風ふたたび

劇場公開日:

解説

製作は「決闘鍵屋の辻」の本木莊二郎で、『朝日新聞』に連載の永井龍男の小説から「泣きぬれた人形」の植草圭之助が脚色して、「せきれいの曲」の豊田四郎が監督に当たったものである。撮影は「哀愁の夜(1951)」の会田吉男。出演者は、「めし」の原節子、「恋の蘭燈」の池部良、「慶安秘帖」の山村聡、「唐手三四郎」の浜田百合子などの他に、三津田健、杉村春子、龍岡晋の助演、通人として知られた菅原通済の特別出演などがある。

1952年製作/88分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1952年2月14日

ストーリー

久松香菜江は夫と別れて渋谷の叔父の家に寄隅していた。その父久松精二郎は仙台の大学の教授であったが、学会へ出席のため上京の途中、同じ列車に実業家道原や香菜江の同窓生川並陽子などと乗り合していた。道原は車中洗面所へ忘れた財布から十万円紛失していることに気がつき、自分のすぐあとで洗面所へはいった精二郎を一応疑ったが、事を荒立てることを好まず、そのまま上野へ着いた。精二郎は上野駅で倒れ、昔の弟子、宮下の名刺を所持していたことから一応彼の下宿先へかつぎ込まれた。宮下の知らせで香菜江は渋谷から駆けつけたが、宮下のすすめで、そのまま彼の許で父の看病に当たることになった。道原の女友達でもある川並陽子から、列車の十万円紛失事件をきき、父が疑われていると知った香菜江は道原に会いに行き、ひどく彼の気に入られて、就職まで世話をしてもらった。妻を失った道原は、香菜江を後妻にとさえ思うのだったが、宮下と香菜江の間に強い愛情が芽生えつつあるのを知って、いさぎよく身をひき、北海道に永住して冷凍野菜の研究をするという宮下と共に、香菜江を立たせてやった。紛失した十万円は陽子が抜取ったものだったことが、彼女自身の口から明らかにされた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0当時の10万円は今の200万円くらいか・・・

2021年6月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 新聞ネタにまでされ、父久松が疑われた香菜江。誤解を解こうと、意を決して被害者の道原に会いに行く。香菜江が亡くなった妻に瓜二つだったため、彼女に興味を持つ道原。やがて、道原の会社に誘われる。やがて北海道の野菜作りに興味のある久松教授の部下であった宮下をも会社に誘う。

 後妻にまでと考えていた道原だったが、プロポーズもぎこちない。一方、宮下も会社に誘われたことによって化学者としての道を新たに誓う。二人の男とはいっても年齢差ありすぎだが、その二人の間で揺れるおんな心。要はメロドラマなのだが、まだ戦後混乱期の一面を見せる中で自立といったテーマ。そして自分の道を選ぶという自由な気風も見え隠れする。

 池辺良と山村總という男前にデレデレしっぱなしの原節子。美しいというより、恋心が見えたりプライドがあったり、ちょっと支えたくなるようなタイプの女性を演じていたなぁ。よくわからんけど。10万円盗難事件により二人の男性に知り合うという珍しいパターン。

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kossy

3.0原節子

2021年5月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公(原節子)は結婚に一回、失敗しているので何事も引っ込み思案だ。
ひょんなことから父の後輩(池部良)と知り合い、生き生きしてくる。
更にはお金持ちの男(山村聡)とも知り合い、俄然人生の歯車が回り始める。
原節子から目が離せない。
監督は豊田四郎。

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