劇場公開日 2024年5月17日

「ボブ・マーリーの真実」ボブ・マーリー ONE LOVE 椎名モモコさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ボブ・マーリーの真実

2024年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

彼の妻リタによって語られたボブ・マーリーの物語です
時期はクイーンの「ボヘミアン・ラプソディー」発売と同時期少し後です

綺麗事だけではなく彼の死後撮影されたリタ夫人の
怒りのインタビューの内容もそのまま使われていて笑いました
しかし恐れることも無く銃の前に立ちジャマイカの友和を訴えた
英雄であることはまぎれも無い真実です

ラストはOne Loveコンサートでクライマックスなのねと思いきや
「ジャーよ我々はラスタファリアンだ!」と叫び幕を閉じます
尺的にはたぶん撮影したと思われますが
この方がいいよねってバッサリいったような気がします
まあ誰もが知っている事だからダサイと思ったのでしょう
逆に「ポジティブ・ヴァイブレーション」に出てくる
I&Iについて深く詳しく説明している事こそ本作のキモということですね

劇中の「WAR」を収録した超過激な内容の「ラスタマン・ヴァイブレーション」から
狙撃後イギリスに亡命して制作された「エクソダス」とその成功についても
重きを置いて描かれています

グローバルでマイルドな内容に大きく変化しましたが
狙撃により牙を抜かれたかと当時は思ったんですが
あくまで商業面を考えた方向性の変更だったそうで
ジミヘンマニアのギタリストを加えたのも
イメチェンを期待したからだそうです

以下は余談であの頃の話です

クラプトンがカヴァーした「アイ・ショット・ザ・シェリフ」
がきっかけでオリジナルのバンドとして日本で紹介され
あの伝説の名LIVE盤がリリースされました
当時FM放送はアルバム丸ごと放送されたのですが
それでも何回放送されたかわからないぐらいの大ブレークで
クラプトンが消し飛んでしまうぐらいの勢いでした
ですから世界的な人気は「エクソダス」からだったのは
とても意外だったし「One Love」からほどなく
脳癌で死んでしまったから世界的には時代の一瞬の人だったんですね

自分があのLIVE盤を聞いた時にはMIXの影響でしょうか
全く聞いたことがない斬新さを感じ
クリムゾンの「エピタフ」やピンク・フロイドの「原子心母」を
初めて聞いた時と同じぐらいの衝撃がありました

それらとさほど遅れる事の無い時期にレゲェはイギリスで大ブレークしていて
いち早くツェッペリンが「デジャ・メイク・ハー」で取り入れ
後にストーンズの「チェリー・オー・ベイビー」や
ポリスの「メッセージ・イン・ア・ボトル」等が続きます

今でもボブ・マーリーの人気は凄まじく
スクリーンもなかなかの入りで丁度向かうときに
通路の後ろでOne Loveを上手に歌うお父さんとかいました
ただ年齢層が正に私と同世代で原始神母のLIVEと似た景色でした
今のロックと呼ばれれているものとは似ても似つかない半世紀前の音楽ですが
若い人にも是非聞いてもらいたいものですね

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椎名モモコ