劇場公開日 2024年5月17日

湖の女たちのレビュー・感想・評価

全49件中、1~20件目を表示

4.5日本の黒歴史を俯瞰して記憶にとどめるきっかけに

2024年5月23日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

知的

本作については当サイトの新作映画評論の枠に寄稿したので、ここでは補足的な事柄をいくつか書き残しておきたい。

まず、評では原作と映画で直接または間接的に言及した史実や事件を時代順に5つ挙げた。そのうち731部隊とミドリ十字などによる薬害エイズ事件は、人体実験に軍医として関与した内藤良一がのちに日本ブラッドバンク(ミドリ十字の前身)を創業したという点でもともとつながりがあった。だがそれ以外の3つの出来事にも事件が起きた背景などに共通する傾向を見出し、小説のストーリーに組み込んだのはやはり吉田修一の作家としての構想力の賜物であり、読み進むほどに圧倒される思いがした。

原作を未読で映画を鑑賞した場合、圭介(福士蒼汰)や佳代(松本まりか)の内面が小説ほどには描き出されていないことも相まって、情報が整理されずすっきりしない印象を受けるかもしれない。とはいえ、映画で気になったり引っかかったりした部分を確認するために小説を読んでみるのももちろんありだし、興味を持った事件があればネットで検索して解説記事やWikipediaなどで情報を補うこともできる。小説であれ映画であれ、「湖の女たち」をきっかけに歴史を俯瞰して日本人の国民性を見つめ直す契機になれば、それはきっと意義のあることだと思う。

ちなみに、実際の滋賀の人工呼吸器事件では、冤罪被害にあった看護助手の女性が取り調べを行った刑事に対し「特別な感情を持った」ことも、解説記事や書籍(「私は殺ろしていません 無実の訴え12年 滋賀・呼吸器事件」中日新聞編集局)などに記録されている。吉田修一は彼女に起きた2つの出来事を、佳代と松本郁子(財前直見)という2人のキャラクターに振り分けてフィクション化した。取り調べ対象の女性が男性刑事に特別な感情を抱くというのは、犯罪被害者が犯人に心理的なつながりを築く「ストックホルム症候群」や、患者が医者や看護師に恋愛感情を抱く「転移性恋愛」に似た状況なのかとも思う。そのあたりの論考を進めても面白くなりそうだが、評では字数の制約もあり触れられなかった。

評論で割愛した要素をもう一つ書き残しておきたい。小説と映画の舞台として、琵琶湖近くの「西湖地区」「西湖署」などの架空の固有名詞が登場する。調べてみると、呼吸器事件が起きた湖東記念病院の近くに琵琶湖の内湖の一つ「西の湖」がある。第一にはこれを元に「西湖(さいこ)」という架空の地名を当てたのだろう(なお、滋賀県ではないが山梨県の富士五湖の一つとして「西湖」は実在する)。ただし映画にも造詣が深い吉田修一だから、サスペンス映画の古典的名作であるヒッチコックの「サイコ」も念頭にあったのではないか。「サイコ」と「湖の女たち」の物語上の共通点として、沼/湖に沈める・引き揚げる行為が重要な意味を持つこと、鳥を愛好するキーパーソンがいることが挙げられる。こじつけかもしれないが、そんな見方もまあ面白いのではないかと。

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高森 郁哉

3.0まりか

2024年6月2日
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鑑賞方法:映画館

まりか様のボディダブルは誰かしら?あの四つん這いの背中はなかなか色っぽかったです。
舟のシーンで裾直したのは撮り直しでもよかったのでは?

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michi

0.5よく言って消化不良、ストレートに表現すると支離滅裂

2024年6月1日
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鑑賞方法:映画館

介護問題に始まり、警察の横暴さや薬害と政治の話、果ては731部隊まで話が膨らむ本作ですが、それぞれがまったく噛み合っていません。
登場人物も誰一人共感できそうになく、ギリギリ過去のエピソード込みで伊佐美に同情できるのみ。
主役の二人のはずの濱中や佳代にいたっては、行動基準がわからないと思っていたら、そのまま狂って色情狂に。
池田が出てきて、物語の本筋がこちらに移るものの薄いエピソードからなんとなく犯人が見つかるというどうでもいい展開。

原作がダメなのか、監督・脚本がダメなのか知りませんが、よくこんな映画が成立したな、という印象です。

よほどのことがない限り2024年ワーストでしょう。

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よして

2.0とっちらかった印象の映画

Mさん
2024年5月29日
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監督は何を伝えたくてこの映画を撮ったのだろう?
脚本家は、自分でよい脚本だと思って脚本を完成したのだろうか?

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M

2.0ごめんなさい。こんな女になってごめんなさい。

2024年5月28日
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鑑賞方法:映画館

これは、原作を読んでいないと理解が難しいのだろう。作中、たぶんいろいろなモチーフとなる実際の事件がある気がした。それをいちいち挙げるつもりも調べるつもりもない。その気にならないくらいに、役者たちの演技がイカれている。それは下手という意味じゃなくて、むしろその逆で、奇妙な役柄に入り込み過ぎているという誉め言葉に近い。近いのだけども、感動はしない。むしろ、嫌な気分を抱き続け、モヤっとした気分で映画館を後にした。たしかに、吉田修一の作品だ。受け入れがたい出来事と言うものが人間をああまでに変えてしまうという悲劇を、躊躇なくあぶりだし、美しいものと醜いもの、正義と悪、理性と本能を表裏一体で描ている。それを大森立嗣という適任者が映像化している。そりゃこうなるだろう。悪く言えば、凡人にはやや理解しがい出来に。なんか、松本まりかはこんな役ばかりあてられて気の毒な気がしてきた。

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栗太郎

3.0松本さんがんばれ!

2024年5月27日
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2024年劇場鑑賞123本目。
サスペンスと聞いて行ったのですがなんだこれ。
介護施設で風呂入れている松本まりかがエロすぎるだろこれ、と観ていたら刑事もまぁ見事にそうなっちゃうんですが。とにかくこの映画に出てくる警察にろくな人がいないのに、主人公の福士蒼汰演じる若い刑事が一番ひどい。心の中で舌打ちしていたら別の観ていたおじさんも本当に舌打ちしてました。

タイトルの松本さんは松本まりかでなく登場人物です。

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ガゾーサ

2.5女尻 松本まりか アリスJAPAN←違うでしょ

2024年5月27日
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怖い

興奮

難しい

2024年映画館鑑賞39作品目
5月26日(日)イオンシネマ石巻
dポイント−200円→1600円

原作は『悪人』『横道世之介』『怒り』『楽園』『太陽は動かない』の吉田修一
監督と脚本は『ぼっちゃん』『日々是休日』『タロウのバカ』『MOTHER マザー』『星の子』の大森立嗣

粗筋
介護施設「もみじ園」に入居していた100歳の老人市島民男が亡くなった
老衰でもなく病死でもなく何者かが意図的に人工呼吸器を停止させた殺人だった
殺人容疑で介護士松本郁子に対し連日長時間厳しい取り調べで自白を強要した西湖署の伊佐美濱中両刑事は松本から刑事告発され失職した
その一方で週刊誌記者池田は被害者の過去を調べ犯人として介護士服部久美子の孫三葉を疑った
またその一方で豊田佳代は湖畔で夜明けのカー◯ナニーに興じていた

まずわけわからん
脚本以前に原作も酷いらしい
いろいろと詰め込みすぎてしかもまとまらず酷い代物が完成した

流石に戦後80年くらい経っているのに731部隊をこのように描くにはそろそろ無理が出てきた
三田佳子でそれは確信に至った
20年前なら成立したかもしれないが大東亜戦争末期大人だった人たちは今いくつか考慮したらこんな作品は作れないはずだ
要するに口先だけで反戦活動している老害芸能関係者は少なくとも脳味噌が20年成長が止まった状態なんだろう

松本まりかはここまでしてなお乳房を披露することはない
往年の渡辺美奈代を彷彿させる拘りぶり
逆にエロティシズムを感じる
たしかに撮影をほぼ終了し全裸で「お疲れ様でした」とスタッフに言ってから頭を掻きながらシャワー室に向かう上原亜衣に色気はない
エロスとは恥じらいがあってこそ成立するものなのだ

浅野忠信はベテランになったら銭形警部を演じていたときの声みたいになっていた
ベテラン刑事=銭形警部なんだろうか浅野忠信の中では

財前直見の熱演が光った
久々に彼女の芝居を観たような気がする
北野武監督にお尻を触られ続けたことがよっぽど精神的にショックだったのか故郷に戻って農業を始めたときはもう俳優復帰はないのかなと思ったものだが

余談になるがポルノ映画でもないのに「くちゅくちゅ」はないな大森監督
女性も鑑賞するんだから

配役
介護施設「もみじ園」の介護士(2班)の豊田佳代に松本まりか
西湖署の若手刑事の濱中圭介に福士蒼汰
濱中とコンビを組む西湖署のベテラン刑事の伊佐美佑に浅野忠信
伊佐美の上司だった元刑事の河合勇人に平田満
佳代の同僚介護士の服部久美子に根岸季衣
久美子の夫に菅原大吉
久美子の孫の服部三葉に土屋希乃
久美子の友人の小野梓に大後寿々花
佳代の同僚介護士(1班)の松本郁子に財前直見
佳代の同量介護士(1班)の本間佐知子に呉城久美
佳代の同僚介護士(2班)の二谷紀子に川面千晶
週刊誌の記者の池田由季に福地桃子
編集長の渡部に信太昌之
週刊誌のデスクの小林剛に伊藤佳範
圭介の妻の濱中華子に北香那
佳代の父の豊田浩二に鈴木晋介
濱中や伊佐美の上司の竹脇東に近藤芳正
署長の両角に吉岡睦雄
民男の妻の市島松江に三田佳子
松江の若年期に穂志もえか
養護施設「もみじ園」で殺される市島民男の若年期に奥野瑛太
日本兵の谷川に岡本智礼
医療機器メーカーの担当者に長尾卓磨

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野川新栄

2.0幻の湖

2024年5月25日
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悲しい

どの事象も中途半端で煮え切らす釈然としなかった。
せっかくの豪華俳優陣を活かしきれていなくて、勿体なかった。重い話しが暗いまま進んで、登場人物に共感するところが少なくて、洞察力が乏しい私には結局何を表現したかったのか良く分からずに終わった。
昔見た『幻の湖』のような観る前に予想したとおり面白くは無かったかな。
福士蒼汰や松本まりかさん他、俳優陣は好き

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映画野郎

3.0ダブル主演の2人

2024年5月24日
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こんなドSキャラの福士蒼汰さんは新鮮
文字通り体を張った演技の松本まりかさんの艶技も圧巻でした⭐︎

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ヒストリア

2.0濱中と豊田のSMなシーンの衝撃が強くて、原作のテーマであった人間の善と悪というテーマが吹っ飛んでしまいました。

2024年5月24日
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 公開中の「湖の女たち」は、大森立嗣監督が、吉田修一の小説を映画化した作品。大森監督が吉田の原作に挑むのは、2013年の「さよなら渓谷」以来。ある事件をきっかけに、主人公の男女はいびつな関係に陥りますが、「『愛』という言葉に回収されないものを、吉田さんが描いていることに強く引かれた」というのです。

●ストーリー
琵琶湖の湖畔に建つに介護療養施設で、100歳の老人が不審な死を遂げます。刑事の濱中圭介(福士蒼汰)と先輩の伊佐美佑(浅野忠信)は殺人事件とみて、施設の中から容疑者を挙げ、執拗な取り調べを行なっていきます。事件が混迷を極めるなか、その陰で濱中は、取り調べで出会った介護職員の豊田佳代(松本まりか)への歪んだ支配欲を抱いていくのでした。
 一方、事件を追う週刊誌記者・池田由季(福地桃子)は、この殺人事件と署が隠蔽してきたある薬害事件に関係があることを突き止めていきますが、捜査の先に浮かび上がったのは過去から隠蔽されてきた恐るべき真実。署が隠蔽してきた薬害事件が今回の殺人事件に関係していることを突き止めます。
 そして、後戻りできない欲望に目覚めてしまった、刑事の男と容疑者の女の行方とは?さらに、殺人事件の真犯人に辿りつく池田。意外な事件の真相とは?

●解説
 原作の吉田修一の小説は、「言葉にできない感情を描く」という読者の想像力をかき立てる作風の作家なのです。なので、吉田原作の小説を映画化するとき、まんま映像化するとどうしても、俳句でいれば三段切れの脈絡のない映像がぶつ切り状態に羅列されていくという、説明不足な脚本になりやすくなっていきます。だからといって、ト書きやナレーションを増やしたり、前後の情景描写を増やすと、説明過剰になって。回りくどく感じる映像になってしまいます。吉田原作の映画化は、そういう難しさがあります。そういう点で本作は、前者の説明不足の作品でした。
 本作はメインの100歳の老久の不審死と薬害事件と戦前の731部隊の関連性が、原作ほど明確化されていません。そしてもっと問題なのは映画化にあたり強調されている濱中と豊田のSMな関係は、老人の不審死に全く関係しないことです。

 原作『湖の女たち』で使われたモチーフは、731部隊の人体実験と、津久井やまゆり園の殺傷事件。そこにうっすらと薬害エイズ事件と滋賀呼吸器事件が入ってくるものでした。大森監督はなんとか頑張って原作のニュアンスを取り込もうとしますが、時間の制約もあって、例えば731部隊の話はどうしても印象が薄くなりがちとなってしまいました。そしてなりより、濱中と豊田のSMなシーンの衝撃が強くて、原作のテーマであった人間の善と悪というテーマが吹っ飛んでしまいました。たぶん本作をご覧になる多くの方が感じるのは男と女の感情の表と裏をのぞき込んでしまう好奇心をくすぐられることでしょう。松本まりかを全裸にしてまで、男女の間に支配し、支配されるという倒錯的な関係を描くのだったら、いっそポルノ作品としてエロチックに仕上げた方が分かりやすかったかもしれません。しかし濡れ場の描写も希薄なのです。
 徹底した大森監督の反権力志向が、刑事も人間、こんな裏面もあるよといって濱中の裏面を暴き立てて、警察の権威を失墜させたかったのかもしれません。でもねぇ、作品中、時間を割いてまで描く必要なシーンだったのか疑問です。
 しかも刑事が容疑者の知り調べ中に、容疑者を追い詰め、結果容疑者のマゾッけを発動させて、署内で下着を脱がせるなど卑猥な言動を行うなんて、絶対にあり得ない設定でしょう。

●感想
 そして本作をわかりにくくしている決定的な点として、「731部隊」と「薬害事件」と「今回の殺人事件」がつながっていたという原作の大事な筋書きに触れられていないことです。
 その結果、この三つの要素がバラバラで唐突に入れ替わって描かれているように見えるという心証をうんでしまいました。
 戦時中、731部隊で行われていた人体実験の関係者が劇中の薬害事件の所長と介護施設で殺された100歳の老人がすべて同一人物なのであるということです。そこには凄まじい悪意が存在していたはずです。そこが描かれてこそ、事件の意外な犯人が、なぜその老人を殺したかという動機に合点が入ったはずでした。それが本作では矮小化されて、ただ年寄りは単なるお荷物だから殺してしまったことになったのは残念なところです。
 そして本作の意外な犯人は、この人がきっと犯人なのかもと暗喩されるだけの曖昧な結末。豊田記者の追及にも、うっすら微笑むだけでした。これでは映画が終わった後でも、犯人とバレなかった人は、きっと犯行を繰り返し、悪意を拡散し続けていくことでしょう。フラストレーションがたまる終わり方でした。

●最後にひと言
 監督が園子温だったら、もっとエロむき出しの作品となってたでしょうけれど、大森監督の美学では、そうしたくはなかったようです。
 舞台は湖の周辺。大森監督にとって、湖は「ぽかんとあいた穴のようなイメージ」。海が向こうにある世界を想像させ、川が流れていくのとは違って、「湖は停滞している空間」で、そこに落ちていく濱中と佳代の姿も描かれたのでした。
 さらに、戦時中に犯罪的行為が行われた別の湖のイメージが重なり、湖という場所が歴史性も帯びてきます。2人は、湖が象徴する負の歴史のようなものにのみ込まれそうになるけど、ぎりぎりあらがって、何とか、美しいものとしてあろうとします。
 安っぽい恋愛のように見えた瞬間、映画が台無しになってしまうことにこだわった大森監督にしてみれば、単なる情事として描きたくなかったのでしょう。

 その主役の福上、松本は難役をこなしました。これは評価します。特に、福士が演じた演中は複雑な内面を抱え、常に沈鬱な表情をたたえていたのです。これまでのイケメン俳優のイメージを覆すような役なのです。「福士君には、刑事みたいに演じようとしないでほしいと言いました。脚本を読み、撮影現場に立って感じたままに演じてくれれば、濱中になるんだと」と大森監督は語っていました。
 容疑者を支配欲でがんじがらめにしてしまうアンモラルな刑事役ですが、彼もまた相方の先輩刑事からパワハラを日常受けつつ、その強引な取り調べ姿勢に疑問を持ってしまう役柄。見ている方も、濱中を憎めなくなって行くところは、福士の持つ時の人柄の良さが滲み出ていると思いました。

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流山の小地蔵

2.0原作もこんなに分りにくいのか?

2024年5月23日
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難しい

幻想的な予告編に惹かれ、それ以外は全く予備知識無く観賞。
なんとなく楽しみにしていたのだが・・・

【物語】
湖畔の介護施設で酸素吸入で命をつなぎとめていた老人が、ある日の早朝酸素吸入器が停止したために死亡する。警察は殺人事件として捜査を開始する。

若手刑事・濱中圭介(福士蒼汰)とベテラン刑事の伊佐美佑(浅野忠信)は当日施設に居た看護師と介護士から事情聴取を行う。そして犯人と睨んだ介護士松本(財前直見)を執拗に追及する。一方、濱中は介護士・豊田佳代(松本まりか)にゆがんだ支配欲を募らせ、接近する。

また、事件を追って現地に来た週刊誌記者・池田由季(福地桃子)は、伊佐美が長い間追って来た過去の薬害事件の担当刑事だったことを知る。

【感想】
どんな話なんだ? と思いつつ観始める。
しかし、中盤まで“胸糞悪い”という言葉しか浮かばない展開。何を描こうとしているかも全く分からない。

濱中の豊田に対する行動も、2人の関係性も全く意味不明。この2人には実は過去に何かあったのか? 最後にそれが明かされるのかと思いながら観続けるも、結局それも無く、わけの分からないまま終わる。

最後に事件の真相は仄めかされるものの、留飲を下げるような結末も用意されていない。

結局何を描きたかったのか、理解できないままエンドロール。
エンドロールで、「原作 吉田修一」が目に入る。

吉田修一の小説は一作も読んでいないが、吉田修一原作の映画は過去6作ほど観ている。他の作品も、いずれも「ほっこり」とか「スッキリ!」という作風ではなく、どれも人の心の闇や人の弱さを浮き彫りにしたような作品ばかりだ。が、それでも何となく描きたいことは分かる作品で、特に“怒り”、“さよなら渓谷”あたりは俺には刺さり、今も強く記憶に残っている作品だ。 少なくとも“難解”とか“モヤモヤ”という印象は持っていない。

それを考えると、本作だって「原作はそんなに難解な作品ではないのでは?」と思ってしまう。監督(脚本も担当)が、いたずらに芸術作品ぽくしようとした結果こんな分かりにくい作品になったのではないかと疑いたくなる。つまり、ひとりよがりの脚本・演出にしてしまったのではないかと。

原作を読まずに勝手な想像をするのは失礼かも知れないが、そんなことを思ってしまう作品だった。

残念ながら俺の感受性では全く楽しめなかった。

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泣き虫オヤジ

3.5人間は欠陥品

2024年5月23日
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楽しい

単純

寝られる

大森立嗣×吉田修一という、如何にもヤバそうなタッグ。映画と小説、両者とも評価が二分されることが多いため、今回もさほど期待していなかったけど、ほどほどに面白く、そこそこつまらないといった感じ。

濡れ場たっぷりの、強化版「別れる決心」かと思っていたけど、結構違った。恋とかそういうんでもない。ミステリー色がかなり強い作品。ただ、何でもかんでもやり過ぎていて、終盤から収集が付かなくなったのか、かなりとっちらかった作品にはなっている。一つ一つの要素は面白いのに、どれも中途半端。勿体ない。

「湖の女たち」はて、どういう意味なのか。たち?湖に関連した女性は松本まりか、1人じゃないか?しかも、湖のシーンがこの映画で最もつまらない。とまぁ、タイトルと内容が上手いことマッチしておらず、てことは原作の完成度もさほど高くないんじゃないかな。「楽園」もそうだったけど、吉田修一の作品は無駄なセクシャル要素が作品の質を下げている気がする。真っ当にミステリーやればいいのに。生きずらい日本をバッサリ斬ってくれればいいのに。

大森監督の特技、演者の持つ才能の引き出しは今回も抜群だからこそ、脚本・物語設計が気になりすぎた。にしても、浅野忠信、いい芝居するなぁ。正直これだけで儲けもん😊

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サプライズ

2.0テーマを広げ過ぎて台無し

2024年5月22日
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事件に焦点を当てるなら松本との関係は不必要だし昭和の設定ならともかく731部隊は時代錯誤!!結局事件の背景 真相も中途半端な物語

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ゆたぼー

2.5魅せられて

2024年5月22日
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難しい

寝られる

萌える

一言
「ちょっと何言ってるかわからない」

本筋がぶれぶれで収拾つかず。
何でそうなる⁉感満載。
で結局何よ?真相は薮の中…

原作もこんなんなのか?

まりかの濡れ場をみるため「だけの」作品。
もっとみたいぞ(笑)

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YOU

3.5「変態」で片付けると途端につまらなくなる男女の関係。

2024年5月22日
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原作未読。
なかなか面白かったんだけど、施設の老人殺人事件と、取り調べる刑事と被疑者の関係がエロい感じになっていくのと、未解決の薬害事件の巨大な話がちょっと乖離して見えてしまった。
3つとも魅力的なせいで掘れば掘るほどそう見えるのかも知れない。薬害246部隊ネタは無くても良かったかも、その方が「湖の女たち」だったかもしれない。
原作の問題なのかな。

福士蒼汰も松本まりかも凄みがあって良かった。
流石の三田圭子、財前。
最近勢い出てきた穂志もえかも見れてお得です。

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masayasama

2.5変態エロスと欲情メンヘラの履き違え

2024年5月22日
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重い、暗い、ジメっとしてて梅雨前には観たくない。それでも観たのは松本まりかの艶かしさへの期待から。
これが期待はずれでして😭😭😭

あり得ない状況下で偏りのある性癖が合致したことによるエロスの開眼かと思っていたのに(原作未読のため勝手な想像です)、蓋を開けてみたらただのメンヘラちゃんでした。
これではないのよね、観たいエロスは。

となると、ただの静かで重たく、時にバイオリンがめちゃんこ煩く鳴り響くだけの映画となってしまい、こんな評価になっちゃいました🙏

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らまんば

2.5もやもや

2024年5月22日
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予告等何も情報入れず鑑賞。

繋がるようで繋がらず、どうなっちゃうのか‥落とし所もなくモヤッと終わった

わからなくも無いけれどわからないんだな

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M U

3.5原作を読みたくなりました

2024年5月22日
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面白かった。
さすがの吉田修一氏原作、映像美に反しての内容の重たさよ。

みんな松本まりかちゃんの色香に騙されてはダメよ!立ってるだけでフェロモン撒き散らしてる彼女に性別関係なく、気持ちを持っていかれると思うけども。
彼女もちょっと憑依型というか、すごく役にハマってしまう女優さんなのかなと思うけど、これは男子は翻弄されるよなあ、うまいなあと思って観ていた。

そして福士蒼汰くんのオラつきにも。
(なんかオラつき慣れてなさそうな感じが可愛かった)
そもそも彼は笑い顔というか、真顔でも目が涼しげに微笑んでいるタイプだと思うので、確かにこういう感じのお顔立ちで、実は突然キレるキャラとかだと周りは普段とのギャップもあって怖さが倍増なのはわかる気がする。

浅野忠信もよかった。
伊佐美は色々あってのあのキャラだったのを映画みてたらわかるけど、ああなるまでにどれだけの失望を繰り返したのかなとちょっと気の毒になった。

想像以上の悪が隠れてるよ。
実際の事件を滲ませて作品を作る?というかみんなが知ってる事実を織り交ぜた方が話の内容に真実味が増すというか、想像しやすくなるというか。
なんかそんな作品が吉田作品には多いかなと思いました。
原作読みたくなったわ。

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icco

3.5場面展開と、 福士蒼汰の役どころが、 ところどころよく分からなかっ...

2024年5月22日
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場面展開と、

福士蒼汰の役どころが、

ところどころよく分からなかった

でも全体通して悪くない

浅野忠信が、

桑田佳祐に見えて仕方がなかったのは、

私だけですか?

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jung

0.5だれか教えてほしい

2024年5月21日
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だれか教えて!一体なんの映画だったんだろう?観終わったからずっとモヤモヤが止まらない。
殺人事件から始まって、介護職の環境問題?刑事の威嚇、違法捜査?薬害?731部隊に政治的圧力、挫かれた正義感、子どもから見たら老害?
主人公、2人の絡みのシーンだけが、別の世界のように感じるし。間違ってもあそこに、愛だとか恋愛感情のようなものは存在しないだろうし。
テーマになりうるものがたくさんありすぎて、なにが「きれいなもの」なのかさえわからなかった。
書いていて思ったが、そのなにがなんだかわからない、そのことこそが現代社会なのかもしれないなぁ。

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emukocyan