは死んだ。残された愛弟子のタン(ジャッキー・チェン)は、サンタイの妻と娘のランと共にチュンヘの復響を誓う。チュンは、彼の妻とサンタイの昔の情事をずっと怨み続けており、今回の無謀な行動もそのためのものだった。3年の猛修業の末、タンはチュンの道場を訪れた。しかし快くタンらを迎えたチュンは、今はサンタイを殺したことを詫び、「唐山武館」の金看板を新たに未亡人に贈った。「龍拳」という必殺拳をもつクンフーの達人になっていたタンに、そのころ地方の悪名高い一家の魔の手がのびていた。そのボス、ウェイは、村民を苦しめ悪業の限りを尽くしており、人々はチュンに助けを求めるが、悪業の証拠をつかむことができずチュンも手が出せない。そんなころ、ウェイの子分の一人が殺人を犯している現場を村人に目撃されるが、ウェイは、その子分を殺し、殺人をチュン一家の仕業に見せかけた。チュン攻撃にタンもまきこみ、ウェイは思いどおりチュン一門を全滅させた。しかし、すべての企みがウェイによるものであったことが明らかにされ、タンは、はじめて怒りの鉄拳をウェイ一門に向ける。サンタイ未亡人を人質にとるウェイ。絶対絶命のタンの前で、末亡人は舌をかんで自らの命を絶った。タンは渾身の力をふりしぼり、必殺拳「龍拳」を使いウェイ一家を壊滅させるのであった。

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映画レビュー

3.0シリアス一辺倒

2024年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

BS260で視聴
「挙精」の後、ジャッキーのレンタルによる「酔挙」と並行して、ロー・ウェイによるシリアス路線として製作された。
「唐山武館」の道場主の愛弟子ジャッキーは、師匠の敵討ちに燃えるが、その後は思わぬ展開を迎える。
何といっても、ジャッキーが(場面としては出てこないものの)3年間の(龍挙の)修行の末、たどり着いたら仇(かたき)の性格が全く違っていたのでは、やりにくかったろう。第一、それならば、まず道場主の家族に謝っているだろう。それに加えて、主要人物の裏切りもあり(もっとも、こちらは誰の味方かさっぱりわからず)。カンフーを楽しむには、最低限の筋立てがないと。私にとっては、1973年、香港ショウ・ブラザースの「ブラッド・ブラザース 刺馬」が原点。あの武闘劇は、本当に素晴らしかった!
ロー・ウェイは、ジャッキーのコミカルな面を容認して、前作「挙精」を作ったのに、二人とも満足できなかったのか、またシリアスだけの本作に戻ってしまっている。それで、ストーリーに難ありでは、これ以上の発展を期待することは難しい。残念!

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詠み人知らず

2.0ジャッキーらしくない

2024年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

主人公(ジャッキー・チェン)の師匠は大会で優勝するが、遅れてやって来た男に殺されてしまう。
未亡人と娘に復讐を誓った主人公は3年の修行の後、二人を連れて師匠を殺した男のもとに行く。
ところがその男は人が変わったように・・・。
ジャッキー・チェンのひょうきんなところがない、初期の作品でした。

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いやよセブン

3.5余りにもアナクロで複雑なストーリー展開。 動きもカンフーの型を分解...

2024年5月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

3.0今撮り直したら、どうなるのだろう。

2022年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

「もっと良くなるはずだった」「ブルース・リー氏が主演だったら…」と、ジャッキー氏がおっしゃったとどこかで読んだ。
 本当にその言葉に尽きる。

物語は悪くない。
 ただの復讐譚、正義の味方の世直し譚ではない。
 二転三転、様々な人の想いが交錯して、その中で、主人公自身の想いも自分自身で持て余して…。って、映画としての深みが増した作品。

ジャッキー氏の特徴であるコミカルさは封印。
これでもかと悩める青年。大切な方への義理・信を貫けば、正義が失われ、周りに誤解され…。

 今のジャッキー氏なら、もっといろいろな表情等で深みのある演技でみせてくれるのではと期待してしまう。演技だけでなく、脚本・演出にもバリエーションがでるなとも。
 この頃の若さあふれるジャッキー氏の表情も、若さゆえの甘さ・浅はかさが出ていていいんだけどね。
 どちらをとるか。

主人公だけじゃない。全体的に人物の造形が一面的すぎる。
 主人公・ホーエンが親のように尽くす奥様も、敵を赦せる大人物なんだけど、私からしたらあまりにも簡単に赦し過ぎる。中国の道(タオ)とか、老子とか、私が理解していない思想に基づくもので中国系の方なら理解できるのだろうけど、そのあたりの流れを丁寧に描いてほしかった。
 敵については、それまでの作品と違う設定で面白かったけど、
 もう一方の悪役はそれまでの作品と大差ない。

それでもカンフー好きの人にはたまらないのだろう。
 ラストのバトルも、やりすぎ!!って言いたくなるけど、それまでの想いが炸裂したと思えば、主人公若いし、ああなるのも仕方ないなあとも思う。
 アクロバチックな、それでいて舞のような、それでいて勢いのあるバトル。後年の『プロジェクトA』『サイクロンZ』『ポリスストーリー』のアクションを彷彿とさせる。ジャッキー氏が武術指導したと聞く。さすがだなあ。

 ただ、怒り爆発場面としてみると、ブルース氏の姿がちらついてしまって、違和感を覚える。
 監督は、ブルース氏の映画も撮ったという。ジャッキー氏をブルース・リー2号にして、売り出したかったのかな。
 でも、ブルース氏とジャッキー氏の持ち味違う。
 ブルース氏が暴れる場面ってどこか狂気じみた雰囲気が漂う。けれど、ジャッキー氏にはそれはない。
 場面設定のせいか?
 私の偏見かもしれないけれど、ブルース氏が暴れている場面て、都会の、ゴミゴミした、阿片の煙が漂いそうな、薄暗い室内のイメージ。ー引き締まりすぎている身体。無理な節制をしたのだろうと思ってしまうところからのイメージやわずかに鑑賞したブルース氏作品のイメージからかな。
 でも、この映画の場面は青空の下。
 また、強面でいながら、はにかんだような笑顔のギャップにもえるブルース氏と、
 天然系の、誰もが幸せになる笑顔の持ち主であるジャッキー氏。ジャッキー氏に阿片は似合わない。
 孤児であるホーエンが母のように慕う大奥様が…をはじめ、いろいろな思いで暴れまくる。長丁場でも飽きない、これでもかといろいろな見せ場があるのもすごいが、それだけでなく、緊張が長時間続くこともすごいが、それだけではない。ブルース氏なら”怒り”が前面に出てきて、格闘家らしい強さに圧倒される展開になったと思うが、ジャッキー氏のあばれっぷりは、怒りだけではなく、泣いているかのようなアクションを繰り出す。さすがだ。それで、大泣きしてカタルシスが得られるかと言うとそうでもなく、悲しみの余韻が続く。だから、後味が違うんだ。

そんなこんなで消化不良。
 この作品を最後に、ジャッキー氏は、この監督から巣立ったと聞く。
 その後のジャッキー氏の才能炸裂開花をみると、それは正解だったと思うし、同時にこの作品をはじめとするモンキーシリーズがあったから、自分らしさを確かめて育んでいけたんだろうなと思う。
 そういう思いで観ると感慨深い作品です。

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とみいじょん
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