籠の中の乙女

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

2009年・第62回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞し、10年・第83回米アカデミー賞では、ギリシャ映画として史上5本目となる外国映画賞にノミネートされたサスペンスドラマ。妄執にとりつかれた両親と純真無垢な子どもたちを主人公に、極限の人間心理を描く。ギリシャ郊外に暮らすある裕福な一家は、外の汚らわしい世界から守るためと、子どもたちを家の中から一歩も出さずに育ててきた。厳格で奇妙なルールの下、子どもたちは何も知らずに成長していくが、ある日、年頃の長男のために父親が外の世界からクリスティーヌという女性を連れてきたことから、家庭の中に思わぬ波紋が広がっていく。

2009年製作/96分/R18+/ギリシャ
原題:Dogtooth
配給:彩プロ
劇場公開日:2012年8月18日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第83回 アカデミー賞(2011年)

ノミネート

外国語映画賞  

第62回 カンヌ国際映画祭(2009年)

受賞

ある視点部門
ある視点部門 最優秀作品賞 ヨルゴス・ランティモス

出品

ある視点部門
出品作品 ヨルゴス・ランティモス
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映画レビュー

4.0健全さの中に狂気を宿らせないために

2024年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

知的

「ランティモス映画は教育によろしい」という暴論は私の持論なのだが、ランティモスに教育をさせるのはダメなのがよく分かる本作。これは犬に大変失礼だが、犬も手懐けられない父が子どもをしつけようとしたら、軟禁して暴力で支配するしかないだろう。しかも言語における社会通念上のシニフィエとシニフィアンをぐちゃぐちゃにさせるとかヤバすぎる教育だ。

もし外の世界を知らなければ、ホームビデオをハリウッド映画のように喜んだり、飛行機の大きさを手のひらサイズだと思うのだろうか。そしてシールをもらって喜び、プール遊びをすることにいつまでも楽しみを感じれるのだろうか。さらに性行為は?

子どもを犬のようにしつけようと手中には収められない。暴力性は突発的に生じるし、巣立ちしたい本能は備わってしまっている。

ラストの不穏さが末恐ろしいが、健全さの中に狂気を宿らせないために教育的に見直したいと思う。いやむしろ健全さを求めることが狂気なのか。

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田沼(+−×÷)

3.5全て自分で管理して支配したい人=男

2024年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

怖い

「ロッキー」と「ジョーズ」と歌 "Fly me to the moon"(父親による正しくない訳詩つき)にこの映画の中で出会えてほっとした程、親子間も夫婦間もきょうだい間も変てこな家庭の話だった。母親がカセットテープを通して子ども達に教える語彙レッスンが不思議。対象となる語は、新しいもの、家にいては見えなくて出会えない事物に限られている、海とかゾンビとか高速道路とか。家では普通に話していたし基本語彙は正しく学習している。飛行機が今の東京都内みたいに頻繁に上空を飛んでいる。飛行機の音も聞こえるし機体も庭から見えるし、飛行機オモチャを塀の外に投げる遊びもしてるから、飛行機は飛行機として知っている。

もう大人の体なのに長男も長女も次女も子どもみたい。次女が一番まともでしっかりしていて長男が一番幼くて変。長男の部屋の壁は真っ白で絵もポスターも貼ってない。その代わりベッドのヘッドボードにベタベタ貼られた小さいシールとそれを指差しして確認する長男が不気味。ご褒美に父親から貰うんだけどこんなのをセックスする年齢の男が喜ぶなんて!

外の人間は外の世界を持ち込んで来るからと、クリスティーナはクビ、息子には今度はあまり若くない女性を、と言いつつ、外部からはダメだと言ってたから、結局二人の娘のどちらかを息子に選ばせることにした父親。バスルームにいたあの二人は長男の妹達に見えましたが間違っている?選ばれたのは長女で母親が彼女の化粧と髪をとかす手伝いしてたように思った。

両親の結婚記念日で踊る姉妹。妹は早々に疲れて退場するが姉は一人で最後まで踊りきる!暗黒舞踏か体ぐにゃぐにゃ体操か凄くシュールで兄のギターのメロディーと無関係。このてんでばらばら感は笑えた。

「ロッキー」見たから鉄アレイも平気な長女、血だらけになりながら犬歯を無事取ったがその後が問題!パパに依存していてはだめだよ。パパが言ってた「家から出るには車が必要」に縛られていた。家から出るというのは本当に自分一人で誰の力も助けも借りずに自分の足で出ることなんだよ、と言ってあげたかった。

父親は大きな工場の社長っぽいが何か危ないヤバい物を作ってるんではないか?と思った。その意味ではピュー主演の映画「ドント・ウォーリー・ダーリン」を思いだした。家にいる主婦の妻達はなあんにも知らされず籠の鳥状態。他人依存症と血だらけシーンに関してはギリシャの映画「PITY ある不幸な男」を思い出した。調べたらなんと!「PITY」もこの映画も「ロブスター」も「聖なる鹿・・・」も脚本を手がけているのはエフティミス・フィリップ!ランティモス監督も変だけど脚本家フィリップも相当変わってる!ギリシャの映画、面白い!

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talisman

2.0はあ

2024年4月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

この監督の映画は見るたびになんか疲れるんだよなぁ
でもどこかしら引き込まれていくから見てしまう
今回のはイカれ親父がどうにも共感できないなあ
子供は親のおもちゃじゃないんだよ
しかし性的シーン多めなのにまったくエロさがないのも不思議
ところどころに痛々しいシーンがあるが猫はダメダメ
親の教育って子供に本当に影響があるよね
バカが育てると子供はロクなことにならない
このところの日本でもあてはまるねえ

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まあ映画好

1.5

2024年3月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

「聖なる鹿殺し」に引き続き、見てみた映画。
いやーなんだかゴールのない、結論のない映画を見ているようで、途中で挫折しそうになった。でも最初の30分くらいの家族の会話が、聖なる鹿と似ていたかな…何かあるこの家族、とは感じながら見ていた。

結論から言うと、私の解釈としては昭和オヤジ(日本じゃないけど)が独裁国を建てて自分勝手に暮らす家族の成れの果てが描かれているのかなと。
ただ、昭和オヤジたちは、はっきり言わないと分からないのよ(笑)もう少し明確なメッセージとして伝えないと、風刺した甲斐がない、とか思っちゃって…
アカデミーにノミネートされたんですね、これ…

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Camme
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