劇場公開日 2024年5月17日

湖の女たちのレビュー・感想・評価

全85件中、1~20件目を表示

4.5日本の黒歴史を俯瞰して記憶にとどめるきっかけに

2024年5月23日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

知的

本作については当サイトの新作映画評論の枠に寄稿したので、ここでは補足的な事柄をいくつか書き残しておきたい。

まず、評では原作と映画で直接または間接的に言及した史実や事件を時代順に5つ挙げた。そのうち731部隊とミドリ十字などによる薬害エイズ事件は、人体実験に軍医として関与した内藤良一がのちに日本ブラッドバンク(ミドリ十字の前身)を創業したという点でもともとつながりがあった。だがそれ以外の3つの出来事にも事件が起きた背景などに共通する傾向を見出し、小説のストーリーに組み込んだのはやはり吉田修一の作家としての構想力の賜物であり、読み進むほどに圧倒される思いがした。

原作を未読で映画を鑑賞した場合、圭介(福士蒼汰)や佳代(松本まりか)の内面が小説ほどには描き出されていないことも相まって、情報が整理されずすっきりしない印象を受けるかもしれない。とはいえ、映画で気になったり引っかかったりした部分を確認するために小説を読んでみるのももちろんありだし、興味を持った事件があればネットで検索して解説記事やWikipediaなどで情報を補うこともできる。小説であれ映画であれ、「湖の女たち」をきっかけに歴史を俯瞰して日本人の国民性を見つめ直す契機になれば、それはきっと意義のあることだと思う。

ちなみに、実際の滋賀の人工呼吸器事件では、冤罪被害にあった看護助手の女性が取り調べを行った刑事に対し「特別な感情を持った」ことも、解説記事や書籍(「私は殺ろしていません 無実の訴え12年 滋賀・呼吸器事件」中日新聞編集局)などに記録されている。吉田修一は彼女に起きた2つの出来事を、佳代と松本郁子(財前直見)という2人のキャラクターに振り分けてフィクション化した。取り調べ対象の女性が男性刑事に特別な感情を抱くというのは、犯罪被害者が犯人に心理的なつながりを築く「ストックホルム症候群」や、患者が医者や看護師に恋愛感情を抱く「転移性恋愛」に似た状況なのかとも思う。そのあたりの論考を進めても面白くなりそうだが、評では字数の制約もあり触れられなかった。

評論で割愛した要素をもう一つ書き残しておきたい。小説と映画の舞台として、琵琶湖近くの「西湖地区」「西湖署」などの架空の固有名詞が登場する。調べてみると、呼吸器事件が起きた湖東記念病院の近くに琵琶湖の内湖の一つ「西の湖」がある。第一にはこれを元に「西湖(さいこ)」という架空の地名を当てたのだろう(なお、滋賀県ではないが山梨県の富士五湖の一つとして「西湖」は実在する)。ただし映画にも造詣が深い吉田修一だから、サスペンス映画の古典的名作であるヒッチコックの「サイコ」も念頭にあったのではないか。「サイコ」と「湖の女たち」の物語上の共通点として、沼/湖に沈める・引き揚げる行為が重要な意味を持つこと、鳥を愛好するキーパーソンがいることが挙げられる。こじつけかもしれないが、そんな見方もまあ面白いのではないかと。

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高森 郁哉

2.5何処に向かう。

2024年6月7日
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鑑賞方法:映画館

壊れた男と壊れた女が、愛憎の限りを尽くす。それとは別に、過去の大きな事件と今ある殺人事件を絡めて、すったもんだすったもんだ。。。
演技は別にして、ストーリー的に松本まりかの描写必要?あれがメイン? なんか過去の事件から絡まって今に向かう話の方にのめり込んでしまって支配や抑圧による性描写がどーにも要らなく見えた。2人の演技力は凄まじかったけれども。
面白かったです。

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chitto

3.5時のない湖

2024年6月6日
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鑑賞方法:映画館

吉田さんの原作とのことで、やっと時間つくって観てみました

主人公の佳代役の松本まりかさんには敬服しましたが、刑事濱中に対してのいびつな服從が、どうも納得がいかない
精神面での母不在で家庭的に欠落した心のまま介護士になって、ドメスティック・バイオレンスの餌食になった、

この2人に未来はなく、先輩刑事がそうであったように、日本社会の悪しき構造に飲み込まれて行くだろう濱中の将来もみえてくる

大森監督渾身の作品だろうに、あまりにストーリーが広汎なため、焦点が絞れなかった感は否めない
でも好きな作品でした
琵琶湖は穏やかな湖だが、その精神性として日本の歴史をじっとみているのだ

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ソルト

3.0248 蒼汰すごいわ

2024年6月6日
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鑑賞方法:映画館

組織の膿が出まくる現場で署長も課長も浅野先輩もぐちゃぐちゃに
なっている中福士蒼汰の現実を見事に映し出す存在感は素晴らしい。
まりかちゃんもどうせならもう一脱ぎしてもよかったのでは。
ドキュメントを並行させ物語に真実味をつける手法は悪くないが
731は真実かどうか不明なので要らないし
杉田水脈の話も文脈が捻じ曲げられているので不要
この作家風情を見せびらかす表現はどうかと思ってしまう。
琵琶湖ももう少し神秘的に見せれば対比が強く出てきたのに、と残念。

60点
水口アレックスシネマ 20240606

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NWFchamp1973

5.0世界は美しいのか…答えは

2024年6月6日
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原作を読んでいないので純粋に映画を観ての感想になります。
観ていて遠藤周作の「海と毒薬」を彷彿させる深い内容だと思いました。

志を持って社会に出て初めて今まで思っていた世界とは違う理不尽な世界を知った若者の苦悩。
愛する人と結婚して子ども作って家庭を作ることが男女の愛の幸せという世界がありながらも別の人と惹かれ合い倒錯した世界にのめり込む。
2つの話が絡み合いながら
世界は美しいのだろうか…と観ていてる者に投げ掛ける。
この言葉の深さと悲しみは登場人物から出る言葉と表情で心に訴えてくる。
ベテランで実力のある役者の方々の力にさすがという感嘆を覚えた。

この深いテーマを2時間の中に余すところなく入れて、しかもこのテーマの答えを分かりやすく出していない所が素晴らしい。

世界は美しいのか…それを決めるのは作り出すのは…

日本も含めて何かに支配されている今の世界に一石を投じる映画でした。

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オセロ

5.0湖の女たち

2024年6月6日
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なんちゃん

4.5「大森立嗣監督、松本まりかさんトークイベント」

2024年6月6日
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知的

今年106本目。

トークイベント付き上映。
作品は世界は美しいですか。
それに気付くと世界はこんなに美しい物で溢れている。また命を教えてくれませんか?のセリフ。
こう言う映画を素晴らしい作品だと感じる事が自分の自信になると松本まりかさんも仰っていましたが、自分もそう思っていて2時間見て今生きていると感じます。

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ヨッシー

3.0最後が中途半端

2024年6月4日
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怖い

難しい

人の異常な部分を表現した映画って言う感じですかね?
2人のエロティシズム的な表現は必要だったかは疑問が残る所
キャストの演技は見物でした

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nami

2.5何を伝えたいのか

2024年6月4日
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難しい

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ほのぼの

2.0なんだこれ

2024年6月2日
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難しい

いろんな出来事がごっちゃになっててよくわかりませんでした。最近松本まりかファンになって初の出演映画だったので、なんか残念な気持ちになりました。

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ひろ

3.0まりか

2024年6月2日
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鑑賞方法:映画館

まりか様のボディダブルは誰かしら?あの四つん這いの背中はなかなか色っぽかったです。
舟のシーンで裾直したのは撮り直しでもよかったのでは?

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michi

0.5よく言って消化不良、ストレートに表現すると支離滅裂

2024年6月1日
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鑑賞方法:映画館

介護問題に始まり、警察の横暴さや薬害と政治の話、果ては731部隊まで話が膨らむ本作ですが、それぞれがまったく噛み合っていません。
登場人物も誰一人共感できそうになく、ギリギリ過去のエピソード込みで伊佐美に同情できるのみ。
主役の二人のはずの濱中や佳代にいたっては、行動基準がわからないと思っていたら、そのまま狂って色情狂に。
池田が出てきて、物語の本筋がこちらに移るものの薄いエピソードからなんとなく犯人が見つかるというどうでもいい展開。

原作がダメなのか、監督・脚本がダメなのか知りませんが、よくこんな映画が成立したな、という印象です。

よほどのことがない限り2024年ワーストでしょう。

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よして

3.0深い

2024年5月29日
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小説も読みましたが、なかなか深い話しですね。
人間の持つ闇や、狂気、😈歴史は繰り返す。

誰もが求める美しさって何か?
が問われる作品でした。
福士蒼汰さんと松本まりかさんピッタリでした。

スルメの様な映画🎬

おすすめです♪

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なおちゃん

2.0とっちらかった印象の映画

Mさん
2024年5月29日
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監督は何を伝えたくてこの映画を撮ったのだろう?
脚本家は、自分でよい脚本だと思って脚本を完成したのだろうか?

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M

2.0ごめんなさい。こんな女になってごめんなさい。

2024年5月28日
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鑑賞方法:映画館

これは、原作を読んでいないと理解が難しいのだろう。作中、たぶんいろいろなモチーフとなる実際の事件がある気がした。それをいちいち挙げるつもりも調べるつもりもない。その気にならないくらいに、役者たちの演技がイカれている。それは下手という意味じゃなくて、むしろその逆で、奇妙な役柄に入り込み過ぎているという誉め言葉に近い。近いのだけども、感動はしない。むしろ、嫌な気分を抱き続け、モヤっとした気分で映画館を後にした。たしかに、吉田修一の作品だ。受け入れがたい出来事と言うものが人間をああまでに変えてしまうという悲劇を、躊躇なくあぶりだし、美しいものと醜いもの、正義と悪、理性と本能を表裏一体で描ている。それを大森立嗣という適任者が映像化している。そりゃこうなるだろう。悪く言えば、凡人にはやや理解しがい出来に。なんか、松本まりかはこんな役ばかりあてられて気の毒な気がしてきた。

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栗太郎

3.0松本さんがんばれ!

2024年5月27日
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2024年劇場鑑賞123本目。
サスペンスと聞いて行ったのですがなんだこれ。
介護施設で風呂入れている松本まりかがエロすぎるだろこれ、と観ていたら刑事もまぁ見事にそうなっちゃうんですが。とにかくこの映画に出てくる警察にろくな人がいないのに、主人公の福士蒼汰演じる若い刑事が一番ひどい。心の中で舌打ちしていたら別の観ていたおじさんも本当に舌打ちしてました。

タイトルの松本さんは松本まりかでなく登場人物です。

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ガゾーサ

2.5女尻 松本まりか アリスJAPAN←違うでしょ

2024年5月27日
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怖い

興奮

難しい

2024年映画館鑑賞39作品目
5月26日(日)イオンシネマ石巻
dポイント−200円→1600円

原作は『悪人』『横道世之介』『怒り』『楽園』『太陽は動かない』の吉田修一
監督と脚本は『ぼっちゃん』『日々是休日』『タロウのバカ』『MOTHER マザー』『星の子』の大森立嗣

粗筋
介護施設「もみじ園」に入居していた100歳の老人市島民男が亡くなった
老衰でもなく病死でもなく何者かが意図的に人工呼吸器を停止させた殺人だった
殺人容疑で介護士松本郁子に対し連日長時間厳しい取り調べで自白を強要した西湖署の伊佐美濱中両刑事は松本から刑事告発され失職した
その一方で週刊誌記者池田は被害者の過去を調べ犯人として介護士服部久美子の孫三葉を疑った
またその一方で豊田佳代は湖畔で夜明けのカー◯ナニーに興じていた

まずわけわからん
脚本以前に原作も酷いらしい
いろいろと詰め込みすぎてしかもまとまらず酷い代物が完成した

流石に戦後80年くらい経っているのに731部隊をこのように描くにはそろそろ無理が出てきた
三田佳子でそれは確信に至った
20年前なら成立したかもしれないが大東亜戦争末期大人だった人たちは今いくつか考慮したらこんな作品は作れないはずだ
要するに口先だけで反戦活動している老害芸能関係者は少なくとも脳味噌が20年成長が止まった状態なんだろう

松本まりかはここまでしてなお乳房を披露することはない
往年の渡辺美奈代を彷彿させる拘りぶり
逆にエロティシズムを感じる
たしかに撮影をほぼ終了し全裸で「お疲れ様でした」とスタッフに言ってから頭を掻きながらシャワー室に向かう上原亜衣に色気はない
エロスとは恥じらいがあってこそ成立するものなのだ

浅野忠信はベテランになったら銭形警部を演じていたときの声みたいになっていた
ベテラン刑事=銭形警部なんだろうか浅野忠信の中では

財前直見の熱演が光った
久々に彼女の芝居を観たような気がする
北野武監督にお尻を触られ続けたことがよっぽど精神的にショックだったのか故郷に戻って農業を始めたときはもう俳優復帰はないのかなと思ったものだが

余談になるがポルノ映画でもないのに「くちゅくちゅ」はないな大森監督
女性も鑑賞するんだから

配役
介護施設「もみじ園」の介護士(2班)の豊田佳代に松本まりか
西湖署の若手刑事の濱中圭介に福士蒼汰
濱中とコンビを組む西湖署のベテラン刑事の伊佐美佑に浅野忠信
伊佐美の上司だった元刑事の河合勇人に平田満
佳代の同僚介護士の服部久美子に根岸季衣
久美子の夫に菅原大吉
久美子の孫の服部三葉に土屋希乃
久美子の友人の小野梓に大後寿々花
佳代の同僚介護士(1班)の松本郁子に財前直見
佳代の同量介護士(1班)の本間佐知子に呉城久美
佳代の同僚介護士(2班)の二谷紀子に川面千晶
週刊誌の記者の池田由季に福地桃子
編集長の渡部に信太昌之
週刊誌のデスクの小林剛に伊藤佳範
圭介の妻の濱中華子に北香那
佳代の父の豊田浩二に鈴木晋介
濱中や伊佐美の上司の竹脇東に近藤芳正
署長の両角に吉岡睦雄
民男の妻の市島松江に三田佳子
松江の若年期に穂志もえか
養護施設「もみじ園」で殺される市島民男の若年期に奥野瑛太
日本兵の谷川に岡本智礼
医療機器メーカーの担当者に長尾卓磨

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野川新栄

0.5初めて映画を観たことを後悔した作品だった

2024年5月27日
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コットン

3.5弱者

2024年5月26日
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ごっとん

1.5超展開

2024年5月25日
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naichin